工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

木工職人のバランス感覚

元気に仕事に専念できるのも、こうしてブログなどにエントリーすることなども、心身共に健康でなければ困難なことです。
でも今日は、2月に1度の定期検診で地元の総合病院の呼吸器科に行って来ました。職業病、気管支喘息の検診です。
特に症状が悪化しているわけでもなく、痰がからむ、美声が出ない(笑)などの症状ぐらいで現状維持で推移しているので、聴診器による簡単な胸の検査と2月分、2種類の薬を処方してもらうだけです。
一病息災といったところで受忍してるわけです。
気管支喘息の原因は何であるのかは実は不明。いろいろと検査するものの、確たる原因物質は特定できていません。
上述したように木材の加工過程で環境に飛散されるダストが原因の職業病であろうと判断しているので、マスク着用、換気扇の活用など講じているものの、これで症状が改善するというものでもないのだが、激しい症状は出なくなってきているので、奏功はしていると見るべきでしょう。


他にも、もちろんたばこは吸わない、食生活はできるだけ加工食品を避け、添加物の無いものを摂る、などの配慮をするようにしているので、これが体調のほどよい管理に繋がっているものと勝手に解釈しています。
ボクは木工職人というどちらかといえば体力勝負の業種でありながら、きゃしゃな体つきをしていますが、どっこい、重い材木などを持たせれば、若い者などには負けません。遅れてスタートした木工人生ですが、それなりに堅牢な身体が出来てきているようです。
最初に修行したところでは重いみずめ樺の板を振り回す「木取り」という工程の手伝いをさせられたのですが、連日連夜、両肘への過度なストレスで手の震えが止まらず、睡眠障害にもなってしまったこともありましたが、そうした過酷な肉体的酷使を通して徐々にいつの間にか木工職人の体つきになっていったのでしょう。
木工は少しの体力と、少しの知力、想像力を必要とする仕事ですので、バランスの取れたものなのかもしれません。
そうしたところから仕事への価値観が形成されてきたためか、例えば、Webサイトを最初に構築する作業の時などのデスクワークの集中的作業では大きなストレスを抱え込むと言うことがありました。これは慣れない仕事だったということもあったのですしょうけれど、日常の仕事と較べて明らかに肉体的、精神的なバランスが崩れたためと解釈することも可能だろうと思うのです。
長い時間デスクワークなどしていて、工場に入らないような日は、何か罪悪感のようなもので自己嫌悪に陥ることなどもあるのです。
こんな脆弱な精神では決して良い仕事はできないのですがね。
ブログなどというものにいくらかの力を注ぎ込むことが果たしてどれだけの意味があるのかは分かりませんが、日中の肉体的疲労を癒すためのバランサーとしての効果を認めることで、自己正当化しているわけです。
現在ブログ記述に費やしているこの食後の時間帯、それまでは新聞をチェックしたり、TVの前に座ったりしていたのですが、最近のTVメディアの荒廃ぶりを見なくなっただけでも精神的平衡が保たれるというものです。

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  • 私も10年くらい前に気管支炎にかかり、入院しました。原因は、やはり木の埃だったようです。このままではじきに酸素ボンベ無しでは生活できなくなるとまで言われました。
    一ケ月ほどで退院しましたが、その後も毎月検診に行き、薬も毎日飲まされました。それでも一年くらい経つと、検診も薬も終わりになりました。入院前は、しょっちゅう風邪をひいてましたが、気管支炎の治療が終わってからは、ほとんど風邪をひかなくなりました。
    肺って過酷な臓器だと思います。体外から物質を取り込む臓器にしては、まことに無防備とも言えます。水や食事はしばらく摂らなくても平気ですが、呼吸は止められませんからね。

  • otakeさん、コメントありがとうございます。
    完治されて良かったですね。
    ボクへは「もう来なくて良いから」との言質はくれません。
    otakeさんの場合、あまり快調ですとお酒が進みすぎるので問題かもしれない。
    ところでその後 (^_^)y-゜゜゜ はどうされましたか?

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