工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

木工機械ワークショップ

今日の拙房は知人木工家、デザイナーが4人ほど集まり、機械の研修会場に相成った。
対象とした機械はピンルーター(大型のルータマシーン)。
各々、キャリアを積んだ木工家の方々を対象としたものなので、かなり実践に即した内容で解説させていただいた。
基本的にはピンルーターの切削能力、その汎用性の多用さなどに重点を置いたもになった。
ピンルーターを日頃から多用しているボクとしては、以外にも多くの木工家がこの機械を導入していないという現状を訝しく思っていた。
ルータマシーンへのあらぬ誤解(危険な機械、量産家具向け etc)、その能力への軽視などを払拭してもらい、ぜひ日々の木工加工作業の向上を図ってもらえればという一念で対応させていただいた。
作成したレジュメには

  • 「手作り」というドグマ、陥穽に陥ってはならない
  • 生産性の向上と加工精度の向上は工房運営を助けるだけではなく、デザインの自由度を高める

とした。


遠方からの来訪なので、時間的制約などもあり、十分な解説にはならなかったであろうけど、その制約のなかにあっても、使ってみたいという興味と意欲は持っていただけたようで、つたない話にも熱心に聞いてくれた参加者に感謝したい。
後は実践の過程で独自の活用法も生まれてくるだろうし、巷間危険と言われるこの機械の安全性への確保も、最初は数回危ないことも経験しながらより良いジグを開発することなどで、危険への回避方法を編み出し、そしてより良い仕事に寄与してもらえるよう使いこなしてもらいたい。
米国の木工クラフトマンの工房を見聞きすると、大抵はシェイパー(日本での通称は「縦軸面取り盤」)が必ずと言って良いほど導入されているようだ。ま、しかしこのシェイパーと、ルータ両方を設備することが望ましいけれども、順番から言えばまずはルータという選択が基本だろう(業務内容にも規定されてくるので一概に断定は出来ないが…)。
ただこの機械を自家薬籠中のものにすることで飛躍的に制作活動が充実する一方、この機械の性能に味付けされた作風が、果たして真に高品質なものづくりに寄与しているかどうかは別次元の問題であろうから、注意したいところだ。 自戒 (^。^;)
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