工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

北欧家具の魅力とは(Danish Interiors)

denissyuinnteriasu
北欧家具の魅力を的確に表現するには、さて、どのような言葉を宛てたら良いのか。
書店のインテリアコーナーにはあふれんばかりの北欧のインテリア、生活スタイル関連本があり、人気であるに違いないのであるが‥‥。
そんな曖昧さへの答えを見つけるには、どっぷりとそれらの家具空間に身を沈めるのが良い、というわけで今日は浜松にある北欧家具専門店〈デニッシュインテリアス〉に表敬訪問。
ちょっとした事情でこのショップの運営者とは既知の仲だったが、お訪ねするのは初めてのこと。
少し緊張もしたが、大きな開放的な空間に所狭しとセンス良く並べられた様々なテイストの家具たちに囲まれ、心地よい時間を過ごさせていただいた。


フィン・ユールの名作の数々、ウェグナーの名作の数々など、あらためてそれらの造形美を構成しているディテールに目をやり、またこれぞという椅子には実際に座らせていただき、掛け心地の上質さを考えてみる。
生涯椅子のデザインを探求し、木という素材を知り尽くしたマイスターとともに造り上げた名作の背景に潜むのは、徹底した機能美と、健康的で洗練されたモダンな美意識に支えられた完成度の高さだろう。
この日本でも多くのファンがいて、フィン・ユールのNo.45Chairが110万円もするものだというのに、相変わらず人気の商品だという。
日本人特有の木材工藝への独特の評価基準と、座り心地の良さというものは、決して安くない価格ではあっても、所有への欲望に逆らえないものがあるのだろう。
やはり腰をかけ、身を横たえてみることで、その魅力は素直に身体に語りかけてくるものであるようだ。
制作する立場の者からすれば、徹底したプロダクトとしての製造システムの追求に支えられたものとして、良質な対象化素材であるが、これを工房スタイルのボクたちがどのように学習するのかは、いくつもの課題がありそうだ。
ショップの店員さんには接客そっちのけで詳しく解説していただき、感謝している。
デニッシュインテリアス
フィン・ユール

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