工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Gallery Talk の効用とは

山の上ギャラリー

山の上ギャラリー・「私の椅子展」もスタートから2週間を経て、先週末22日、会場での立ち会いをさせていただく。
この日は「Gallery Talk」の企画もあったせいか大勢の来訪があり、広い会場も一時は客でごったがえす状況でもあった。
ボクの旧くからの顧客、親しくしていただいている家具メーカーの社長、そして友人など、大勢の関係者にも足を運んでいただいたが、本当にありがたく思っている。
この日はとても蒸し暑い陽気で、名称の通り小高いところに立地するギャラリーまで辿り着くには、大きな汗を掻いてのものだったに違いなく、お疲れさまでした。
ただ、来訪された方々には豪壮な造り酒屋を移築した異空間と、ギャラリーのもてなし、そして良質で、創造的な様々なスタイルの椅子の数々に座っていただき納得の時空であったかと思う。
また「Gallery Talk」に参加された方々にはなお一層のご満足をいただけたものと思うが如何だったろうか。
今回の「Gallery Talk」は7名の出展者のうち、井崎正治氏とボクの2名によるものだったが、谷進一郎、デニス・ヤング、藤井慎介、各氏の参加にも助けられ、とても有益なものであった。
ボクなどはこうした「Gallery Talk」は不慣れということもあり、A4 一枚の簡単なリーフレット(レジュメ)を用意し、参加者に配布して臨んだ。
しかしそれは不要とも思えるほどに参加者からの積極的な問いかけ、発言が飛び交った。
そしてこれらにも助けられ予定の時間を大幅に超えるほどに、内容の充実した「Gallery Talk」であった。
参加者は出展者の関係者に留まらず、椅子の愛好家、メディアで長く活躍されてきた方、あるいは他のジャンルの工芸家、建築設計に携わる若者、などバラエティーに富んだ方々。
椅子に用いられる材種の質問からはじまった「Gallery Talk」だったが、それを発展させて、現在の材木市況の問題、あるいは椅子制作に木を用いることの意味。
さらには、こうした工芸的なアプローチにおける椅子造りをアートとしてなかなか認識されない日本における受容のされ方の問題を、海外の事情に詳しいデニス氏からの問題提起があったり、近年モノヅクリというものの本質が、日本では見えにくくなりつつあったところから、私たちの営為と、このようなギャラリーの熱心な企画によって、再評価されつつあることの意味など、熱く語られた。
なお、この「私の椅子展」の前回の「Gallery Talk」は、前田純一氏とご一緒させていただき進めたのだったが、その際は、他の出展者の出品作品を含め、1点1点、解説させていただくところから説き起こしていったと記憶しているが、今回のようにじっくりと椅子制作の本質、木工という仕事の本質を垣間見せるような内容もまた、思いの外参加者には喜んでいただき、有為なものであったことは、ボクにとっても収穫であった。
Top画像は、夕暮れ時のギャラリーファサード。
なお本企画、会期は9月23日までありますのでお出掛け下さい。

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