工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

東北・関東巨大地震・大津波・原発放射能漏れ

近代史における自然災害でも、かつてなかった広域性と規模、被害の激甚性があったことは疑いないだろう。
これらは地震、ツナミにおける学術的な概念を大きく変えるものであるだろうし、また災害復興、生活再建における構想の困難は想像を絶するものがある。

列車との連絡が取れない、船との連絡が取れない、さらには役場との連絡が取れない‥ etc .etc.
これらは一体何を意味するのか、その意味を想像することはできても、口にすることさえ憚れる怖ろしい事態。
TVモニターからリアルに伝えられる現地情報を前にして、家人と交わす言葉も顔をこわばらせ、震えながらの声となってしまう。
空撮されるその下にはあげき苦しむ被災者の姿があり、救援を待ち望む必死の訴えがある。

地球上で生き、人々と語らい、暮らしていくことはとてもありふれた姿であるはずのものが、こうして一瞬のうちに全てを失い、藻屑となって消え去っていく。

この自然界の猛威と対極的な人の命のはかなさ。
この圧倒的な非対称の世界に我らは生を営む。

実は昨夜は普段通りにBlog更新しようと考えてはいたものの、とてもそんな精神状態ではあり得ず、スルーしてしまったのだったが、今朝、遠方の地で活躍する読者(面識はないが、若い木工家の一人)から電話が入り、その内容がBlog更新の滞りを懸念し、何か地震被害にでもあったのかとの安否を尋ねるものであったこともあり、こうしてとりあえず自身の無事と、被災見舞いの記事を上げさせていただくことにした。

なお、ボクの生地はこの度の地震の被災地にあたり、叔母、従兄弟などが暮らすところでもあり、また複数の顧客も暮らしている。
数日前の三陸沖地震では無事であったことを確認させてもらったが、まさか二日前の大きな地震が、実は余震であったかのようなこの度の巨大地震には、状況を尋ねるのが怖くて連絡もできないほど。

さらにまた、現在かなりの規模での家具制作中の納品先クライアントが居住する地域も、この被災地にあたる。
1週間後に控えた納品設置は、陸路の寸断を考えると再考が必要だろう。

様々に思いが交錯する今般の激甚災害だが、親戚縁者、知人、顧客の安否への不安とともに、最大の関心事は東電福島原発建屋の爆発と炉心溶融、放射能漏れという信じがたい深刻で怖ろしい事態だ。
この東電は2007年に新潟県中越沖地震で原発に大きな事故を引き起こしただけに、今般の放射性物質の大気中への放出という事態の責任は余りにも重い。

被災者への心からのお見舞いと、帰らぬ人となったご遺族への心からのお悔やみを申し上げたいと思う。

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  • 新しい環境での初コメントがこのような事態になってしまいました。

    私のまわりでも衝撃的な津波の映像が流れた岩手県や
    宮城県の名取市に実家のある友人がいて
    やっと「無事」だと連絡が取れて安心したところです。
    岩手県 釜石市と連絡が取れず待つしか無い不安な夜を
    過ごしている友人もいます。
    本当にこわいです。

    今日の朝日新聞の夕刊は
    東京から中央道を通り名古屋経由で我が家に届きました。

    • サワノさん、今般の震災は想定を大きく超える大変な事態に見舞われているということが、時間を追うごとに明らかになりつつあるようですね。
      被災地が広域だけに何らかの繋がりのある人も多いわけですね。
      繋がりのある被災者にはぜひ支援と励ましをしたいものです。

      日本列島、至る所が地震の巣に取り囲まれていますので、〈明日は我が身〉の思いを共有せざるをえません。

      実際、どのような因果関係か不明ですが、信州、北陸と、遠く離れた地域での誘発地震が続発する中、浜岡原発は果たして大丈夫なのかとの懸念は増すばかりです。

      ともかく皆が生き抜くために何ができるか、一人ひとり深刻に考えねばならない事態でもありますね。

      今回の初コメント承認で、今後はタイムレス無く即刻表示されますので、よろしくおねがいします。

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