工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

可もなく不可もなく(チェリーの製材)

もっと早くやっておくべきだったが、いくつかの理由で、梅雨間近のこんな時期になってしまった。

さほどの太さのものではなかったが、ストーンとした素直な樹形でもあったので、勧められるままに買ってしまった。
3本のチェリー材の製材。

割って、積んで、乾かす、これらは梅雨入り前に終わらせるのはもちろんのこと、初期段階の天然乾燥を済ませておくことが必須の要件になってくる。
5月初旬であればぎりぎりのところか。

昨日はフィリピンで9名の犠牲者を出しつつ北上してきている台風1号の余波を受けて荒れた陽気になるとの予報。
ここ静岡では真夏日を超えようという、全国1の記録的気温上昇であったようだ。

粉塵対策を考慮してのフード付きの作業着も、厚手の軍手も、蒸れて邪魔くさい。
静岡市内では34度まで上がったというので驚く。

しかし懸念された雨はさほどではなく、朝1番での製材作業はほとんど影響も受けずに済ますことができた。

結果は可もなく不可もなく、といったところか。(まるで自分の人生みたいだって?)
1本を柾目で割り、残り2本をまるっぴき。
うち1本は、内部に隠れていた大きな節の欠陥があり慌てさせたものの、まずまず良い製材だった。

終了後、予定外のものだったが、うちの帯ノコでは手に余る幾枚かの板の再製材をやってもらう。

1.3寸、1.2尺ほどののウォールナット乾燥材2枚を2つ割り。
5分ほどに上げ、キャビネットの鏡板に。
予定になかった製材だったが、快くサービスの範囲内でやってくれた。

甘えついでに、4寸ほどの玉杢ケヤキも2つ割り。
これは顧客からの預かりモノ。
何か適当に作って欲しいとの曖昧な依頼品。

汚い短コロだったが、1枚、皮を剥くと、惚れ惚れする玉杢が顔を出す。
芯に近い側は杢も薄れるが、何を作ろうか?

このK製材、創業から3代目の社長だが、周囲の製材屋がパタパタと業務を畳む中、営業熱心に切り盛りしているところが好ましい。
職人さんもベテラン揃いのようで安心して任せられる。

hr

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