工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

子供の成長とともに随伴する机、そして配慮の足りないBlogger

Blog記事は時として配慮が足りずに大事な顧客を泣かせてしまうということもある。

盛岡の小さな顧客への納品に関わる記事に貼付けた画像が問題だった。(こちら
後日、この小さな顧客のお父さまから明かされたエピソードの1つとして知った。

小学1年生の新入学に合わせて制作依頼された机、ほかの画像。
この机の画像が一枚だけであったことが悲しませた原因。

どういうことかというと、この時は2つの子ども部屋に2つの机他を納品設置させていただいた。
つまり彼らは双子であるのだが、Blogには片方の部屋だけを掲載し、掲載されなかった他方の小さなオーナーの心を傷つけてしまったということである。

罪なことをしてしまったと思う。痛く反省している。

遅れ馳せながら、ではあるが、あらためて掲載させていただこう。
このような事態は簡単に取り返しがつくというものではないのだが、せめてもの償いとして‥‥。



ごめんなさいね。その前の記事に紹介させてもらったお手紙は仲良く併記させてもらったのに、オジサンの配慮が足りなかったね。

ところで、こうしたBlogで身内の話をするのは避けたいところだが、兄弟間の関係というのも、時に微妙なところが見え隠れするもの。
普段は仲が良くても、ちょっとしたことで反目したり、牽制し合うといったことがある。
(お互い大人なので、さすがに喧嘩にまで発展ということは無いけれど)

先の石巻での災害ボランティア決断でもそのような危うさが出るという意外な展開があった。
帰還後のことではあったのだが、家族を含む周囲を巻き込み、本人だけが好き勝手なことをしている、といった風の捉え方をされてしまい、これには虚をつかれた感じで滅入った。
(家族に向けては支援を求めるということではなく、ただ行ってくると伝えただけだったのだが)

これは弟のことだが、一般にも3人兄弟の真ん中は放任主義で育てられ、自立心が旺盛。
それに較べ長男は体制順応型で保守的だろうし、末っ子は甘えん坊でかわいい奴。
長じてもこうした傾向は変わりなく続くもののようだ。

これが双子となると、その関係性は実に密度が濃く、それだけに二人の間にはちょっと想像を超えるものがあるだろう。
ご両親のご苦労もまた一般の子育てとは違う異次元のものがありそうだ。

ところで、このペア制作、制作者としても、それなりの苦労があった。
例えば机だが、相互のクォリティーを揃えるのはもちろんのこと、木目の配置、つまり木取りも可能な限りに揃えるといった風に。
所詮自然木である以上、「無双」が基本であるので、同一の木目を求めるならば合板を選べ、ということになるだろう。
無垢材の微妙な差異と、今後の成長過程で使い込まれ、それぞれの味わいが醸されていき、変化していくのかも知れない。

この子たちとは4年ほど前からの交流だが、すこしづつ個性の違いも出てきているように思う。
今後も折にふれ成長の過程に触れていくだろうが、どのように成長し、どのような人生を歩んでいくのかは、客と作り手の関係を超えて興味深いところではある。

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  • 小学1年生に個室なんかいらない。
    というのは、単に貧乏人の僻みです。

    個室で育つ子供たち。
    兄弟関係も昔とは違ったものになって
    行くのでしょうね。

    artisanさんも、この子供たちから注文をもらうまで
    頑張ってください。

    • acanthogobiusさん、当然にもそのようなコメントが付くことは想定されましたので、記事内容については躊躇したのですが、顧客の方はむしろ歓迎という意向ですので、公開。

      家族の風景も様々でして、(失礼な物言いながら)このご家族は私の見立てとしてもとても良い家庭ですし、お子たちの成長が楽しみです。

      欧米先進国での子の自立を考えた時、就学時に自立へ向けて環境を整備するというのはさほど異質なものではないでしょう。

      >この子供たちから注文をもらうまで頑張って
      ははは、明日にでもリタイアできるのであれば、そうしたいというのに‥‥。

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