工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

『芹沢けい介の生活デザイン』(芹沢けい介美術館企画)

芹沢美術館パンフ

芹沢銈輔美術館から、春の企画もののポスター、パンフレットが送られてきたので、ご案内します。
■ 『芹沢銈輔の生活デザイン』
■ 会期:08年1月26日(土)〜 5月18日(日)
 静岡市立芹沢けい介美術館
静岡市駿河区登呂5-10-5  Tel:054-282-5522
芹沢は染織に留まらず「型絵染」(布の代わりに紙を型紙で染めたもの。この呼称は人間国宝[重要無形文化財保持者]に認定された際に作られた用語)と呼ばれる技法で、生活用品から、本の装丁、包装紙まで多様なジャンルでのデザイナー、作家としてあふれんばかりの才能を開花させ総合的な美術家として活躍した。
活躍した時代はいわゆる大戦間(第一次世界大戦、第二次世界大戦の間を指す)から戦後にわたってのものだったが、日本がまだ貧しい時代にまさに人々の暮らしの中に美を取り入れようと奮闘した人生であったことを見れば、民藝運動の核心を生き抜いた染色工芸家と言って良いだろう。
今回の企画もそうした芹沢の業績を総合的に展示しようというものであるらしい。
約300点を展示するというので楽しみだ。
現在でも才能豊かな工芸家が、デザイナー的なスタンスで多様な活動をすることも決して珍しいことではないが、しかし芹沢ほどの多様さと豊穣さを見せてくれた工芸家も希有と言って良いだろう。
無論これは現代のような大衆化社会とは異なる、一部教養人、エリートによる作家活動としての特異な展開と見ることもできるし、そうした意味では幸せな時代であったと言えるかも知れない。
その時代の工芸界、デザイン界における波及力、影響力は信じられないほどのものがある。


本展示会に合わせて次のような企画もあるようだ
講演会「芹沢銈介の生活デザインについて」
日時:08年2月3日(日) 午後1時30分〜3時30分
会場:美術館研究室
講師:東京民藝協会会長 志賀直邦氏
 希望者は往復はがき一枚に返信宛名および住所・氏名・電話を記入の上、芹沢美術館まで郵送。1月25日(金)必着
学芸員による「芹沢銈介の生活デザイン」展解説
日時:08年4月20日(日) 午後1時30分〜3時30分
会場:美術館研究室
講師:芹沢美術館学芸員
 希望者は直接美術館へ
*お詫び:「芹沢銈介」の銈の文字ですが、エントリ記事中では正しく表示されるようですが(テキストエンコード、Macのデフォルトで)、エントリタイトルでは文字化けしてしまい、かな表記としました。Winではどうなのかな?。学習が足りずすまないことです)

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