工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

コレット問題の解決:Dewalt 〈DWP611〉

BOSCH コレットコーンではどうか

先に挙げたトリマ、Dewalt 〈DWP611〉の6mmおよび8mmのコレット対応問題であるが、一応の解決を見た。

“一応”という曖昧な表現にしているのには訳がある。

つまり、純正品としての入手にはいまだ至っておらず、以下に紹介する2つの代替品を持って、当座は凌ぐことができるだろう、という限定的な状態を指している。

以下少し具体的に述べてみよう。
2つともコレットナットのフィッティングには問題が無い。
しかしコレットコーンの方が、片方はあまり芳しく無く、もう片方は“ほぼ”満足できるフィッティングだった。

【BOSCH 8Mルーター〈POF 400A用のコレット〉】

■ コレットナット:2 603 312 006 (画像右から2つめ) 
■ 6mmコレット:2 608 570 047 (画像右から3つめ)  
■ 8mmコレット:2 608 570 049 (画像右から1つめ)
   画像右から4つめは〈DWP611〉純正の1/4″ コレット

このBosch 8mmルーターのコレットが使えるのでは無いかとアドバイスをしてくれた友人がいて、さっそく購入、確認した。
上述のように、コレットナットはジャストフィット、しかしコレットコーンがDEWALTの本体構造との関係においてやや短く、締め付けが少し不安という評価。
一応締め付けはできるのだが、本来の強度を出すのは構造上限界がある、ということだ。

ちょっと分かりにくいかも知れない。
コレットが必要十分に機能するには、ナットのスクリュー仕様が本体側と合致することはもちろんのこと、本体側のコレットを受ける部分の仕様(構造)が対応するものでないと、良い具合に締め付けてはくれない。
例え咥えているようであっても、本来の締め付け強度には至らず、安全性に問題が生ずるようなことも起きうる、ということである。

したがってコレットコーンの締め付け機構というものは、その本体側の構造との関係において十分に満たすものでなければならない。
つまり、ナットを締め付けていくことで、コレットコーンが適切に絞り込まれ、ビットの固定が確実に行われる構造でなければならないということだね。

すなわち、こうした条件を前提とすれば、このBoschのコレットは十分に条件を満たすとは言えない。

しかしこれを解決するのは、さほど難しいことはない。
コレットの長さが短いための不十分さで条件を満たさないのだから、満たすための長さの差異分を別のブッシングで用意すれば良いと言うことになる。

具体的にはこうだ。
外径:10mm、内径8mm のステンレス菅を用意して(比較的簡単に入手できる)ちょうど良い長さに適宜カットして、これを本体側に納め、そこにコレットを装着させることで、十分な保持力が発揮できるはず。

【マキタ 8Mルーター〈RP0910〉用のコレット】

マキタ8Mルーター「RP0910」

たまたま近くのホームセンターにこのマシンが展示してあり、店員に請い、このマシンからコレットを取り外してもらい、DEWALT本体でのフィッティング確認をさせてもらった(店員さん、ありがとね)。

何とこれがほぼジャストフィット。
上述のBoschのようにコレットが本体底に届かないと言うことは無く、程よく受け止めてくれ、したがって確実に締め付けができるようだった。

さっそく8mmと6mmの2つを発注。
入荷してから本格的にテストし、報告したいと思うが、ほぼ問題なく使えるだろう。

購入だが、取説にも、カタログにも、このコレットコーンの品番が無い。
したがって発注の際はモデル名〈RP0910〉を指定して行う必要がある。
Boschのものと較べ、その単価は4倍近いという呆れたものだったが、仕方ないか。

余談だが、マキタのWebサイトの商品案内は、いわゆる電子カタログという様式だ。
確かに印刷ものをそのままネット上で閲覧できるメリットは良いとは思うが、一方、検索が不利、仕様の表記に無理がある、などの問題が拭いきれない。
せめてHTML記述と並行した表記を望みたい。
製品のジャンルごとの区分けと、機種ごとの単一表記が基本だろう。電子カタログで事足れりとするのは、ただの手抜きでしか無い。
業界の雄を自負しているはずのメーカーとして、もっと海外主要電動工具メーカーのWebサイトに伺える、徹底したユーザビリティーというものを参照してもらいたいものだ(旧式OS、ブラウザによっては視認できないものもあるのでは?)。

以上のような内容であるが、これはあくまでもDEWALT純正では無く、他社のものでの互換対応という限定的なものと理解してもらいたい。
残念ながら、このDewalt 〈DWP611〉の6-8mmコレットは市場に流通しているはずであるが、取得できないという状態での暫定的な対応と考えていただきたい。

さらに良い情報があれば指摘していただきたいし、無論、ボクの方で新情報が入ればまた紹介したいと考えているが、しかし個人的には解決を見たので、あまりそれには期待しない方が良いかも(すいません)

DEWALT〈DWP611〉米国仕様の問題、1/4インチ仕様しか対応しないコレット問題も、6mm、8mmコレットが使えるようになったことで、一段と魅力的になったと思う。

6mmコレットはともかくも、8mmが使えるというのは刃物の巾が大きく拡がり、700wというパワーを駆使しての大きなビットを装填しての加工が可能となり、ユーザーにとっては朗報ということになるだろう。
おめでとうございます !!

ユニバーサルテンプレートガイドのミリ仕様って無いのかな?

ユニバーサルテンプレートガイドが使える

さてこうして1つの問題はほぼ解決を見たわけだが、実はもう1点、サイズ問題をめぐり解決できればありがたいのだがな、という懸案が残っていた。

ユニバーサルテンプレートガイド(ユニバーサルテンプレート ブッシング)のことなのだが、〈DWP611〉にこれが使えるという恩恵はこのマシンへの評価をさらに高めるものとして働くが、しかしこちらもインチ仕様なのだ。

メートル法が基本である欧州の電動工具メーカーでも、このユニバーサルテンプレートガイドシステムを搭載しているところが少なくない。
今では代表的なメーカーとなっているFESTOOL社のハンドルーター、トリマもその代表格と言えるだろう。
したがってミリ仕様のものがあっても不思議では無いのだが、ボクの探査能力では残念ながら見付けることができないでいる。
どうも、このユニバーサルテンプレートガイド(ユニバーサルテンプレート ブッシング)というシステムは、米国で開発されたという経緯があるようなので(Poter Cable社あたりが先行したのかな?)、ミリ仕様を探すというのは望み薄ではないかと諦めつつあるところだ。

国内の周辺機器販売店あたりでミリ仕様のものを開発製造すれば、ビジネスとしても十分に成立すると思われるのだが、どうなのだろう ?
500セットほどの単位であれば価格的にもこなれたものが提供できると思われるが、それほどの需要も見込めないか ?
(以上は、独り言‥‥‥苦笑)

もしこれを覆すような良い情報があればください。

hr

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