工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ラミネートの単板は3mm、それとも4mmで?

ブラックウォールナットの積層成形

久しくしていなかった積層での成形加工をやったのだが、いわゆるこのラミネート、単板の厚みを間違えて木取りをしてしまった。

本来は3mm×9枚=27mm、のところ4mm×7枚=28mm、になっちゃった。
気づいたのは木取りが終わった時点だったのだが、果たしてこの4mm単板、折損すること無く首尾良く曲がってくれるのだろうか、という不安を抱えたままに型板にあてがい、恐る恐るプレスを掛けていった。

しかしこの不安は杞憂と終わり、全く問題なく完全に圧着、成形することに成功した !!
これはブラックウォールナットという材種固有の高い靱性ゆえの事例であり、他の材種ではダメであった可能性も強いと思うが、どうだろうか。

ボクはこのラミネートは経験不足で、十分なデータを持ち合わせていないのだが、読者に熟練者がいらっしゃったらぜひアドバイスをいただきたい。

因みにこの曲面部分は260R。

 

今回は試作のようなものなので、わずかに3本だけのものだったが、ちょっとうっかりして1本を失敗してしまった (^_^;)

画像下にあるように単板が圧締過程にずれてしまったのだね。
うちでは2連の型板(ジグ)を用いて圧締しているのだが、後ろ側への配慮が足りなかったというわけだ。気づいたときには既に8割方決めつつあったので、既に時遅し。

あえて言うまでも無いのだが、こうしたラミネートの場合、可能な限りに柾目で木取ることが重要。
‥‥ ということは、単板の巾の寸法+αの厚みの材をリッピングして木取るわけだ。
この木取った単板は、その配列順に再接合するので、マーキングしておくことも必須。

先日うちを訪問してきた高山出身の職人修行の若者が言っていたが、こうした単板が市場に流通しているのだそうだ。知らなかった。

hr

《関連すると思われる記事》

                   
    

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.