工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

蔵の中の椅子展2011展、訪問

ギャラリー はしまや、正面より

ギャラリー はしまや、正面より


11月4日(昨日だね)、〈蔵の中の椅子展2011“形のやくわり”〉に表敬訪問させていただいた。

倉敷は美観地区の東に立地し、なかなか趣のあるスペースだった。
そも、とてもクールな公式Webサイトでもこうしたイメージを彷彿とさせるものとなっているので、立地環境を想像することもできないわけではないが、
自分の足で白壁と焼き杉の板塀という独特のモノクロ美で構成される町並みの狭い路地をくぐり抜けていけば、いつのまにか100数十年前の時代へとタイムスリップし、徐々に心と体も馴染んでいき、倉敷を自分のものとして感じ取ることができていく。

かつて数年間居住した松本市内の一角にもこうした地区があったが、その規模と、保存の徹底ぶりにおいて次元を異にするように伺えた。

そして、観光客らの喧噪が途絶えるあたり、店舗の並びに替わり、端正でありながらもどことなく古色蒼然とした普通の民家が立ち並ぶ一角に、このギャラリーがあった。

小さな看板でそれと分かったが、会場へと続く路地に入る前、道筋の対面するところに雰囲気のある店舗があり、覗けばガラス越しにフィン・ユールの椅子が見えた。
ちょっと女性店主と言葉を交わしたが「MUJI CARPETS 」という中国製の高級カーペットを取り扱う店だった(その後、守屋さんにあらためて紹介していただく店だったのだが)。

挨拶もそこそこに路地から奥へと向かうと、何と守屋さんはじめ、今回の企画の出展者数名が出てくるところにバッタリ。

その後、会場を中心にそれら施設の解説などをしていただく。

恐らく普段はご自身の椅子を中心とした作品のギャラリーにしていると思われるが、この椅子展期間中は、出展者の椅子、約50脚を所狭しと並ぶ。

キャリアから若手から、様式ものからオリジナルなものから、様々な椅子が並ぶが、主催者からの出展依頼に応えるという形式を持つことで、水準以上のものが集まっていると感じ取られた。

西洋美術を中心とする美術館としては国内で最初に開館したといわれる「大原美術館」を擁する美観地区に立地するギャラリーとしての矜持というものを感じさせるギャラリーだけに、その意欲と、熱意というものを痛いほどに発散させていた。

この日は木工、インテリアなどの著者で著名な西川栄明氏のギャラリートークなどもあったが、それについては次回。

* 参照
蔵の中の椅子展2011 展
ギャラリーはしまや

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