The New DOMINO XL (DF 700) 新開発
DOMINOがスケールアップしての再登場。
FESTOOL社サイト をチェックしていたらDOMINOの新機種:「DF700」がリリースされていることに気づいた。
「The New DOMINO XL」と呼称しているようだ。
まだUSAサイトにはアップされておらず、販売開始にはいたっていない模様だが、本国ドイツをはじめ、欧州では数ヶ月前から販売されていたようで(YouTubeには関連する動画がいくつか上がっている)、公式サイトに詳細データがあったので、興味深いところからいくつか紹介してみよう。
一言で言えば、これまでのDF500の切削能力が4、5、6、8、10mm、という錐サイズであったものが、8、10、12,14mmと大きくスケールアップしている。
したがって出力もDF500が420wであるのに対し、このDF700は720wと70%強化されている。
詳細はPDFデータ、あるいは動画をご覧いただくのが良いと思うが(記事の終わりにLink)、基本的な機構等は大きな変更は無いものの、左右のストップピン(位置決めのためのピン)が1つから3つに強化されるなどいくつかの改善が見られる。
ストップピンの複数化は複数の枘穴を高精度のピッチで開けるのにとても都合が良さそう。(下画像参照)
- 8φ 50mm HW
- 10φ 70mm HW
- 12φ 70mm HW
- 14φ 70mm HW(HW:高速度鋼)
これに伴い、これまではDOMINOダボ長さは50mmまでであったのが、それぞれ80、100、140mmととても長いダボが用意されている。
なお、カットされていない長いままのDOMINOダボも新たに用意されたようだ。(4種:8.10.12.14mm ×750mm)
2007年1月、木工関連電動工具の世界に 大きな衝撃を与えたDOMINOだったが、5年ぶりで大きくスケールアップしてきた。
恐らくは、家具制作に留まらず、建築、あるいは造作の現場からの強い要求があったことは想像に難くない。
Festool社のカタログにおいても、増強された12、14φ 70mmという新たなDowel Cuttersと、140mmの長いDOMINOは、大型の家具、住宅の大きな扉などに活用されるものとして紹介されている。
ボクはあまりこうした現場の状況を知らないのだが、工場での枘加工と違い、即応性が求められる現場ならではのDOMINOへの要請は強いものがあるのだろう。
FESTOOL社としても、新たな需要喚起ということでは、なかなか視点が良いと言えるのかな。
ドイツ本国のサイトには、いわゆるテノン専用機との使い勝手というのか、所要時間を比較するコンテンツがあったりして、おもしろい。
日本の枘加工が角ノミとホゾ取りという組み合わせなのに対し、欧米ではこのテノン専用機が一般的なので、DOMINOがこれを代替させるものとしての評価は確かなものがあるのだろうと思われる
因みに価格だが、ドイツでは以下のようだ(DF500の3割増しというところか)。
- DF500:843.71 €
- DF700;1,111.46 €
FESTOOLファンとしては見逃せない機種だが、うちの作業環境では、もてあますパワーだね。
大きな現場作業が必要となれば導入を考えるかも知れないが、さしあたってはDF500で十分だ。
国内で販売開始されたら見てみたいとは思うけれど(笑)
【New DOMINO XL:DF700 仕様】
- 消費電力:720 W
- 回転数: 21000 min-1
- 彫り込み深さ: 15-70 mm
- DOMINO カッター Ø: 8, 10, 12, 14 mm
- 高さ調整:10-50 mm
- Movable stepped stop:10, 15, 20, 25, 30, 40 mm
- 角度調整:0-90 °
- 集塵機 口径:27 mm
- 重量:5,2 kg
* 参照
■ FESTOOL、ドイツ
DF700 カタログ:3.8MB
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=kh5YWPfeM5g&NR=1[/youtube]
Ikuru
2011-11-14(月) 17:25
ああ、欲しい。買ってしまいそうだ(笑)。
しかし、5Kgは重いなあ。
artisan
2011-11-14(月) 21:02
このマシンについての国内ネット情報はどうもこの記事が一番乗りのようですが、導入はIkuruさんが先頭切りそうですね。
5Kgは確かに軽いとは言えない。1,400wクラスのハンドルーターほどか。
moose
2011-11-14(月) 20:35
余裕があれば欲しいです。
彫り込み深さが良いですねえ。
DF500の28mmでは足りない時が結構ありますから。
artisan
2011-11-14(月) 21:02
mooseさん、確かにこの70mmとい切削能力(Depth)は魅力です。
ぜひインプレッション記事、上げてください。
acanthogobius
2011-11-14(月) 21:31
へー、こんなのが出たんですか?
こんなにストロークが長くなると安定した切削が
難しくなるような気がしますが。
そう思うのは使い方が下手な私だけかな。
artisan
2011-11-14(月) 22:39
>安定した切削が難しくなる
それは言えるかも。
YouTubeのビデオでも、オイオイ、きちっと押さえられていないじゃん、なんてシーンもありますね。
でも、長いのは魅力 !
Ikuru
2011-11-14(月) 21:58
あはは、そうなったりして(笑)。
でも、買う気満々です。これはかなり使えそうな予感がしています。
ヨーロッパだけのモデルも結構多いですが、アメリカでも出してくるといいですね。ジグソーのバッテリーモデルは、アメリカでは扱わないと言っていました(これは必要ないけど)。
artisan
2011-11-14(月) 22:34
Ikuruさんはよくご存じの通り、欧州の商用電源は240Vが一般的ですが110Vのところもあるので、ちゃんと110V対応のものも販売されていますね。
例えば、こちらの Festool DF 700 DOMINO XL 110v Jointer。
英国の販売店でしょうか。
USAのFestool社は、ユーザーにモニターになってもらい、一大キャンペーンを繰り広げる準備中のような動きですね。
Ikuru
2011-11-15(火) 08:45
ラメロ/ビスケットジョインターみたいにクランプ無しでも扱えますが、やはり固定しておく方がずっと作業しやすいですよね。そのほうが精度も出るし。これだけ太い刃で長いと、材が動いてしまうと怖いでしょうねえ
いつ頃から発売になるのでしょうね。モニターキャンペーンは年始あたりなので、数ヶ月先かなあ
motoraji
2011-11-15(火) 14:51
資金がたまったらDOMINOを手に入れようと考えていたのですが、新製品が出たとなると、どちらにするか…
細かい作業にはDF500、しっかり効かせたい接合部にはDF700の大きなホゾが魅力的ですね。
また悩みが増えてしまいました(笑)
artisan
2011-11-15(火) 20:47
motorajiさん、この悩みはちょっとばかり贅沢な悩みですね。
いえ、高価なものを買い求める、という意味での贅沢さを言うのでは無く
それぞれに魅力を持つ優れたマシンゆえの選択の難しさ。