工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Wikipediaへの支援


数日前、Wikiからの寄付要請に応え、少額だが寄付をした。
( ? こういうことは公表すべきことでは無く、こっそりとやるのが日本的なのかもしれないが、あえて書く ?)
このWikipedia、使い勝手の良いネット百科事典として利用している人も多いと思うが、利用者には暫し考えていただき、応じてやっていただければうれしいな。

インターネットというのは、まずは情報革命として産業革命に匹敵するほどの社会的な影響力を与えてきていると思うのだが、
おかげで、このBlogもネット社会の極限的とまで言えるほどの普及の中で快適に運営させていただいている。

このインターネットとの関わりの中で刺激的で、ワクワクさせられることの一つに〈自由 = freedom〉という理念がそこかしこに、さりげなく隠れているということがある。
これはボクのような者にとり、社会との関わりにおいてとても重要なポイントであると思っている。

例えば‥‥、オープンソースであったり、フリーのソフトウェアであったり、あるいは、様々な困りごとを瞬時に解決してくれるサイトなども、インターネット特有のコミュニケーションツールだ。

よく利用させてもらっているブラウザ・Firefoxもメーラー・Thunderbirdもその1つだが、フリーだからと言って決して他のものに見劣りするものでないどころか、最も先進的で信頼性の高いソフトウェアである。
それより何より、OSのLinuxもフリー、オープンソースだ(残念ながらボクは使っていないので詳述は避けなければならないが)。

Googleもボクは検索の他、Googleマップ、Gmail、Googleドキュメント等々、かなり使いこなしている方だろう。しかしこれらの利用によって課金が発生するということはない。
ただGoogleは広告で莫大な収益を上げているので、他のフリー、オープンソースとは明確に異なるのだけれど。

そうした文脈において、Wikipediaも固有の運用理念がある。
Wikipediaはライセンスフリー(コピー、再配布フリー)、多言語(英語版へのアクセス数は全体の3割ほどだと言う)という環境で、誰もが自由に無料で利用できるという、実に過激な百科事典だ。

人類の知の体系へとワンクリックでアクセスできるという、今では当たり前となっているWikipediaだが、考えて見れば実に驚くべき事だと思う。

このWikipediaの運用システムはインターネット界においても、もっともその特徴を体現している機構だと思う。
今この時も、ネットの集合知が集積し、続々と拡張強化を続けている。

編集は世界の人々が自由に行い、多くの人によるチェック、再編集により、一定の信頼性を獲得しているといって良いだろう。
それらの過程もすべて公開されている。

つまり記事本体はWikimediaの方々の手を直接煩わすこと無く蓄積していくが、しかしサーバー設置費用(現在、679台だそうだ)、運営体制の維持には、相応の経費が掛かることは言うまでも無く、これまでも何度も運営維持の危機に瀕してきたと言われている。
WikipediaはGoogleのような広告収入によるビジネスモデルとは全く異なり、広告を一切取らない、非営利団体、NPOだ。

サーバー設置などの運営資金の調達は個人からの寄付が基本。
もちろん、様々な企業も大口の寄付をしているようだが、基本は個人からの寄付に依っている。

良く言われることだが、日本のWikipediaへのアクセスは世界的にもトップクラスの数をカウントしているとのことだが、しかし寄付の金額は恥ずかしくて言えないほどに少額なのだという。

ここでも、公的空間における日本固有の傾向が表されているように思う。
フリーで使えるものであれば、どんどん使うけれど、こうした非営利団体の運営に少しでも自分で担う、という考えには及ばない。

謂わば日本における納税の意識と同じだね。
公的経費の負担としての税金というものを、公民の一人として自分で責任もって担うというのでは無く、税金は所得の中から奪われる、という意識。

ちょっとでもこうした意識から脱皮すると、見える世界が変わってくると思う。
自分がもっと自由になる、という感覚に近いかな。

寄付後、以下のようなメールが送られてきた。

artisan さま、

実に素晴らしいことです。ウィキメディア財団にご寄付いただきまして本当にありがとうございます。

私たちが請求書を支払えるのは、あなたのような人々が、5ドル、20ドル、または100ドルをくださるからです。

去年、私が感銘を受けた寄付は、イングランドに住む小さな女の子からの5ポンドでした。
彼女は自分の小遣いを寄付するよう、ご両親を説得したのです。
その女の子やあなたをはじめとした皆様のおかげで、ウィキペディアは、浄財を下さった方にも、その余裕のない方にも、世界中の全ての人々に、自由で偏りのない情報へのアクセスを提供し続けることができます。

本当にありがとうございます。
私たちのお願いを無視するのは簡単でしょうが、あなたはそうしませんでした。
そのことをうれしく思います。

私から、そしてウィキペディアを執筆する何万ものボランティアから、私たちが世界をよりよい場所にするこ� �を助けていただいたことについて、お礼を申し上げます。

お預けいただいたお金は慎重に使わせていただきます。また、私達に信頼を寄せてくださったことに、改めて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

スー・ガードナー
ウィキメディア財団事務長

�は文字化け。

* 参照 動画【ウィキペディアの誕生】

創設者ジミー・ウェールズによる解説(TEDカンファレンス / 2005年7月)

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