工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「死ぬ前にしたいこと」from TED

死について考えることは 自分の人生をはっきりと見せてくれます

以前、別のBlogで《死ぬまでにしたい10のこと》というスペイン映画について語った事があった。

ペドロ・アルモドバルが総監督を務めたというので注目したのだが、やはりそれ以上にタイトルから伺える切迫性から劇場へと足を運ばせたのではなかったかと記憶している。

人は死という極限的な状況に身を置くことで、むしろ怠惰であったかも知れない日常とは決別し、生きる真の喜びを持って、日々を送ることができる、というパラドキシカルな話しだった。

無論、そうした切迫性ある事態に直面することは、そうあるものではない。

今回のTEDのスピーカーは、母のような存在だった女性の死に衝撃を受け、そこから起ち上がり、新たな生を生きようと、地域の空き家にある仕掛けをする話しだ。

ある一人の女性の行動が地域のコミュニティーを揺り動かし、緩やかで温かな心の繋がりを育んでいき、そして、この女性も近しい人の死の衝撃から立ち直っていく。

恐らくは3.11を機とし、被災地で、あるいはもっと遠くのところでも、同様の試みをしている人たちがいると思う。

震災は人々に悲しみと苦しさを与えたが、それを乗り越え、ともに生きることで、それまでにはなかった新たなコミュニティーの形成、人々の繋がりも生まれてきたと思う。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • TEDは僕も時間のあるときによく見ています。

    以前「自分の専門分野に深く潜ることも大切だけれど、知見を広げることも同じくらい大事だ」と教えてくれた先生がいました。いわゆる「I型/T型/π型の人間」の話です。

    TEDはそういった意味で、知見を広げるには素晴らしいサイトだと思います。
    一昔前ならこのような充実した沢山の講演を観ることは難しかったでしょうが、場所や時間に縛られることなく、無料で視聴できるという、ネットならではの恩恵ですね(ちなみに日本語訳はボランティアの方々の手によるものだそうで、ありがたいです)。

    もちろん「実体験に勝るものはない」との前置きをつけて、ですが。

    • motorajiさん、あなたもTEDに関してはTwitterで良く触れていますよね。
      最近ではNHKも関連番組を組むなど、国内でも話題に上ることが増えているようです。

      設立当初はかなり高額な会費を負担した者だけが参加できるサロン的なものでしたが、ネット公開に踏み切ってからは一気にその魅力が知られることとなり、今に至りますが、様々な分野の気鋭の人たちによるプレゼン、カンファレンスには魅了されます。

      また、このスピーカーに選定されるには、かなりのプレゼン力が求められるそうですが、ただパワポを使えるだけではダメであることは言うまでもありません。

      人々を魅了させる豊かでオリジナリティーあふれる斬新なテーマ、説得性、楽しさの演じ方、等々が求められるのでしょうが、これらはTEDに限らず、インディペンデンスでの活動形態を取る人には必須の要件かも知れませんね。

    • そうそう、1つ触れておかねばならないことを失念。
      ちょうど今日、京都でTEDが開催されていましたね。

      USTでやっていました。
      http://www.tedxkyoto.com/ja

  • そうでした、TEDは日本でも行われていましたね。
    本場アメリカに行くよりははるかに手軽ですから、一度は観に行きたいです。

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