工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

iPhone 5 への更新

鳴り物入りでのApple社 iPhone の更新だったが、市場投入後も何かと喧しい。
IT評論家筋からは絶賛の嵐が寄せられるかと思えば、片や、新たに標準アプリとして搭載されることになった〈Maps〉が使い物にならないという強い批判に晒されもし、ついにはApple inc. CEO、ティム・クック氏の公式謝罪の書簡が発せられるに至っている。

まさに世界最大規模でのコンシューマー機器であればこその反響である。

これほどまでに1つのマシンが全世界の注目の的になるなってことはかつてなかったかもしれない。iPhoneの登場を迎えるまでは。

ボクも今回は14日のオンライン予約開始日にエントリーしておいたこともあり、発売日翌々日の23日に手元に届き、アクチベーション手続きを済ませ、実機となった。

以下、件のMaps問題とともに、使用感をまとめてみよう。
このiPhone 5 については既にご存じの人も多いだろうから、仕様等の詳細をここで紹介することもなかろうと思うのでそれらについては簡単に記す。

駆体の形質、縦長で薄く

まず、その駆体の形質から。

ディスプレイサイズが3.5インチから4インチに変わった。iPhoneが登場して以来の変更だ。
0.5インチの拡大、つまり対角線でルータービットの太さだけ大きくなったということになる。

横幅はこれまでと全く替わらず、画面アスペクト比(液晶モニタの縦横の画面比)が3:2から16:9(1136 x 640px[326ppi])[1] に変わったということになる。
このアスペクト比は、いわゆるハイビジョンTVと同じ比率だ。

さらに厚みが少し薄くなっている。
7.6mmというサイズだが、恐らくは数あるスマホの中では最もスレンダーなのではないだろうか。

それまでの4、4Sと比較すれば、わずかに1.7mm減ということでしかないが、掌に納めてみれば、その違いは明らかである。

この薄さとともに、ディスプレイが0.5インチだけサイズアップしたにも関わらず、重量は大きく削減。4Sが140gだったのに対し、28g減の112g

持って見れば、いかに軽量化したかが良く分かる。

4インチを超えるアンドロイド携帯を持ってみたことがあるが、小さくとも130g以上で、先に発表になった Windowsfoneを搭載したノキアの機種などは185gだというので、このiPhone 5がいかに軽量かは分かるだろう。

形質といったからには、少し素材にも触れておこう。
これまでの4、4Sはガラスとステンレス鋼だったが、5はアルミとガラスになった(白、黒ともに)。
Macといえば、アルミが当たり前の時代になって久しいが、それだけに工作技術のノウハウが蓄積され、iPhoneにも得意のアルミでいこうとなったのかどうかは分からないが、この素材の選択も軽量化に寄与していることは明らかだろう(ただ、これまでのガラス、鋼材と較べれば明らかに硬度は低く、傷も付きやすいのではないだろうか)

なおこの軽量化には駆体だけでは無く、CPUはじめ、様々なパーツの小型化の結果と言うことでもあろう。

今週の〈週刊ダイヤモンド〉では「日本を呑み込むAppleの正体」と題した特集が組まれており、ここでは世界の最先端の工業技術、IT技術を先進的に開発・製造している企業を必死になって探しているApple社の姿が浮き彫りにされており、加えてその求められる品質基準の高さ、コストダウンの厳しさを伝えるものとなっている(しかし、Apple社からのこうした訴求に答えられなければ、たちどころに市場からの退場を余儀なくされるという現実があることも確か)。

我々が手にしているこの小さなガジェットに、いかに先進的なテクノロジーが詰め込まれているかを新たにする記事だった。

さて次に、外観から分かることといえば、Dockの変更。
Lightning」という名称を持つ、8ピン設計の規格に変わった。
ずいぶんと小型化した感じ。これまでの30ピンからすれば8割の容量減だという。

また差し込みはリバーシブル。

ただ不安なのが、このLightning仕様だが、3rdパーティー社には製造が困難であるかも知れないという噂が出始めている。Lightningの端子の中にICチップが埋め込まれており、Apple認証を識別している可能性が指摘されているのである。
Appleらしいと言えなくも無いが、そこまで規制するのはやりすぎの感もあるがいかがだろう。

このDockの仕様変更だが、iPhoneそのものにとっては小型化による容量減で、バッテリーなどを納める内部スペースの余裕に繋がるというメリットがある反面、長年、外部機器とのデータやり取りで使われてきたケーブルが使えなくなるという問題が出てくる。[2]
当然にも様々なところに影響を与えている。

iPhone対応を謳ったホテル業界などは困惑しているだろう。(他方、こうした機器を製造するメーカーにとっては需要を喚起することで大笑いか)

バッテリーは少しだけ容量アップしているが、CPUはじめ、パーツの小型化で、消費電力も削減され、電池持ちは少しだけ改善していると言われる。

CPUがA6に、しかしなぜかバッテリーの持ちが悪くなった

使用感からすれば、バッテリーの持ちが悪くなった。
これまで、ボクの使用環境からすれば、通常1回のフル充電で2〜3日は持ったが、iPhone 5に切り替え以降、当初1日も持たずに慌てた。(この問題については後述)

まぁ、このバッテリーの問題を除けば、快適に使っている。
全てのアプリにおいて、その動きはキビキビと、CPUスペックの向上を感じ取ることができる。

このiPhone 5には、新たに開発された「A6」チップが搭載されたことによるもの。
新しいCPUはA5チップより22%小さくなっているが、Webの読み込みは2.1倍速くなり、「Music」アプリは1.9倍速く起動する(Appleが発表した仕様)。

またモニタサイズのupは想定以上に快適な使用感を与えてくれている。

仮想キーボードでのタイピングの場合、これまではこの仮想キーボードが全体の領域を大きく占めていたため、打ち込んだ文章の確認に問題があったが、これがかなり改善した。
わずかに0.5インチupではあるが、思いの外、操作性改善に寄与している。

それと、この液晶モニタ、Retinaディスプレイだが、これまで使用していたiPhone 4とは明らかに異なる画質、発色をしている。
コントラストが減じたわけではないのだが、より高画質に、眼に柔らかく映ずる。
仕様の数値(326ppiという解像度は変わっていない)では分からない領域の問題かも知れないが、液晶の素子を替えたことでの向上なのかもしれない。

4G LTEネットワークへの対応

この機種からはじめて4G LTEネットワークに対応する事になった。

キャリアのSoftbank、auともに、通信インフラの設備を前倒しし、iPhone 5販売とともに、提供した。

ボクの住む田舎では、提供には時間が掛かるのだろうな、などと人ごとのようだったが、あに図らんや、アクチベーションに成功した途端、ちゃんとLTEのアイコンが表れ、繋がっていることが確認され,驚いた。
ただ後述する理由から、あえてLTEは切り、3G環境で使用している。

ご存じのように、iPhoneは日本上陸後暫くはSoftbankからのみ提供されていたものだが、auがこれに加わり、LTEネットワークのインフラ提供にも競争が働くことで、想定以上の環境が整備されてきたものと考えられる。

iOS 6 について

それまで使っていたのは iPhone 4 だったので〈Siri〉は初体験(siriは iOS5.0から搭載されていた)。
まだ本格的には使っていないので、コメントは保留ですな。

ただ少しだけ、呼びかけ、遊んでみた。

Q、あなたのことをもっと知りたい

A、うれしいことを言ってくださいますね

Q、あなたの誕生日は?

A、“誕生日”があるのは生命体だけですよ。でも、私が動き始めたのは2011年10月4日でした

だってさ。

まさにIT技術の粋である、人工知能の最先端をいっている感じだ。
〈Siri〉は学習能力も高いだろうから、いろいろと遊んでみようと思う。いや使いこなしていこうと思う。

そこまでいかずとも、メールなどの文章入力ではその能力を遺憾なく発揮してくれる。
これまでかなり長い文章を話してみたりしたが、その認識力、日本語変換効率は驚くほど高い。
当初、日本語対応では、かなり苦戦を強いられるかなと想像したが、まったく裏切られる思いだ。
実用的に使えることは保証しよう。
仮想キーボードの手打ちが下手くそなボクには、とてもありがたい機能だ。

んなわけで、快適に使っていけるだろうと思っているが、しかし、ご存じの通り、Mapsがダメです。

Mapsについて

既にメディアでは大騒ぎの問題なので、ここで繰り返すこともなかろうと思うが、しかしこれがAppleの仕事なのかと驚いたのは確かだ。

マップというアプリで必須とも言える基本的要素において、いくつもの欠陥がある。
とても先端的な企業が手掛けたものとは思えぬほどのお粗末さである。

詳細については他に譲りたいと思う。
ここではいくつかのポイントに絞り記述し、また信じるに足る情報を提供しているサイトをLinkしておくに留めよう。

《確認しておきたいポイント》

  • Googleとのバトルが実に深刻な水準にまで立ち入ってしまっている、との証左である。
  • iOSでのGoogleMapはAndroidとは異なり、音声案内(ナビゲーション)機能が提供されていなかったのだが、そこにはApple×Googleの覇権争いが掛かっており、双方譲れないものであった。
  • 独自のMap開発は困難を強いられる中での、かなり強引なリリースだった
  • ただ、その原因は、地図データ(日本では〈インクリメント・ピー社〉の提供)の問題では無く、これを活用しマップマッチングさせ、出力させるエンジンの性能にあるということ ← ここが信じられない。Apple社ともあろうものが
  • したがって、2005年にリリースし、鍛え上げられてきたGoogle Mapの水準には一朝一夕に追いつけるものでは無い。
    (ユーザーがアクセスし、使えば使うほどに、地図データは鍛えられ、高性能になっていく)

そして、Apple社のその後の対応だが、最先端の企業の振る舞いとしてふさわしい姿勢で臨んできた(謝罪の書簡を発表し、改善するまで代替のアプリを使って欲しいとして紹介した)ことは、救いであったと言うべきか。

なお、これはMapsの問題と言うことでは無く、CPU性能の向上によるものだが、地点検索、路線検索、ナビゲートなどの動きはとてもキビキビしている。
それだけに、マップの基本がまったくなっていないことは実に残念でならない。

今日はここまで(続く、かもしれません)


※ 参照

《関連すると思われる記事》


❖ 脚注
  1. 16:9、という比率がどこから弾き出されたか、というお話しを少し。
    難しいことでは無く、旧くにはTV画面にも見られる 4:3というアスペクト比が標準だったことは知っていると思う。
    この16:9というのは、4:3をそれぞれ二乗した数値ということになるのですね []
  2. Apple社はこれまでフロッピーディスクをいち早く無くし、CD/ROMのみとしたり、 FireWireという独自の基準を作ったり、最近ではThunderboltという新たなポート仕様をいち早く搭載したりと、常に次に続く新奇性の強い規格、ハードウェアを開発、搭載してきている。
    今回のDock仕様も、デジタルデータ最適化の方向性でもあり、小さくなるのは恩恵だろう。
    ただ、ボクの場合、30ピンのDockの物理的ロック機構を活かしたストラップを使っていたが、これが使えなくなるのは少々痛い。 []
                   
    
  • こんばんは!
    こちら 正真正銘のiPhone5☆ですね!
    私は経済難(笑)なので 4sを選びましたが
    iOS6を入れたので 同じ様に地図がショボイです。

    教えて頂いたgoogle mapにする方法を試してみましたが
    うまく行かないのは「5」ではないから….?? でしょうか??

    代わりに無料アプリから入れてます。

    • 4S、iPhone 5 リリースで大きく割り引かれての販売ですので、お得感たっぷりでしたね。
      Siriも使えますし、当面は遜色なく十分に使えると思いますよ。

      iOS 6 に更新したのでしたらOS標準のGoogleMapは使えませんが、以下の解説で試みてください。
      SafariでのWebブラウザ表示ですが、ツールバー無しの広い面積で使えます。

      OS標準APPでは無いので、もたつき感は否めません。
      http://d.hatena.ne.jp/wineroses/20120921/p1

      あるいは、Apple推奨の他社のアプリを試して見ましょう。
      http://itunes.apple.com/jp/collection/de-tu-app/id31928?fcId=566490460&mt=8

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