工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Leitz(ライツ)のルーター刃、入荷

Leitz2昨年末に発注していたLeitz(ライツ)の刃物が1昨日届いた。
今回は2種。特段にカスタマイズ、仕様変更というものではなく、既製のものであったのだが、ずいぶん納期がかかった。
■ 替刃式ジョインティング&リべーティングルーターカッター
■ 替刃式 R ルーターカッター
ご覧のようにいずれも日本では見かけないものだ。
まず「替刃式ジョインティング&リべーティングルーターカッター」から。
ただのストレートビットだが、径が40φの太さを持つという特徴があり、これを評価し購入することにした。
一般に替刃式というのは1枚刃が多いものだが、こちらは2枚刃なので回転バランスも良いだろう。
径が大きいというのは切削肌がそれだけ綺麗ということに繋がる。逆目切削にも強い。これまで替刃のルータービットでは30φというものが最大径だった。しかしその刃長は30mmしかなかった。一方50mmの長さのものでは16φという径になってしまっていた。
そこでこの40φ、50Lというのは魅力だ。
用途は、倣い切削が多くなるだろう。
「倣い切削」ということは、型板と寸分違わず、同じものが高精度に量産できるというところにメリットがあるが、通常の刃物では研磨をしなければならず、その度に径が細くなっていく。
これでは「倣い切削」の基本要素に欠けるということになり、比し、こうした替え刃式というのはそうした問題から解放される。
なおそのランニングコストは研磨するよりも安価(因みに今回の50mm長さのチップで、500円)。
ただ何とシャンクが25φ。これではうちのルーターには取り付かない。
ボクが間違えたのではなく、メーカーの間違い。
連絡したところ、ドイツに返品していると大変だから、日本で旋盤に掛けるという。やってもらいましょう。
 
次のRカッターだが、要するに坊主面カッターのことだ。
2R〜5Rまで1mmステップで4種の替え刃。
一般の坊主面カッターと異なり、刃が上下に付いていいてアッパーカット、ダウンカット双方が可能なので、より汎用性が高いと言えるだろう。
(画像にカタログ解説の1部を収めたので、お解りいただけるかな?)
これも要するに径が大きいことを評価して購入した物だ。(27φ)
近く、この径に合わせたセンターピンを作らねばならない。鉄工所に頼めばやってもらえるだろう。
さっそく仮に切削してみたが、その切削肌はそれまでにない良いフィーリングを確認できた。
さて、いずれもシャンクが16φになっているので、最も普及している庄田鉄工のルーターのように12φのものは取り付けは無理だ。
これから大型工業用ピンルーターを導入しようと言う人は16φ対応のものをぜひ考慮すべきだろう。その汎用性が大きく異なる。
(中古機械屋でも、この16φ対応のものを探し出すことはさほど困難ではないだろう。あまり12φ、16φ、の差異というものを認識していない人が多いように思う)
Leitz1
■ 関連記事1(ルーターマシンについて(1)
■ 関連記事2(ルーターマシンについて(2)

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  • 私は以前ドイツから機械類の輸入を行う商社に勤めていました。
    HAEFELE金具やLAMELLOの輸入総代理店をしていました。しかしその会社は倒産してもう存在しません。
    もしかするとご存知かもしれませんね。
    私は営業をしていた訳ではないので商品のことは良く分かりませんがLEITZでも知っている人が働いているかもしれません。
    ドイツの木工機械は良いものが多いと思いますがドイツ人の
    性格でしょうか、客に迎合しないような所があり、売れることが分かっていても簡単には生産体制を見直さないようです。必要以上に納期が掛かったりします。
    価格もどうしても高くなるので一部を除いて日本では知られていないようです。

  • acanthogobiusさま コメントありがとうございます。
    仰られている輸入商社というのは「W○○」(略称)のことでしょうネ。
    うちでは大型機械の輸入はしていませんがLamello他、工具などでお世話になりました。
    本件はLeitzですが、実は昨日来、この会社(名古屋営業所ですが)の方が来訪し、いろいろとやりとりしているところです。
    ドイツ本社でも社長交代劇などもあったそうで、100%子会社としてのLeitz Japanも日本市場への参入には苦闘しているようです。
    しかしその信頼性、商品構成の魅力など国内メーカーには求めることの出来ないものを持っていますので、以前より取引しているところです。
    日本市場への参入の困難さは、機械本体仕様の日独の差異、試作などでの納期、などが大きな障壁になっているようですね。
    この営業マンからはこうしたブログでの紹介はありがたいと感謝されますが、まずは自身のWebサイトも開設していないような現状を克服して貰いたいものです(笑)。

  • やはり御存知でしたか。
    これからもドイツ製品をよろしくお願いします。
    ちなみに、私の家具作りの趣味と以前の仕事は
    無関係です。

  •  ライツ 木村です。先日は、ありがとうございました。
    資料があれば、こちらのメールアドレスに送ってください。
     スリーブは来週送ります。
                 宜しくお願いいたします。

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