工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

くるみ ラウンドテーブル

ラウンドテーブルここ数日お天気も安定していたので、中断していたテーブル天板の加工仕上げが進み完成した。
先に報告したウォールナットのコーヒーテーブル“端ばみ”とほぼ同様の脚部デザインを持つ、ラウンドテーブル。
1.100φの天板サイズなので4人掛けの大きさになるだろうか。

■ くるみラウンドテーブル
■ 1.100φ 700h(天板部:今回は3枚矧ぎ)
■ 本クルミ
■ オイルフィニッシュ(ウレタンオイル)
【構成】
ラウンドテーブルはかなりのボリュームになってしまうので、天板+脚部2枚 の3分割 ノックダウン方式。
ノックダウンは対角線に相対する2本の脚部を貫で接合されたものと、クロスされた吸い付き桟が付加した天板、という構成。
脚部と天板の結合は貫の相欠き部を嵌め合わせた後、専用の金具で行う(*1)
幕板がないのですっきりしていて良いですね。しかもノックダウンとはいえ、構造的な安定度は完璧。
ウォールナットのコーヒーテーブル“端ばみ”で〈反省〉したことはここでも同様(苦笑)
対角線上で視覚的に良いと思われた反り具合もこれをクロスして結合、天板を付けて見ると、そのテリ具合は緩やかになってくるね。(この視覚的な違いは大きい)
それぞれ1脚づつの制作であったが、2種の加工を可能な範囲で並行して進めることで生産性を上げ、コストを押さえると言うこともボクたちのような仕事には必要だ。
なお、脚部の断面だが、内側は大きな角面、外側は蟇股(カエルマタ)形繰りにした。それぞれの稜線は崩さないようにするのがポイント。

─────────────── * ───────────────

*1 :吸い付き桟に埋め込まれた雌部と脚部頂部に埋め込まれた雄部を嵌め合わせ、六角スパナで締める、という簡単なもの。緊結度は比較的高く信頼性は高い。
(レッグジョイント /野口ハードウェア

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  • ご無沙汰しています。
    (ブログはほぼ毎日欠かさず拝見しています)
    近々コタツを兼ねた円の座卓(1200mm)を作る予定なのですが、円加工を実際に行った経験がありません。
    机上では
    ・板矧ぎ
    ・円を墨付け
    ・ジグソーで大まかにカット
    ・治具を作りルーターでカット
    ・サンディングで仕上げ
    と考えていますが、加工上の留意点、治具の作り方等差し支えなければご指導頂ければ幸いです。
    また足を2枚の通し蟻に取り付けようと考えていますが、センターにも蟻を入れたほうが良いのか、また蟻はセンターのみにし足は他の方法で取り付けたほうが良いでしょうか?
    コタツを兼ねているので別に天板を作るのが良いか、それとも取り外しが出来るようにした方が良いのか混乱しています。
    このような質問をこのブログでして良いものかどうか随分迷いましたが思い切って送りました。
    宜しくお願い致します。

  • ぴあんさん、こんにちは !
    秋も深まりうちでもそろそろ暖房器具を出さねばと考えていたところです。
    ファンヒーターがメインですが、石油の高騰で今後は別の熱源にすべきなのかな、などと考え始めているところでもあります。
    あなたもコタツ板とあれば急がねばなりませんね。
    さて‥‥。
    いくつかの基本的なところでのアドバイスは出来ますが、あくまでも私見ですのでご自身で判断していただく、という留保付きですが、このコメント欄という制約の範囲で記述しましょう。
    1、まずコタツのやぐら、ということのようですので、天板の構成は何よりも熱対策が欠かせません。
    無垢板を天板とすると言うことであれば、考えておられる「吸い付き桟」も有効でしょうが、
    可能であればコタツ布団の下のやぐらの天板には薄いものでよいでしょうから積層合板、ランバーコアなどで熱を遮断する、という方法はボクも過去何度か用いた方法ですが必要だろうと考えます。
    無論、このためにはぐるりと合板の天板を落とし込む枠が必要ですし、この枠と脚部を接合してやぐらとします。
    そして布団の上に反り止めを施した無垢板の天板を置く、ということになります。
    ぴあんさんのコメントではこのあたりの構成をどのように考えていらっしゃるのか、少し考えがまとまらないようですので、中途半端なアドバイスになってしまいます。
    またこの方法で円形ということですと、このやぐらの方の形状も通常のように四角というわけにはいかないかも知れませんね。(使い勝手が悪い)
    合板の枠の方も円形に近い形状が求められると言うことになります(かなりやっかいなことになりますね)。
    また冬場以外の季節でもオールシーズンで使うと言うことであれば、このやぐら部分と天板とのフィッティング(接合方法も含め)も考えねばなりません。
    2、円形の成型加工について
    いくつかの方法があります。
    うちにはバンドソー、およびピンルーターがありますので、ジグは不要で、一発で簡単に円形加工が可能です。
    でもハンドルーターでもほぼ同様に簡単に成型可能ですね。(この場合ハンドルーターはプランジタイプが望ましい)
    ・天板裏側に中心点を求め、ポンチを打ち込み、
    ・長さ:天板半径+α、幅:ルーターベース径、の合板を用意し、片側に木ねじを、もう片側をルーターベースとするためのホールを穿ち、ここにルーターを固定します(本体のルーターベースを固定するためのビス穴を利用)。
    ・後はプレカットとしてルーターにストレートビットを装着し、木ねじを中心点に打ち込み、プランジ機能を活用しながら円形切削します(ルータービットの直径の半分以上の負荷は掛けないようにしましょう)
    ・次に成型ですが、同じジグを用い成型用ビットを装着したハンドルーターで切削するのも良いでしょうし、ジグは用いず、ベアリングの付いた成型用ビットでぐるりと成型切削すれば完成です。
    ・さらにその前のプレカットでは同じようなジグを用い、ジグソーを装着して切削すれば良いでしょうし、あるいは機種によってはオプションでそうしたバーが付いているのもあるかもしれません)
    また墨付けしたものをフリーで切削しても良いでしょう。
    いずれもジグソーの場合には被加工材の厚みによっては、円形切削する場合、ノコ刃が曲がりがちですので、注意せねばなりませんし、またバリ対策も考えたいところです(BOSCHなどではバリ対策用のアタッチメントがありまししたね)
    因みにFWWのサイトでは帯ノコでの円形カットの方法(ビデオ)が紹介されていますが、登録しないと視られないのかな?。
    なおルーター切削では、過度な負荷は切削面を荒らしますので、2度に分け、フィニッシュは少ない切削量でやればきれいに上がるでしょう。
    正円の加工ほどらくちんなものはありません (^^)v
    無垢板での円形天板の反り止めは やはり吸い付き桟しかないかもしれませんね。
    1,200φという円形ですので、仰るように中央にも1本欲しいところですが、これは下に来るやぐらとの関係上、無理な場合もあるかもしれませんね。
    なお熱のことを考えますと、吸い付き桟についてはかなり痩せを考慮せねばなりません。木取りには細心の注意を !(心材でしかも柾目を使うこと)
    いずれにしましても、如何に熱源対策を施しましても、吸い付き桟を3本にしましても、必ずやある程度の反りが防げないことは覚悟しておいた方がよいでしょう。
    無垢というのはそうしたものです。
    あまり良い結語になりませんでしたし、適切な回答も出来ずかえって混乱しちゃったかも知れませんね。
    不明なところもおありでしょうから、遠慮無くあらためてお尋ねください。
    電話でも結構ですよ。
    ではご家族の皆さん、自前の1つの炬燵で、温かくお過ごし下さいね。
    出来上がったらまたお知らせ下さい。

  • お忙しい中、また昼休みを削っての丁寧な内容の濃い返信ありがとうございました。
    アドバイスを元に再度プランを考えて見ます。
    またご連絡すると思いますので宜しくお願い致します。

  • ぴあんさん、天板反り止め方法ですが追加です。(あまり良い方法ではありませんが9
    両端に吸い付き桟という方法の他に、2本の桟をクロスさせ(繊維方向に45度傾斜させ)、桟に数カ所2段彫り(上下から)して木ねじで止める、あるいはコマ金具で緊結する、などという方法もあります。
    ま、いずれも桟の出っ張りをどう処理するのかがポイントになりますね。
    いっそのこと、吸い付き桟などと言う無粋なものは止めて、何もしない、という方法もありかなと。
    奇数の比は表、偶数日は裏を使う、というのはどうでしょう?(いや冗談ではなく‥‥)

  • 古い話題を持ち出してしまってすみません。
    実は今、レッグジョイントを使ってテーブルを制作しようと
    思っています。
    レッグジョイントは脚部を差し込んで六角ネジを締めつけると
    脚部の方が2−3ミリスライドしながら固定されるようになっています。
    したがって貫を入れるには不向きな構造になっています。
    貫があることで基本的にはスライドできないからです。
    artisanさんはその辺をどのように解決したのでしょうか?
    ある意味強引に貫の付いた脚を押し曲げながら差し込むことに
    なるのでしょうか?

  • おぅ、こんな記事を上げていたのでしたね。acanthogobiusさん、
    もう忘れてください‥‥、
    とはいきませんか(苦笑)
    仰るよう斜めからに締め付けボルトを締め込むことで、緊結度を高めるものですので、結果少しスライドしてしまうのはその通りです。
    想定通り、貫との関係に於いては矛盾することになりますが、一定の距離があれば限定的ではありますが木の可塑性もあり。数mmの圧縮は可能でしょう。
    このテーブルの脚部デザインは転んでいることもあり、よりやりやすかったこともあったと思います。

  • 早速のご連絡感謝です。
    理論上は多少矛盾があっても貫の必要性は感じているので
    その方向でやってみようと思います。
    ありがとうございました。

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