ミズメという樹種で作られたテーブル。
甲板画像のように中杢の美しい幅広のミズメの板、2枚矧ぎで構成される贅沢な木取りのテーブルです。
このミズメは1970年代頃までは市場にも豊富に出回っており、松本民藝家具に用いられる主材の1つでもありました(松本民藝家具の場合、黒く着色してしまいますので、この画像のような表情を想像することは困難ですが)。
ただ近年、このミズメは稀少材となってしまい、調達は大変困難を極め、元々あまり太い樹形にはならない材種であることから、これほどの状態のものはとても貴重なものとなってしまいました。
画像からもご覧いただけますが、円弧状に波打つように木理が配されていますが、これはミズメの木理の特徴の1つで「虎斑(トラフ)」と呼ばれるものです。
肌目は緻密で、したがってとても重厚で、そのためにしっかりと鉋掛けすれば豊かな光沢を放ち、国産材にしてはめずらしく濃色で素晴らしい材種です。
因みに我が家ではこのミズメを玄関の上がり框として使っています。
脚部は4本脚に幕板を四方に巡らせ、これをX字型にクロスさせた円弧状に成形された貫で構成しています。
脚部の衣装は、いわゆるテリ脚と呼ばれるもので、踏ん張りを持たせ、視覚的にも安定感をもたらせています。
脚部断面は7角形のやや複雑な形状にしてありますが、これはテリ脚にするため、通常の配置とは異なり、全体を45度に捻って配するのですが、四方に巡らせる幕板の枘との関係を直角に接合させるため、45度に切削成形させ、そのラインを全体のフォルムの意匠ともしています。
ユニークではありますが、全体の1つのフォルムを形成させるための合理的な手法です。
無垢材の「手作り家具」などといった打ち出し方をされる場合、天板だけを立派に見せても、脚部がチープになってしまいがちですが、このミズメの立派な甲板を支えるには、造形的にも相応の品質をもたせたいという思いからの意匠です。
寸法 | 1,600w 850d 710h |
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材種 | ミズメ |
仕上げ | オイルフィニッシュ |
価格 |