工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

低床のカップボード & オーディオボード

カップボード

機能重視の食器収納と、IT関連機器とオーディオ機器収納の2連のキャビネットです。
アート全般、高い見識を持ち、建築から工芸、家具などのコレクションに余念の無い、公務に従事する若い女性からのオーダーでした。

大小2つのキャビネットで構成されています。

カップボード

やや大きい方がカップボード

中仕切を挟み、左右に3枚づつ、計6枚のトレーで構成。
スリ桟は片側で7段あり、収納される器のサイズから、任意の高さで運用する形です。

実は当初、扉では無く、抽斗方式の構成だったところを、様々なサイズの器に対応可能で、合理的な収納方式でもあり、使い勝手の良い内部トレー方式に変更し、このような設計に。

なお、この2つは合わせれば1.700mmの間口になり、最初から一体のものとして構成しても決して大き過ぎるものではありませんが、引越が多いとのことで、搬出、搬入での容易さを考慮し、このような2分割での構成に。
2つのキャビネットは設置場所に搬入後、 J.C.B(連結金具)で結合させます。

木取り

木取りはかなり贅沢なものになりました。

北海道産のミズナラを原木丸太から製材、天然乾燥管理してきた最優良材を用いています。
この柾目製材されたミズナラを用い、今回は450mm幅を共材の2枚で矧ぎ合わせたものとしました。

加え、左のボードの左側の側板、左のボードの天板、右のボードの天板、右のボードの右側の側板、この4枚を1枚のミズナラ材から穫っています。
つまり、連結されたキャビネットの、左側板から左右2枚の天板、そして右側板まで、一枚の板から木取り、配されたもので、この4つの部位の木目が全て繫がったものとしているということです。

合板の量産家具であれば、そうした配列は決して難しいものではありませんが、無垢材でここまでやるってのは簡単なことではありません。
3mを越える長さの丸太だったから可能となった、実に贅沢な木取りというわけです。

IT機器、オーディオ機器収納ボード

左右均等な2分割とし、左はCD、DVDメディアなどの収納抽斗。
ここはカップボード同様、木製(カバ材)のスリ残による摺動です。

右は棚を1枚設け、上部にはオーディオ機器(CDレシーバー など)を置き、下には、インターネットモデム、Wi-Fi 親機、USBハブ、ハードディスクなどを収納設置。

下部の地板は手前にスライド可能な機構にしてあります。
配線作業でのアプローチを容易にするための配慮です。
また細かなことになりますが、この背板近くには、10個口のコンセントが設置してあります。

背部の画像から見て取れますが、このIT機器、オーディオ機器収納ボードへの配線のためのブッシングが上下に2個。
さらに、オーディオ機器(CDレシーバー など)の設置部位に近い背板部分には、排気口としてのメッシュ板を取り付けました(スガツネ APK-K210A)。

背板

私はこの種、電気配線等はDIYで自身でも好んでやる方ですので、その方面の知識も豊富で、客の要望を伺いながら、積極的に設計上に反映させ、必要とされる資材調達も厭わず行います。

因みに背面の4ブロックは框に組んだ背板を嵌め込んでいます。

耐震対策

顧客は地震多発地域に居住されるところから、地震発生時、開き扉が開いてしまわないよう専用の金具を搭載しています。
画像上、扉の上部の白いパーツがそれです。(ムラコシ PFR-TSAα)


本件、トレー仕込みのディテールなど、もう少し説明をすべきところですが、次回です。
記述内容のキモは、アリ、かな。

hr

《関連すると思われる記事》

                   
    

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.