工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

梅雨入りに桟積み

梅雨入りですね。長い長いうっとうしい季節の到来。
モンスーンの影響下にある日本列島の住人としては、避けがたい固有の気象であるので仕方がないか。
日本の四季の美しさは広く語られているところだが、それもこの時季があってのことであろうから、甘受するしかない。
あるいはまた、木を素材としての生業ともなれば、日本の樹種の多様さ、その木目の美しさ、その多くの樹種が世界的にも最も高品質であること、そしてこうした気候に育まれた木の文化の恩恵を被りながら仕事をさせてもらっている、と言ったことなどをあらためて考えれば、
この梅雨の時季なくしては、そうした恩恵に与れないのであり、ありがたく受け止めるべきだろうって?
反論の余地はないようだね。
しかし一方では言うじゃない「木工屋殺すには刃物は入らぬ、雨の3日も降ればよい」って。
もう、殺してくれ〜、ってなもんだね。
梅雨入り宣言がされる前日、何と間合いが悪いというか、先月製材したブラックウォールナットの丸太が運ばれてきた。
先月初旬に製材を済ませた丸太だったが、運送屋の手配が延びてこの時季になってしまった。
わずかに丸太3本、3.5立法ほどの材積だったが12tのトレーラーでやってくるというので少し慌てた。


以前の倉庫であれば問題なかったが、現在は住宅地の中に位置するので、そんなトレーラーなんてとんでもない話し。
小型のトラックに乗せ替えてから来て欲しいと頼み込み、押っ取り刀でやってきたのが8t車。
これまたとんでもない大型車だったが何とか倉庫前まで進入することができ、土場に降ろし、設置することができた。
翌日、つまり昨日だが、やり残した作業、木口割れ止め剤の塗布を早朝に行ったのだったが、夕刻、予報より早くに降雨。
まだ割れ止め剤が乾ききらない段階での雨だ。効果半減。
半べそかいていたところに梅雨入りの報道。
ま、ともかくもこの時季の原木関連作業は御法度ということで、泣きを見たのだった。
画像、手前右が先週製材したミズナラ、奥が今回のブラックウォールナット。
桟積み

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