工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ミュージックスタンドと金具

家具の構成のなかで、機能金物というのも重要なパーツです。
一般に家具金物は専門業者で求めることになりますが、静岡は家具産地という地域性から製造メーカーもいくつもあり入手には恵まれていると言えます。
さらにうちの場合、ありがたいことには自転車でも数分のところにネジ専門問屋があります。
県内数カ所で事業展開している大きな会社です。ネジ、および関連周辺金具のほとんどを在庫しています。
問屋ですので大きなLotでの扱いが一般的で、小型ピックアップトラックを何台も所有して営業マンが東奔西走しています。
店内はいつも金具を選別して顧客に届けるためのパッケージ、伝票処理などで、喧噪と足早に動き回るスタッフで、大忙しの様子。
しかしボクなどは<六角ボルト 3/8 ユニクロ 75mm 5本 !>などと言っても、ちゃんと聞き届けてくれ何一ついやな顔せずにすぐ探し出して安価な価格で売ってくれます。

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木工職人のバランス感覚

元気に仕事に専念できるのも、こうしてブログなどにエントリーすることなども、心身共に健康でなければ困難なことです。
でも今日は、2月に1度の定期検診で地元の総合病院の呼吸器科に行って来ました。職業病、気管支喘息の検診です。
特に症状が悪化しているわけでもなく、痰がからむ、美声が出ない(笑)などの症状ぐらいで現状維持で推移しているので、聴診器による簡単な胸の検査と2月分、2種類の薬を処方してもらうだけです。
一病息災といったところで受忍してるわけです。
気管支喘息の原因は何であるのかは実は不明。いろいろと検査するものの、確たる原因物質は特定できていません。
上述したように木材の加工過程で環境に飛散されるダストが原因の職業病であろうと判断しているので、マスク着用、換気扇の活用など講じているものの、これで症状が改善するというものでもないのだが、激しい症状は出なくなってきているので、奏功はしていると見るべきでしょう。

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モデムの安定的接続環境を ! + IBM vs Intel

今日もNTT保守スタッフがモデムを持ってやってきた。今回の雷被害でのモデム交換に関わる現場サポートは4度目。
1度目の交換は、ADSL接続が実に不安定。従ってIPフォンも切断する。
2度目の時は機種交換も改善せず。
3度目にやっと安定。しかしこれは仮復旧。
4度目の正直で、今のところ安定的に推移。
送ってもらえば自身でセットアップぐらいしますのに、接続サポートまで面倒を見るというのがシステムのようだ。
しかしMacはあまり経験の無いスタッフも多いので、結局ほとんど自身で行うということになる。しかし不明なことがあればそこは専門家ですので助かるということなので、これはやはりありがたいというべきです。

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芹沢美術館と椅子展

芹沢
静岡市内の名所旧跡を挙げて見ろ、と言われて答えられる人はどの程度いるのかは分かりませんが、以外と小、中学生なら正解は多いかもしれません。弥生時代の遺跡として有名な「登呂遺跡」ですね。
昨今では「三内丸山遺跡」やら「吉野ヶ里遺跡」にお株が奪われていますので、パッとしないようですが、健在です、はい。
今日紹介するのはそこではなく、同敷地内にある「静岡市立 芹沢けい介美術館」(けい は金へんに圭と書きますが、Macでは出せません。スミマセン)です。
登呂遺跡以上にマイナーな施設かもしれませんので、ご存じない人も多いかもしれません。
過去何度も訪れた美術館ですが、久々に行って来ました。企画展「芹沢けい介の集めた椅子」という企画展です。(本日 最終日)

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雷サージとは仲良くなりたくない

NTTの職員の友人に依頼していたある電子機器の評価についての回答があった。
これはNTTファシリティーズという会社の製品で「雷サージプロテクタ」というもの。(参照
以前にもADSLモデムの雷被害に関わる記事をエントリーしたが、その時に紹介したNTT技術情報に準じた機器を探したところ、この「雷サージプロテクタ」というものが出てきたので、この機器を現場ではどのように評価するか問い合わせていたものだ。
友人はNTTの交換機等の電源部門のメンテナンスをしている技術屋であるが、この機器については知らなかったそうだ。
拙宅にモデムの交換に来てくれる「NTTネオメイト」の職員にも尋ねたところ、同様に知らなかったという。
評価を質すと、「?、分かりませんね」との回答。

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鉋の仕立て

鉋写真は名古屋 青山鉋店で求めた小鉋4台。
仕込みが終わり、油を浸み込ませているところです。
鉋に限りませんが、木工の手工具というものは購入してすぐに使えるものではありません。使用目的、使用環境に叶った道具に職人自身が仕込まねばなりません。
訓練校などでのカリキュラムには最初にこの鉋の仕込みというものが組み込まれているものです。
鉋であれば、対象とする材種に適合するような仕込み角度を決め、どのような削りのフィーリングを求めるかによっても、その仕込み具合は異なってきます。
簡単にそのプロセスを記すと…、

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Mac構築とアイボ

昨日の乗用車破損修復は明月曜日からドック入りの手はずを整える。
せめてと思いキレイキレイにしてやろうと洗車作業に掛かったが、見るも無惨な凹み。
しかし予報にもなかったが突然の雨。めったにしない洗車なんかするものだから、雨に見舞われるというドジなやっちゃ。
午前は所用を済ませ、午後から残されていた新規Macの環境構築作業。
いつまでも半端な状態ではまずいので、完了させるべく取り組む。
Apple サポートセンターへは新しいOSリリース直後の休日だというのに、数分して繋がり、適切なアドバイスを授かる。
いくつかの不明な問題は解消。
.MacというApple社のサーバーにユーザーのディスク容量をもらい、ここを介して複数のMacのデータを共有、同期を図るという機能。

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愛車破損という忌まわしい週末

今日はなんと忌まわしい日であった事か。一瞬の出来事が週末の心浮く気分を台無しにしてしまった。
購入して1年足らずの乗用車をぶつけられてしまった。
大きな破損に至らなかったので板金修理くらいで済みそうで、走行上の後遺症は全くないと思うけれども、この気分のめいりへの保障もしてもらいたいものだ。
まだ日差しが残っている夕刻の時間帯の地域の郵便局本局駐車場構内での事。
当方は駐車場の所定位置にバックで乗車、停車していた。
当方とは前後逆に隣に駐車していた軽自動車が出庫しようとした動作の時に、当方の前輪タイヤハウスから運転席側ドアーにかけて、思いっきりぶつけながらカーブを切りながらバックして出て行こうとしたのだ。
何と、大きなショックがあったにもかかわらず、そのまま出て行こうとするではないか。
「こら〜っ、逃げるのかー  」と、大声をかけ立ち止まらせる。
降りてきたのは。初老の近くの工事現場に作業に従事する飯場居住の土木作業員(交番での認定)。
慌てふためいた様子で、「ダイジョウブだと、思ったんだけどな〜」と嘯く。

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「Der Moebelbau 」 職人と良書の出会い

ボクは木工という修練を必要とする職人の世界に飛び来んだことを悔いた事があります。
修行を初めてまだ2年目ぐらいでしたが、信頼のおける木工の先達に1つの質問を受けたのです。「君はどういうことをしていきたいの?」分けも分からずただひたすら木工の世界に没入していこうとするボクへ覚醒を促すものでした。
暫し沈黙の後、出た言葉は「職人として生きていきたいと考えている」ということでした。ボクにすれば至極真っ当な返答のつもりでしたが、言われてしまいました。
「そりゃ、無理だわ。君はいくつになったの?」
「はぁ… ?! 」
「よく考えてみなよ、職人なんてのは、中学、あるいは高校出るぐらいからスタートしなければ間に合う訳ないでしょう」
その頃はまさに中学を出てから職人として生きてきた一回り年上の親方の元で修行させていただいていたのですが、その親方の事を想起するだけで、その詰問の意味も十分に納得いくものなのでした。
今更ながらスタートした年齢を悔いても仕方ない事なので、ただそのときは必死に修行するしかない、とばかりに親方の技能、技法を獲得することに邁進していったのです。
そうしたときに出会った本がこれです。「Der Moebelbau.」木工に関わる広範な記述がされた文献です。
教科書のようなスタイルを採っていますが、技法の紹介はすばらしいものがあります。
残念ながらテキストはドイツ語です。しかし図版は豊富で、実に詳細にわたって仕口を紹介していますし、刊行も初版は1954年ですからややデザイン様式は旧いものですが、現在でも十分に使える良書と考えられます。

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アーツ・アンド・クラフツと日本

ボクが木工の修行を始めたのは「松本民芸家具」というところです。
木工を修行しようと決意してからというもの、様々な文献、雑誌などで対象になるところを探し、また実際いくつかの会社、工房を巡りました。
しかし結局最初から本命視していたところを熱意で拝み倒したのです。それが「松民」でした(恥ずかしながらその時の年齢が30を大きく超えていた事が障害になったのです)。
この選択にはいくつかの理由があったのですが、家具製作という分野において「アート&クラフト」の息づかいがあるところという命題を外すわけにはいかなかったということが第一の理由です。
ここで「アート&クラフト」について論ずる積もりも、その任でもありませんので、数日前にたまたま書店で見つけた本を紹介する事で代えさせていただきましょう。「アーツ・アンド・クラフツと日本」というものです。

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