工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

日本食文化

一昨日でしたか、NHK TVで日本食の特集をしていました。ニューヨークで、パリで、今や食通は日本食なんですって。
そのほとんどは如何に生ぐささを押さえ、西洋人に楽しんでもらえるか、という苦労話でした。
しかし日本人にはもちろんそのようなお世話は不要です。素材そのものを十分に味わえる舌と食文化を持っています。
ボクはここ15年ほどでしょうか、意識的に素材への味付けは薄めにするようにしています。
これは決して生活習慣病を防止するといった動機に発するものではなく、あくまでも食欲に関わることからです。
味を濃くしますと、本来の素材の持つ味がわからなくなります。これを怖れるからなのです。ほぼ同時期にたばこもやめました。
その結果、舌の味覚が研ぎすまされてきたのか、素材の味というものが良くわかるし、薄味の出汁も美味しく感ずることができるようになってきているようです。

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ブログにおけるディスプレー色彩

夏みかん
今日は冒頭から、ご覧いただいている方にひとつ詫びねばいけません。
このブログの写真、テキスト文字の彩度に関わることです。
これまで「工房 悠」サイトの構築からというもの、全てにおいてAppleのPowerBook G4の最も旧いマシーン (2001/3) を使用してきたのですが、新たに購入したディスプレーで自身のサイトをブラウジングしてみたところ、一部の写真、テキスト文字の色彩の彩度のあまりのケバさに驚かされました(笑)。
以前からWindows環境の方から同様の問題を指摘していただいたことがありましたが、これほどとは !! 。
WinとMacではでディスプレー上での表示の具合が異なることはよく知られたことですが、ディスプレーの 輝度などの解像力は、メーカー、機種、などでかなり異なる。さらにまた同じメーカー、機種であっても販売時期によっても異なるということですね。

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木工と錺金具

宮本貞治さんの錺金物(カザリカナモノ=装飾金物のことを称する)は木部の品格と相まって、ほどよくフィッティングされていますが、そのほとんどは自作しているようです。
指物に留まらずキャビネット(箱もの)家具には機能金物、錺金物問わず必須のパーツです。もっといえば画竜点睛としての意味合いを持つと言って差し支えないでしょう。
昔はこれらを専門に制作する錺金物の職人がいたものですが、現在では絶滅危惧種の1つに挙げねばならなくなってしまっています。
このあたりのことについては「手──もうひとつの生活 No.7」{(財)クラフト センター ジャパン}という小冊子に「東京の錺職人」ということで須田賢司さんが詳細に記述しているので機会があったら見てください。
彼自身も錺職人に頼ることができなくなってきた背景と、木工芸家として高品質な錺金物を取り付けることにおいては妥協できないということで、結局自作することが多いのだそうです。
この小論では

・・・錺という仕事の現在を考えると、千何百年の間連綿と伝わってきた一つの文化の危機を感じさせられる。文化は物がつくるのではなく、人がつくるものとするならば、職人がいなくなるという事は一つの文化の終息をも意味しているのではないだろうか。・・・こんな時代に職人として生きている私は、ここ数十年の社会の変化が果たして。私たちにとって進歩として幸福なものだったのかと考えさせられてしまうのである。

と結んでいます。

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宮本貞治さんの仕事

五月雨です。夜半からは雷も混じるというのでネット接続機器は要注意。
来月には梅雨に入るでしょうから、この五月は貴重な時節です。精一杯前倒しに仕事をして備えねばなりませんね。
昨日拝見した宮本さんのお仕事に見たものは、修練の技の極地と「流紋」に特徴的に見られるテキスチャーの追求、そして洗練されたモダンなデザインで、伝統工芸の今日的問いかけというものであったように思います。
以前これほどの規模ではありませんが、あるギャラリーでの個展で拝見したものからもさらに洗練され、技法的にも高度化しているようでした。
こうした仕事を見せてくれる力というものがどこから出てくるのかと考えれば、様々なところから説明できるでしょうが、1つだけあえて挙げるとすれば、「意志の力」というものが並はずれて強いということは間違いなく言えるのでしょう。

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名古屋の熱気


名古屋は熱気と喧噪の坩堝でした。
愛知万博、中部国際空港のオープンで賑わっているという風聞は間違いではないようです。
栄を中心とする商業地域は5月というには暑すぎる陽気も加え、喧噪と熱気の坩堝さながらでした。
午前中は無沙汰していた「青山カンナ」店(写真中央)に立ち寄り、主人と四方山話。
ここの主人は数十年昔ではいずこでも当たり前であったであろう、店先でのカンナ台の制作と仕込みを未だやっている希有な道具屋です。「削ろう会」というカンナ使いの職人たちの研鑽、交流会を主催、後援している人でもあります。
このところ小鉋、豆反台鉋がちびてきましたので、数台求めました。
恥ずかしながら鉋の刃の裏打ちがどうも下手くそなものですから、こっそりと工房の金床を見せていただくなど貴重なアドバイスを頂き、目的の展示会に向かいました。

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椅子の試作へ

たんぽぽ
5月、桜前線は津軽海峡を渡って、北海道帯広まで到達したとの報。
我が家の庭のタンポポは早くも綿帽子になり春風に乗って飛んでいく準備をしている様子。バックの青紫の花はセイジ。
このところ近接撮影が続いています。これは地べた近くにカメラをセット。Canon PowerShotG1という機種ですが、液晶モニターがくるくる自在に回せるのでこうした特殊アングルには強い。
大和
朝から昨日やり残した薪ストーブの片付けなど、工房を夏姿へとヘンシン作業。
半年間世話になったのでキレイキレイにしてあげました。(オッと、この言葉遣いは変。してあげました、は間違い。しました、ですね)
午後からは新しいデザインの椅子を制作するための準備に大童。
写真の既存のものを基本とし、安楽椅子への機能転化を図ろうというもの。
間口を広くやや大ぶりに、背もたれはさらに傾斜をもたせ、アームの位置も要検討。

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Macデータ移行準備とか…

テントウムシ
工房 悠のラインナップの中に「座布団椅子」というものがありますが、今日はこの椅子の最後の工程、オイルフィニッシュの作業でした。
ただ、個展の時の受注で、材種を替え、アームを両側に(基本は片方だけなのです)、という特注のものですので、いささか手間取りました。
やはりこの椅子は片アームがよろしいかと。
当初の予定では薪ストーブを片付け、替わりに工業用扇風機を出す予定でしたが、時間切れで後日になってしまいました。
さらにもっと立ち返れば、仕事をそっちのけで更新されたMacのセットアップの予定でしたが、昨日も触れたように入荷が遅れ、これも叶いませんでした。
しかし更新へ向けての準備も必要ですので、これを現在進行中というところ。

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八十八夜の来客

今日は八十八夜だそうです。
当地の茶畑でも手摘みによる収穫も最盛期です。
兼業農家が多いのでこの時期、長期休暇に合わせ家族総動員での作業です。
隣のご夫人もいそいそと毎年知人の茶畑に手伝いに行ってます。1年間丹誠込めた農作業の仕上げですので、皆さんとてもほがらかにワイワイ楽しく手も口も忙しく動いています。
ボクが毎年頼んでいる農家からは今月中旬以降になるでしょうか。楽しみです。
今日はばたばたと忙しい1日でした。
椅子制作の最後の工程、組み上げ作業をしているところに見知らぬ人から「すぐに訪ねたい」旨の電話があって1時間後にやってきました。
このブログを見て仕事を見たいというのです。
どういう事かと言いますと、「小川幸彦」(参照)さんの初窯当時からのファン(支援者)の方で検索サイトで「小川幸彦」と入力したところ、1番にこのサイトが出てきたそうで、近くもあるし、木工も興味があるから訪ねて来たのだというのです。

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雷による過電圧(サージ)被害(脆弱なIT機器)

一昨日のことですが、当地は激しい雷雨に見舞われました。
太平洋沿岸地域、かなり広域での事象だったようです。
被害を受けてしまいました。
他でもありません。ADSLモデムを破損させてしまうという失態を演じてしまいました。
そこでネット上から関連する情報を探しました。
この日は朝から良い天気でした。予報でも終日晴れのはずでした。ところが工場で仕事していましたら、少し外が暗くなってきたな、と感じていましたら、いきなり大粒の雨が落ちてきて、次には轟音を挙げての落雷でした。おへそを隠す暇もないほどの一瞬の出来事でした。
あわてて部屋に駆け込み,モデムとMacの電源を引き抜き、電話Lineを外したのでした。
かつて雷では2度ほどモデム、TA(ターミナルアダプター)などを破損させていますので、対応は機敏でした。

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Mさんの筍

土佐煮
写真のお総菜はタケノコの土佐煮。
タケノコは筍と表記しますね。竹かんむりに旬という文字をあてます。
竹の旬というわけです。良い表記ですね。
あらめがなかったのでただのワカメと、先にいただいたネギをしっかり焼いてから添えました。かつを節をてんこもりに掛けてどうぞ。
拝啓 Mさん、筍をありがとう。もちろん、頂いた日にすぐゆであげました。(この筍はその時にゆであげたものを冷蔵保存して、あらためて煮たものです)
とてもやわらかで良いものでした。ご実家の九州からのものですかね。
お訪ねいただいたときは、たまたま留守していましたのでお話し伺えず残念でした。
お仕事はいかがですか。もう慣れましたでしょうか。

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