〈工房 悠〉の家具をお買い上げの方へ

はじめに

1 この度は工房 悠の家具、木工品をお買い上げいただきありがとうございました。
ここでは日常のお手入れの留意点についてお話しいたします。

工房 悠の家具は無垢材で構成されています。無垢材の家具は長年にわたりお使いいただくものです。
必ずしも納品の時が最良というものでもなく、 お客様のお手入れによって磨き込まれ、ご家族の生活の歴史が刻み込まれ、より味わいが醸し出されていく ものです。

そのためには材質、仕上げ塗装の特徴をよくご理解され、次に記すような日常のお手入れの留意点をお守りいただくことをお願いいたします。

木製・無垢材の家具の特徴と使い方について

2 無垢材の家具は置かれた環境、特に湿度の変化に敏感で、乾燥に対して弱いのが特徴です。

直射日光やストーブなどの暖房器具からでる強い光や熱にあたりますと、変色したり、塗膜に異常をきたす場合があります。

さらにはまた稀に変形、割れを生じさせることもありますのでご注意下さい。

乾燥する冬場などの季節には、適宜加湿器等を設置し、 木材が過度に乾燥しないよう、室内の湿度が適切に調整された環境でお使いください。


普段のお手入れ

3 テーブル、座卓などの天板には、直に熱いものを置かず、必ずランチョンマットやコースター、茶托などを敷いてお使い下さい。

アルミの缶ビールなどを直接置くのは、ぜひ避けてください
アルコールにより、アルミ成分が溶け出し、板面を侵してしまいます(黒く輪染みになります)

加熱されたやかん、鍋などを直接置きますと、変色、変調をきたしてしまいますので避けてください。

テーブルクロスやテーブルセンターなどをお使いになる場合は、木綿、麻などの天然繊維のものをい下さい。化学繊維などは家具の塗料が侵されたり、張り付いてしまうおそれがあります。
またガラス板を敷くことも天板の通気性がわるくなるため、好ましくありません。

化粧品、アルコール(特に、缶ビールなど)、薬品などの溶剤の含まれているものをこぼしたりすると、シミになったり塗膜が溶けたりすることがあります。

木工家具に過度の湿気、また過度の乾燥はよくありません。抽斗や戸などの不具合の原因になりますし、カビが発生するなど衛生的にも問題がありますので、壁との間に適度の空間をとり設置するなどして通気を確保してください。
さらにまた空調のかけすぎによる乾燥にはくれぐれもご注意下さい。

また直射日光(紫外線)が当たるところに長時間おかれますと、塗面が変色、変調をきたします。
可能な限りにカーテンなどで遮光していただくか、家具を布で覆うなどの保護をしていただくのが、長期間にわたってお使いいただく賢明な考え方です。

普段のお手入れは乾いた柔らかな布で拭いてください。

水気で濡れたり、食事などで汚れた場合、そのまま放置しておくと染み込んでしまいます。
このような場合、少量の水を含ませたウエスで汚れた部位をこすり取ることができます。
その直後、できるだけ早く乾いたウエスで水気を拭き取るようにしてください。そうすればシミになることはありません。


著しく汚れた場合には、ぬるま湯に中性洗剤を薄め、ウエスを漬け込み、これを堅く絞り、拭いてください。
その後時間をおかず、別のきれいなウエスで残った洗剤を完全に拭き取り、磨き上げてください。

アルコール、シンナー、ベンジン等は絶対に使用しないでください。塗膜が侵され、変調を来します。

オイルフィニッシュ塗装について

4 この塗装方法は素地に天然の樹脂を含浸させて拭き上げ、表面にほとんど塗膜を残さないという塗装方法です。

これはブラックウォールナット、ローズウッド等の濃色材に大変好都合で、材色が冴え、木目がより明瞭になりますので素材の美しさを生かした仕上げになります。

またオイルフィニッシュは使い込む程に風合が出て、経年使用による汚れや傷も味わいとなってくるのがオイル仕上げの特徴でもあります。

オイルフィニッシュという塗装方法はいくつかの欠点を持ち、制約があるものの、材種によってはこれに勝る仕上げ方法は他にはないと考えられます。

欠点としましては、食卓、座卓等の天板の使用環境に関わることですが、熱い食器などや濡れた食器を直に置きますと、輪ジミができたりします。

また日常のふき掃除などで表面のツヤが損なわれてきます。
したがいましてお客様の日常のお手入れが重要になります。

普段はカラ拭きがよいでしょう。
汚れがめだってきましたら指定のオイルであらためて塗装するか、そこまでいかなくともヌカ袋とかオカラを包んだ袋で拭きあげる方法などの昔からの手入れの方法も、手軽で良い方法です。

拭漆の家具について

5最近の遺跡発掘でも、縄文時代から漆塗りの木工品が色鮮やかに発見されてきています
このことに示されるように、日本国内において、漆の文化は数千年の歴史がありますし、塗膜としての強度は化学塗料に較べ、決して引けをとりません。
日常の生活調度品として長くお使いいただけるものです。

あえて欠点をあげますと、紫外線に弱いということです。直射日光にさらしますとどうしても色が褪せてきますのでご注意いただきたいと思います。日常のお手入れは上述の留意点をお守りいただければよいでしょう。

アフターサービス

6当工房で制作された木工家具は、責任を持って修理をいたします。
納品後2年目からは有償となりますが、メール、お電話などでご相談ください。

どうぞ末永く大切にお使いいただきたいと思います。
ありがとうございました。