ショールームからリビングスペースを間仕切るドアですが、車椅子が余裕を持って通行できるサイズということで、廊下などの幅を5尺ほどに設計しましたので、これに併せドアも親子になったというところです。
タモの柾目板から取った縦框、横框に、同種タモ材の鏡板をドブで嵌め込んでいます。(ドブ、というのは、羽目板の厚みをそのまま框材の小穴(溝)に埋め込むことを言い表す職人の符牒)
羽目板はタモの柾目材、数枚で構成し、これらはホンザネ(無垢材の伸縮に対応させる仕口の接合法)で接合されています。
タモ材のリニアなライン(通直性)をそのままシンプルに活かしたところが、美しく納まった要因であるように思います。
広葉樹という条件下で他の材種ではこのような簡素で美質な仕上がりにはならなかったでしょう。
タモ材ならではの意匠ということですね。
因みに、このタモ柾ですが、一部に縮み杢が醸されています。
縦框の一部ですが、見付側では通直の木目にチリチリと縮みが視られますが、これを木端側から視ますと、画像のように、複雑にうねった木目を視ることができます。
たいへん面白い木味ですが、それだけに貴重な材と言えるでしょう。
寸法 | 1,420w(親:800 40d 2,060h |
---|---|
材種 | タモ |
仕上げ | オイルフィニッシュ |
価格 | 個別見積 |