15年ほど前からブラックチェリー材を用いた家具を作ってきていますが、その全ては自身で50〜60cmほどの径の原木丸太を買い求め、製材、乾燥管理してきたものです。
今回は、この幅広の優良材をふんだんに用いたものですが、実はメインのデスク天板も一枚板を用いました。
これは私の手持ちの在庫のものではなく、クライアント(まだお若い公務員の男性)が銘木屋で買い求め、これで制作して欲しいとの依頼によるものでした。
仕上げ削りしている天板の画像、および脚部と結合させる仕口加工〈寄せ蟻加工途上〉をご覧いただけるとお分かりのように、全面に縮杢(チジミモク)が配されたすばらしい木味のものですが、デスク本体、および2つのワゴン抽斗についても、この天板の品質に負けず劣らずのクォリティーで作らせていただきました。
豪壮なボリュームを持たせた脚部は工房 悠オリジナルのカンティレバー様のデザイン。
天板との結合部は〈寄せ蟻〉にし、マンション住まいの困難な搬入路でもあることから、設置個所で容易に組み立てられるノックダウン方式の設計になりました。
背板はリニアな木目が美しい柾目板を配し、これも現地で順番に並べ、嵌め込んでいくのです。
左右2台の抽斗ワゴンについても、駆体を天秤差しにて接合させ、また抽斗の構造も同様に天秤差しにて組んでいます。
駆体の側板、天板は全て、矧ぎでは無く、一枚板です。
贅を尽くした作りと言えるでしょう。
この抽斗のハンドルも、カスタムメイドの自作された木製ハンドルです。
これらの設計意匠ですが、私の作品事例を徹底研究されたクライアントからの要望によるものでしたが、作り手冥利に尽きると言いますか、制作意欲120%の熱量を投じ、大いに発憤して作業にあたったものです。