Deskライティングビューロー
ブラックウォールナット
ミズナラ、オイルフィニッシュ
ミズナラ、ウレタン仕上げ(某 大手損保会社、本社 接客室に設置)
製作上のポイントは机面にあります。
扉、表側の鏡板は無垢板ですので、その伸縮を考慮した仕口が必要です。
対して裏側(机面側)は枠と鏡板は同一面(ツライチ)で、しかも隙間なくタイトに結合されていないと具合が悪いです。(隙間があるとペン先が落ち込む、消しゴムの屑が埋まってしまう、など)
この表裏の相反する動きをどう処理するかがポイントになります。
制作者、メーカーによってその手法は様々。
基本としては表裏の物理的動きを切り離すことです。表の無垢部分は伸縮を上手に逃がし、裏の机面部は動きを殺さねばなりません。
(中には1枚の無垢板を表裏一体でそのまま使う制作者も見かけますが、こういうことをやってはいけません)
名称について
「ライティングビューロー」という呼称ですが、日本の家具業界では一般的なもののようです。
「ビューロー」(bureau)という名詞は、本来は事務局とか部局といった意味を有するものですが、「寝室用の抽斗の付いたデスク」、といった意味もあります。
また、欧米ではむしろ [ Secretary ] と呼ばれるのが一般的なようです。
このSecretaryは、本来、秘書とか、書記といった意味を持ちますが、転じて、こうしたデスクをそのように呼ぶようです。
使用イメージとしては、居間、あるいは寝室に置き、読書をしたり、手紙をしたためたり、あるいはPC作業にも良いかも知れません。
デザイン、構成について
この分野では様々なデザイン、機能のものがありますが、本作品は最も一般的な様式のものといえます。
机面になる上の扉を開くと、細かく仕切られた書類整理用の書棚(この扉は鍵付き)が付いています。
この扉の上端中央に見える黒い部分は抽手では無く、鍵穴です。施錠が可能です。
ここに鍵を差し込んで、それを抽手としています。
下部、抽斗の中は棚になっています。
仕口、仕事の内容
側板、天板の接合は伝統的手法の「天秤差し」で行っていますので、とても堅牢で、美的価値を加えています。
机面に見える一風変わったテクチャーですが、これはクラロウォールナットの瘤杢の突板を四方に展開貼りしたものです。
これまで、数種の材でいろいろと制作してきましたが、ここではミズナラのオイルフィニッシュ仕上げのものと、着色ウレタン仕上げのものを掲載します。
カスタムメイド
なお、工房 悠では、材種はもちろん、内部の細工などの含め、個々の希望に応じた設計をしています。
小引き出しをたくさん欲しい、棚のカスタム設計を望みたい、もっとシンプルで良い、などと言ったご要望にも応じます。
ライティングビューロー
寸法 |
900w 430d 1,050h |
材種 |
ブラックウォールナット |
仕上げ |
オイルフィニッシュ |
価格 |
¥400,000(税別)(ナラ材)〜 |