Tategu玄関、親子ドア(居住スペース)
工房 悠は2014年8月、新たな施設を建造し、工房、およびショールーム、そして住まいを構えたのですが、その際、主要な建具などを自作してきました。
建具は建築においても、内外装ともに、大変重要な要素となりますので、これを専門とする職域が形成されています。
ただ昨今では、大工さんも既製品を購入し、これをあてがうという手法も広く一般的になっているようです。
工房 悠は家具屋ではありますが、自邸での建具制作の機会を積極的に捉え、研究開発を経、幾種類かの建具を制作してきました。
今後は外部からの求めにも対応していきたいと考えています。
新築、改築など、構想されていらっしゃる方で、高品質でユニークな建具をお考えの方には参考になろうかと思います。
玄関、親子ドア(居住スペース)
ディテール(ハードウェア)
レバーハンドル
内部(リビング側)から
内部から:ミズナラ、親子ドア
ドアの構成
いわゆる親子ドアと呼ばれる、大小2枚構成の観音開きドアです。
タモ材を用いた框組に、ミズナラの無垢材を嵌めてあります。
正面はフラットに見えていますが、
裏をご覧になれば、貫が1本。
この貫は羽目板が無垢材であるとに踏まえ、反りを防止するとともに、堅牢性を確保するためのものです。
縦框は90mmの見付けに、40mmという厚みの見込みで、ドアとしても重厚な部類に入るでしょう。
また大きな建具では、経年変化による反りなどをあらかじめ予防させるため、反りにくい木取りである、柾目材を用います。
タモ材の柾目ですが、元々通直性の強い材種ですので、柾目木取りしますと、端正で美しいものです。
上下の横框も、柾目で150〜210mmという、かなり幅の広い木取りです。
羽目板ですが、子の方は、あえて活き節のあるミズナラを用い、野性味を狙っています。
中杢の木取りをしても美しいのですが、こうした“遊び”も面白いものです。
また同様に、親の羽目板も、少しユニークです。2枚のミズナラ辺材部分を中央で合わせ、部分的に隙間を見せています。
これはいわゆる中から外部を確認するためのスコープのようなものです。
ちょっと、“遊び”が過ぎたかも知れませんね。
仕口
框の仕口は2分、6mmの蛇口(馬乗り)ですが、表の羽目板は厚みの1/3を框の小穴(溝)に入れ、残り1/3ほどの厚みを框の面(ツラ)から外に出すという、イレギュラーな構成、デザインです。
ハードウェア
いわゆるレバーハンドルですが、重厚なスパニッシュ風、鍛鉄製の趣きがあります。
高級鍵専門メーカーとして著名な、日本の堀商店のものです。
鍵構造としては、特殊なピン配列形状で、その鍵違いは1400万通りです。
またその構造上、ピッキングにも強力です。
玄関、親子ドア
寸法 |
1,220w 40d 2,120h |
材種 |
タモ、ミズナラ |
仕上げ |
着色(阿仙)、オイルフィニッシュ |
価格 |
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