小型のチェスト。
俗に〈小引き出し〉などと言われるものです。
抽斗はA4サイズの書類に対応するサイズとなっています。
いくつかの特徴があります。
デザイン、構成
シンプルな筺だけに、丁寧に、美しく作り上げました。
駆体は“天秤指”で組み、正面は円弧状に張らせ、ボリューム感と、柔らかなイメージを与えています。
また左の帆立{側板)、甲板(天板)、右の帆立、と3枚の板は、元々1枚の板であったものから切り離し、構成したものです。
つまり木目が連続して繋がっていることで、より自然に、美しく構成されています。
ブラックウォールナットの柾目がリニアなイメージを醸し、より高級感を与えてくれます。
また抽斗前板は数種の材種を用いることで、色調のコントラスを強調し、ポップで明るいイメージを出してみました。
駆体接合の技法、あるいは仕口デザインの楽しさ
この駆体は一般に“板指し”と言われる構造体ですが、帆立{側板)と甲板(天板)の接合は“天秤指”といわれる強力な組み手で組まれた堅固なものです。
これは日本の伝統的な木工技法の1つです。
また抽斗の仕口も同様に“天秤指”で組んでいます。
鬢太(包み)での天秤指ですが、釘や木ねじを一切使わずに、木と木の接合におけるもっとも強力で、耐久性の強い仕口です。
またこれは意匠的な美しさをも、もたらしてくれています。
寸法 | 380w 280d 240h |
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材種 | ブラックウォールナット クラロウォールナット カーリーメープル バーズアイメープル など |
仕上げ | オイルフィニッシュ |
価格 |