Chair座椅子 (ZAISU 09)
バリエーション
アーム:希望により左右、および両方にも対応しますが、片アームの方が圧迫感が無くて良いでしょう。
展示会場(山の上 Gallery)
小さい円卓は Dennis Young氏によるもの
〈座椅子 考〉
まだまだ床座の機会の多い日本の住環境ですが、一般に「座椅子」というジャンルの椅子には、良い掛け心地のものは多くはありません。
古来の日本の生活環境、身体所作においては、正座に見られるような姿勢制御に耐えられる身体訓練がなされていましたが、近代化以降、現代日本ではそうしたものは失われてきているというのが実態です。
そのような現代人の住環境に合った「座椅子」が求められています。
ところが市場においてはそうしたことが顧慮されないままのおざなりな「座椅子」が多いというのが実態です。
具合の悪い「座椅子」より、むしろかえって正座の方が身体に負担を掛けず、疲れが少ないという逆転現象すらあります。
これは座位置の高さ(シートハイ)、腰を支える部位の脆弱さ、などに原因を求めることができるでしょう。
よく見掛けるぺったんこの座では腰位置が異常に低くなりがちで、身体には大きなストレスを与え、過度な負担となり、長時間の座りにはとても耐えられないでしょう。
座椅子のデザイン設計において要請されるこうした問題を意識しつつ提案したのがこの「ZAISU 09」です。
和室で使われる、いわゆる「座椅子」です。
デザイン的には、工房悠の定番家具「座布団椅子」の派生系とも言えるものです。
座椅子とはいえ、長時間の座姿勢にも耐えられるような設計をしました。
下に記した[Note]にありますように、市場に普及しているものは座り心地、人間工学的に問題の多い座椅子ばかりですが、その問題の1つが、あまりにも座点の位置が低すぎる、というところにあるようです。
この座椅子の場合、座の高さを確保させるために畳ズリを幅広く取り、また背部の腰回り位置に堅めのクッションを施し、またこれは背の途中までとすることで背のS字カーブに合わせたラインを形成させるなど、それぞれ座り心地を確保させています。
あぐらを掻いても、あるいは脚を投げ出しても程よいバランスで、長い時間、様々な姿勢で座るには格好の構造とデザインとなっています。
主材はブラックウォールナット、ラダーは本クルミ。アームはカーリーメープル。
材種における異色の取り合わせとともにデザインのシンプルさがモダンさを引き出します。
ZAISU 09
寸法 |
550w 580d 550h(sh:150) |
材種 |
ブラックウォールナット、
本クルミ、カーリーメープル |
仕上げ |
オイルフィニッシュ |
価格 |
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