明けましておめでとうございます

〈工房 悠〉を起ち上げ、32年目に入ります。
木工家具制作を30年を越え、やり続けてこられたのは、ただひとえに多くの方々からの制作依頼があればこそです。
この世界に飛び込み、最初の数年はただただガムシャラに木と格闘する日々であったというのが偽らざる実態で、必ずしも純粋に木工と向き合っていたわけでも無かったのだろうと思います。

その後、多くの仕事を経験する過程において、顧客からの励ましの一方、厳しい要求に応える中から、徐々に木工の厳しさとともに、密かな愉悦さえも覚えるところとなり、あっという間の30年でした。

これらは、創作的なモノ作りという特異なジャンルならではの内発的な情動があればこその弛まざる道筋であったわけですが、何も純粋アートに挑むものでは無く、顧客の要求に応える過程での、職業的木工家としての職能を全的に発揮させることで叶えられるものですので、顧客の要求や様々な助言を与えてくれる先輩など、他者からの支えと刺激によりはじめて形作られる関係性の中から生まれ出たものと言っても間違いないでしょう。

あらためて、そうした方々に感謝しつつ、2019年も工房に籠もり、良い仕事を続けていこうと意を新たにしています。