〈ミズメ樺〉の良材をふんだんに用いた、豪壮なチェストです。
デザインも奇を衒わないシンプルさですが、丁寧に、しっかりと作られています。
ミズメ樺と言いますと、家具の世界では良く知られているように〈民藝家具〉に好んで用いられる材種の代表格です。
昨今、この材種は枯渇してきており、とても貴重なものになっていますが、このチェストに用いた材は、樹齢が200年以上のもので、木目がとても緻密で、かつおとなしい、加工のしやすい材でした。
加工がしやすいと申しても、ミズメ樺の重厚さは他の材種を圧倒するほどのものがありますが、かなりの樹齢があることで、とても均質で、性格が良く、枯れていることでの加工のしやすさという意味ですね。
ご覧のように甲板は1枚板を使用しています。
帆立(側板)の鏡板なども含め、すべて矧ぎの無い、1枚板で構成しています。
顧客は器のコレクターの女性でしたが、いくつかのプランを提案させていただいた中でも、もっともシンプルなデザインになりました。
抽斗の最上部は少し薄いものになっていますが、これはシルバーなどの収納にするためのもので、細かくパーテーションを仕切ってあります。
このように、特注家具の場合では、顧客のご要望に合わせ、設計し、また何度も打ち合わせを積み重ね、複数のプランから絞り上げ、あるいはブラッシュアップさせ、よりよいデザイン、設計を実現させるようにしています。
寸法 | 1,050w 475d 1,070h |
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材種 | ミズメ樺 |
仕上げ | オイルフィニッシュ |
価格 |