風格のあるデザインと構成の洋服箪笥です。
スパニッシュ風の趣を持っていますね。
わずかにテリをもたせた重厚な柱と、鎧戸のような扉で構成されます。
材種はミズナラですが、板目の扉の木理もミズナラならではの重厚さで趣があります。
この扉はそれぞれ本核(ホンザネ)で繋がれた2枚の無垢板で構成されています。
キャビネットの扉の構成、意匠も様々ですが、多くの場合、框組みと言われる四方に額縁様のものを巡らせ、その中に無垢板、あるいは合板などを嵌め込むという構成です。
今回のこのワードローブの場合、あえてこの框組を用いず、シンプルに板だけで構成させています。
ただ無垢材の板だけでは反ったり、季節によっては痩せたり膨らんだりしますので、この無垢材固有の問題を解決してやらねばなりません。
このワードローブでは、片側2枚の板をホンザネで合わせ、これを上、中、下3カ所の腕木様の吸い付き桟で反り止めと、伸縮を抑え、1枚の扉として構成しています。
また、この上、中、下3カ所の腕木は本体にそのまま丁番として機能させるという離れ技を演じていることも大きな特徴になります。
さらに、中央の腕木はこれを削り出すことでハンドルをも兼ねさせています。
本体側の丁番はローズウッドを用い、アクセントカラーとなっています。
(この腕木の機能性の部分、文章での表現は難しいものですが、左画像のディテールの通りです)
かなり特異な機能性を持たせた腕木ですが、全体のフォルムにトータルとして巧く納まったと思います。
内部は左右2分割し、ロングコートの高さと、一方はジャケット用として2段にパイプを設け収容力を確保しています。
同デザインにて内部の特注も可能です。(ロッカー、書類棚など)
材種はミズナラを用いることで構造的、視覚的に重厚にし、
塗装は阿仙で淡く着色後、オイルフィニッシュです。
寸法 | 1.100w 600d 2.000h |
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材種 | ミズナラ |
仕上げ | オイルフィニッシュ 阿仙着色 |
価格 | ¥780,000(税別) |