工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ウオールナット テーブル の制作


何やら1本屹立していますが、これはテーブルの脚になる部品。
数日前からウォールナットのテーブル制作を開始しました。
制作の経緯でも写真付きで記述するのも一興と思い立ち、デジカメ片手に工房に入ってます。
写真にもあるように、脚部のデザインはややテリ脚になっていますが、同時にまた傾斜していることが見て取れます。
これは「四方転び」という独特な脚部の構造を示すものです。
長手、妻手、両方向に傾斜させています(この場合は同じく 4°)
「四方転び」は構造力学的にも、視覚的にも構造上、安定感をもたらしますので、ボクは良く用いる手法です。


テーブルのデザインを考えるとき、その用途を突き詰めると、天板さえあれば十分なものですので、脚など天板を支えられればそれでよい、ということにもなります。
しかしブラックウォールナットという材種を用い、畳1枚ほどもある天板を支えるためには、それにふさわしい構造と、デザインが要求されます。
三寸角(≒90mm)の角材から四方転びにカットし、テリ脚に削りだす今回の設計も、この要求に適合させたデザインを追求することへ向けての第一歩なのです。
以前、同業の仲間から、ボクの仕事への評価として、「ウォールナットをこんな厚めに製材してやるなんて、とてもできない・・」と、うらやましがってましたが、確かに木材流通を見れば、ブラックウォールナットのこのような材木の入手は困難でしょう。
これは自分で原木丸太を求め、製材、乾燥管理、という一貫した材料管理がなければできることではないのです。
材木の在庫を持つことにともなう様々なリスクを回避し、その都度材木屋に供給させるという「ビジネス」的木工では、良い仕事を求めることは困難であるかもしれません。
件の同業者の仕事を見ますと、テーブルの脚の部分が薄い板を張り付けて厚く見せているのでした。

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  • オフイスチェアーの脚部のキャスター付きの 座面から下の部品の 検索をしていたところ たまたま このページをみつけ
    読み魅されて 最後まで見てしまいました 何とか 木製で制作してもらえないでしょうか 座面の 取付ボルト穴位置はW 345 D 370 程の位置です座の部分には 昔のマセラッティの車のシートをつけたいのです  ネットで レカロ ジャパン社の通販のページを見てみてもらえば 理解してもらえるとと思います イスの高さ調整はシリンダーが必要ですが 後は 木製で
    出来るはずですが 如何でしょうか 追って またご連絡しますので ご検討してもらえますか 今は私の昔13年ほど前の車のシートを利用してはじめての 試作を計画しているところですが 金属製の脚では 他にも作っていますが 私が考える雰囲気が
    感じないのです 気に入った古い高級車 フェラーリやアストンマーチン マセラッティ などのシートを利用してレストアし脚部は木製で仕上げて見たいのです  回転イスは アンティークで木製で有りますから 貴殿にお願い出来たらと 突然ですが
    メールいたしました。一度ご検討してご返事下さい。
    お願い致します 携帯090 3208 0039
    メール 他のAD porco@porco.jp でも(仕事用のADです)OKです。とにかく返信を お待ちしてます。

  • 長谷川忠雄さん、アクセスありがとうございます。
    マセラッティが愛車だったのですか。すごすぎ。
    私と共通するのはレカロシートというところだけ(苦笑)
    3年前に手放した車のシートがレカロでした(国産車ですが)
    ま、ボクのことはともかくシートの脚部を作れと言うお話しですね。
    フム 。アイアン製では気に入らない。
    私の作る椅子の中では次のものが回転事務机になりますが逆ですね(つまり木とアイアン部分が逆)。
    http://www.koubou-yuh.com/gallery/chair15.bw.kaitenisu.html
    さてどうしたものか、と考えているところですが、
    まずもう少し詳しくお話しを伺うところから始めましょうか。
    明日お電話しましょう。

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