コートスタンド Woodpecker



工房には自作の家具を展示するギャラリーがあるのですが、これまで整備していなかったものの、遅ればせながら来客用のコートスタンドを作りました。
来客の構成は当然にも様々ですので、必要とされるコートスタンドの容量も一様ではありませんが、ここではまず基本的な構成の3本マストのものを作ってみることに。
三本のマストをTipi(ティピ:北米先住民が移動の際用いたテント小屋) のように交叉させた形を基本に、それぞれに啄木鳥(キツツキ)様のフックを付加させました。
啄木鳥 様のものをフックに見立てたややポップなイメージになってしまいますが、工房 悠のラインナップに彩りを与えてくれる、かな 😅
したがって、フックはそれぞれのマスト頂部と、キツツキのフック、合わせ 3×2=6個 です。
数名のコート、およびバッグなどに対応してくれるでしょう。
デザインと構成
このTipi型のスタイルはごくありふれたもので、シンプルな構成、デザインですが、3本のマストが交わる部分の仕口、および啄木鳥(Woodpecker)の取り付け部分の仕口などに独自のアイディアがあります。
・・・種明かしすれば、両方ともに〈アリ〉です。
ネット上でこの種Tipi型で検索掛けたところ、皆さん、3本マストの結合にはいろいろと苦労されておられるようで、意外とアリでの結合によるものは無いようなのですね。
詳しい仕口については次回に回しますが、アリ䙁を駆使することで、画像のようにスマートな納まりになります。
量産モノは、作り手では無くデザイナーが考案されているものと思われますが、もしかしたら〈アリ〉という優れた木工技法というものを知らないことから、3本マストの結合に苦労されておられるのかも知れませんね。
あるいは、Woodpecker の取り付け部分にフォーカスしますと、木ネジなど金具を一切用いず、かなりの重さがあるかも知れないバッグを支えるにふさわしい耐荷重性を持たせるには、やはりここでも〈アリ〉は有用というか、最適な仕口になってくるわけです。
仕様
- サイズ:1辺、420mmの正三角形のベース、高さは1,800mm
- 材種:ブラックチェリー
- 仕上げ:オイルフィニッシュ
今回で2025年の幕が閉じることになります。
1年間、ご購読ありがとうございました。
皆さま、佳い年をお迎え下さい。

木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。

阿部蔵之
2026-1-2(金) 10:27
キツツキフック」コツコツ
モチーフとして最高ですね。
穴明けましておめでトリ_近くのアカゲラの巣作り
一年毎に上階新規に営巣します。
春になると拙宅妻壁ネズコ板をつっつき迷惑トリ。
人家にちかより、青ゲラは、コンコンやります。
穴明けられた山桜は芯腐りで倒れマス。
追い払うべきか悩ましき習性です。画像別送
artisan
2026-1-3(土) 23:20
深い森のしじまの中で、遠くから 近くから、響き渡る コン、コ〜ン、コン!
そんなイメージを喚起できれば良いのですが。
意外と…、嘴で突つかれ、幹に開けられた穴がポイントだったかも知れません。
嘴部分、幹への結合部分より10mm近く長くしてしまった結果に過ぎないのですが…
artisan
2026-1-4(日) 10:58
この画像は阿部藏之氏からのものです。
巣作りに精を出したのは、アカゲラだそうです。
kurayuki Abe
2026-1-4(日) 11:32
コンコン
エスプリの効いた彫刻的新作お見事
ウイット・エスプリ・ユーモア作品を「ウエパユ」長屋にいれませう。
初めて日本の家具・調度に魅力的なカテゴリーが増えます。
外国では、まだないかも?
因みに、國政流相伝では、「あり口」吸い付きですが、緊結ジョイント構造は「契り」です。蟻は隠れる、見せない。
コツコツ
abe
artisan
2026-1-5(月) 08:29
確かに、米国の木工デザインブックなどには、可愛い動物をあしらったポップ調の家具であったり、ファンキーなイメージで、かつ優れた品質の木工品も多く見掛けることがあります。
創作上、自由な発想が求められるのは大切だということが分かります。
ただ一方、取って付けたようなものであればキッチュなものに陥りかねず、そこは注意せねばいけません。
今回はフックを増強するにあたって、樹木の幹から伸びる枝状のものをフックとするものは一般に良く見掛けるのですが、それでは余りにありきたりで、何が良いかと考えたあげくのWoodpecker
ただこれをどのように幹に結合させるのか、悩まされたのは言うまでもありません。
(次回、少し詳しく書く予定です)
〈アリ〉と〈チキリ〉ですが、
これも次回お話ししますが、3本マストの結合部はかなりの長さ(130mmほど)でアリを切り、ここに雇い核(サネ)に吸い付ける構造になっています。
構造的にはチキリ的な機能を持たせたものですが、実態としては雇い核との関係性、その距離の長さから〈アリ〉と呼称しています。
また、このアリ部分は外には見せていません。
〈チキリ〉の機能を、一定の長さ(深さ?)で、〈アリ〉に切った雇い核で吸い付かせている、という結合法。
一般に〈チキリ〉は部材の厚み方向に溝を掘りますが、ここでは吸い付き桟様にマスト、幹の長さ方向にアリ溝を切っています。
ここでは名称を弁別させることは難しいかもしれませんね。
それぞれを良く理解し、実践の場で積極的に有効活用することが大切かと。
また一方、Woodpecker の結合部はマストの幹部分に寄せ蟻状の溝を切り、ここにアリを切った(正しくはダブテールという商品ですが…)Woodpecker 腹部を寄せ、アリ溝に結合させています。
阿部蔵之
2026-1-5(月) 11:36
指物技法「契」ちぎり_別字では「衽」「千切」と書く版本が現れ、「榺」(縦糸巻きの形)の当字もあります。嘗ては、「契り」は、「楔」と異形同語 …織物の「ちきり」を混用してる「千切り」は、結び繋ぎの意味がない。紙をちぎったり、千切り大根ではないの_コトバを漢字にした誤字が使われているようです。
「契りを結ぶ」は千切りではバラバラにされ_料理人用語_間違いは親方筋を語ります。いずれ「き」に濁点をつけりゃ同じだとい言い出しかねませんね。abe