工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ウォールナットのサイドテーブル 完成形

ブラックウォールナットのサイドテーブル
ブラックウォールナットのサイドテーブル

その後、課題だった改修も他の業務に煩わされ遅延していましたが、何とか仕上げました。

支柱の傾斜角は6度から2度に改修
新たに作り直しです。

支柱の傾斜を2度に直したわけですが、支柱そのものも外側を2度のテーパーでシェイプしていますので、外側は実質4度の傾斜に。
まぁ、中心部で換算しますと、約3度といったところですね。

求められる耐荷重を確保する剛性からも、また視覚的にも、この程度が適切なところかなと…。

重い〈広辞苑〉を置き。耐荷重確認
重い〈広辞苑〉を置き。耐荷重確認

広辞苑を置いてみましたが、この程度の荷重ではまったく問題無さそうです。

テーブルトップと支柱の納まり部分に加え、補助的なステーが効いているようです。

この支柱へのテーブルトップの納まり部分ですが、
前回はテーブルトップ厚み分をそのままカッターで欠き取っていましたが、
あれは良くありません。
必要な部分のみを欠き取るという納まりで無ければ、安易に過ぎ、キャリアが泣きます (v_v)

制作のポイント

この支柱とテーブルトップの納まり部分の加工について、少し詳しく…。
テーブルトップの木端面の傾斜に合わせた型板を作り、ハンドルーターに6mmのビットを装着し切除。

下図の白色の部分がそれ。
なお、黄色はステ−が納まる寄せ蟻の枘です。
(支柱全体の画像から切り取ったもので、解像度がメッチャ低く、汚い画像でゴメンナサイ)

テーブルトップ 納まり部位 + ステー納まり、寄せ蟻
テーブルトップ 納まり部位 + ステー納まり、寄せ蟻
テーブルトップ、支柱への納まり
テーブルトップ、支柱への納まり

これっ、以前もどこかで話しましたが、ビットが6mmですので、隅丸は必然的に3Rになります。
テーブルトップの木端面、上下を3Rで面取りすることで、微調整不要のまま、隅丸部分にピタリと綺麗に納まることになります。

そうした相関関係があることから、型板の隅にRラインは無用で、鋭角に切りっぱなしで構わないと言うことになります。

以下、画像で説明します。(クリック拡大してご覧ください)

もし隅丸を6Rにしたいのであれば、12Φのルータービットを用い切削すれば、ジャスフィットするということです。
つまり、ルーターでの段欠き加工では、基本的にはどのような径のビットでも対応可能ですが、このように、隅丸を考慮した径の選択をすることで型板作成も よりイージーになりますし、結果、補助的な手加工など無用で、スピーディ、かつ美麗に納まるというお話です。

この種の“納まり“をどう美しく設計し、スマートに加工するのかといったあたりは、木工でもキモにあたる大事な考え方の1つでしょうね。

鉋イラスト

カマボコ面 カッター

因みに、右図がカマボコ面のカッター(今回は右から2つめ)。
既製品では無く、刃物屋に依頼しオリジナルで作っています。
ご覧のように数種のRに対応するべく多種用意しています。

大きなものではハンドルーターで使うのは作業安全性から問題があるでしょう。
因みに最右のカッターは16Φで、このSizeのチャックが使えるピンルーター専用(残りは全て12Φ)。

おしゃぶり結合の馬蹄形のズリ脚は断面が無段階に変化する形状で、ここに施される面は先端のカマボコ面から、大きなR面へと変化。

この加工はピンルーターでは無理ですので、ルーターを上下逆にセットした、いわゆるルーターテーブルで行うことで、イージーで、高精度、安全に加工できます。

鉋イラスト

画像はオイルフィニッシュ後のものですが、天然乾燥材のブラックウォールナットですので、見事にチョコレートブラウンの色調が映えていますね。

hr

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • 支柱ヘッドが寂しいので
    未だいじくるだろうと楽器ネックをイメージいたします。

    夲膳のようにテーブル縁むくりをつけると
    手間はかっかりますが完成度が上がる、コストは跳ね上がり
    支柱袖周りが構造加飾を引き連れ造形的に膨らみ
    既存概念を覆す唐木細工ホゾカンティレバー構造 
    家具構造に新規軸を生み出します。

    日本木工が高みへ上がる手仕事の試みと見え
    切り貼りでは梨えない堅木習熟を感じました。

    • Abeさん、コメントありがとうごいます。

      >支柱ヘッドが寂しい。
      ま、確かに…。
      ここはテーブルトップの納まりの仕口に絡むところで、
      それだけであれば、もっと短くできるところですが、
      移動の際の手掛け的な意味合いもあるところから、70mmほど延伸させています。
      この延伸、確かに評価は分かれるところかも。

      >日本木工が高みへ上がる手仕事の試み
      いえいえ、この種の納まりは必要に応じ、よく用いるもので、
      私にとってはごく一般的な仕口です。

      記事には書いていませんが、ズリ脚中央部への支柱の建て方も同じですね。
      ここも傾斜させていますが、カッターを2度に傾斜させ、
      支柱対象個所に「抱き合わせ枘?」の欠き取りをするだけです。

      木工に限らずでしょうが、あえて難しい仕口にせず、
      基本的な加工技法の拡張、応用で対応させる方が、
      作業性(手離れ)からも、成功率からも賢明なんだろうと思います。

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