工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

座卓 2例(その2:栓 拭漆の座卓)

拭漆 栓 座卓

栓の一枚板の座卓です。

これは私が調達した材。
900×1,800mm、厚さも70mmほどのもの。
中杢の綺麗な板でした。

脚部は既に公式Webサイトに納めてある、〈楢の拭漆座卓〉と同じ意匠としました。

昨年の栗のデスクも含め、大きなボリュームでの制作依頼は、星の数ほどあるインターネット上のこの楢の拭漆座卓を発見していただいたことがきっかけだったそうで、我が工房へと来訪いただき、他の家具等もご覧になり、結果、いくつもの契約に至ったという経緯でした。

その切っ掛けとなった座卓ですので、徒や疎かな制作態度で済ますわけにはいかず、それに見合う素材の探索から始まったものです。

栓の板
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座卓 2例(その1:栗のセンターテーブル)

栗のセンターテーブル

昨年末に納めた1m×3mという巨大な栗材1枚板のデスクですが、この板材は元々5m近くの長さがあり、設置場所の制約から3mに切り縮めたものでした。
その残りの切り落としで、センターテーブルを制作。

切り落としとは言っても1m×1m強 というボリュームがあり、栗材1枚板ということでの大きな価値を残していますからね。

この栗材の所有者の顧客にいくつかのPlanを提示した結果、意匠は画像のようなものに。

以下、意匠、構造、制作工程などを記述していきます。

天板

正四角形材から、四辺を太鼓様に張らせ、なだらかな円弧状にカット。
隅切りを大きくしてあるのは、脚部意匠に合わせたもの。

冒頭に記したとおり、この材は1×5mの栗材からの〈落とし〉で、残念ながら木口割れが長さの半分近くまで及んでおり、どうしたものかと思案させられたものですが、施主の希望もあり、割れは同じ栗材で埋め、裏側に割れ止めのチキリを数カ所施すことに。(画像2枚)

栗材の天板(表側)
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コロナ禍と私たち(この世界をどう生き延びるか)2

06/21に投稿した記事があまりに長いため、後段を新たなページとして再構成し、また新たに「コロナ禍の時代における国家と市民の関係性」に関する増強など、加筆しています(06/24)

日本国内での新型コロナ対応を振り返る

4月7日に発出された「緊急事態宣言」は5月25日に解除され、その後出された「東京アラート」発令も先週11日に解除。今、日本社会は徐々に長い眠りから目覚め、再起動しつつあるかのよう。

しかしこれは果たして公衆衛生学的な価値判断、疫学的な知見から判断されたものなのだろうか。

いや、決してそんな科学的なものでは無いことは、日々公開される感染者数の推移、その時点での感染の脅威を表す「実効再生産数」等のグラフを見れば一目瞭然。

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図は〈東京新聞〉(06/16朝刊掲載)の感染者数のグラフ、および、〈東洋経済新聞社〉が公開している「新型コロナウイルス国内感染の状況」のページに掲載しているものだ。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 58c5cf1b8971ce5ccbaaa4628a085d6b-520x388.png です

日本の「緊急事態宣言」は言われるところの「ロックダウン」(都市封鎖)的な法的強制力を持たず、政府、および自治体からの「要請」にもとづく「自主」的な規制でしか無いという特徴を持つものだが、しかし日本人の心性、および地域共同体の特異な「ムラ」意識という特徴から読み解けば「自主」とはいえ、極めて強いとされる「同調圧力」が効果を発揮し、過剰な抑制が効くと言えるもののようだ。

同時にそれは国家的規制であれば「規制」とセットとなった「補償」が前提となるところ、「要請」に基づくという妙から、そこには「補償」は前提にされないというエクスキューズが内在する。

「要請」による営業「自粛」であることで、当初は何らの補償Planも提示されず、恐々と暖簾を下ろし、営業取りやめに追いやられ、あまりの長期の休業となることで経済的逼迫の余りにやむなく廃業の判断に追いやられる人もいたようだし、途中から補助金や助成金、融資などの支援制度が起ち上がってきたものの、申請しても待てど暮らせど届かないという叫び声があちこちから聞こえてくる始末。

ベルリン在住の日本人の演奏家の事例がニュースになっていた。彼女は申請書を送り届けた数日後には20万円が口座に入っており、暫くは毎月入金されると笑顔で話していた。

およそ、日本政府の場合、コロナ対策の担当大臣は西村康稔という経済担当閣僚の兼任であることに象徴されるように、疫学などとは全く無縁の、いや真逆のイケイケドンドンの大臣がやってるわけで、「人の命より経済!」というのが基本姿勢であることが透けて見える。この不誠実でやる気の無さというのは、そもそもの安倍政権のコロナ対策への腰の引けた戦略から当然なのかもしれない。

また一方、疫学専門家の少なく無い方々から、この「緊急事態宣言」の発出は発するには遅きに過ぎたとの反省も多いのだそうだ。(前回記事冒頭のグラフ参照)つまり「緊急事態宣言」を4月7日より1週間、2週間ほど早く、例えば3月24日、2020東京五輪の1年ほどの延期発表直後の感染者数の著しい増大の頃に発せられていれば、感染拡大に至ることなく推移していたのでは無いかという疑念だ。(朝日「緊急事態宣言「もっと早めなら…」 専門家会議の舘田氏」

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コロナ禍と私たち(この世界をどう生き延びるか)

全国の感染者の推移と主な出来事(朝日別刷り06/21)

4月7日に発出された「緊急事態宣言」は5月25日に解除され、その後に出された「東京アラート」も先週11日に解除。
今、日本社会は徐々に長い眠りから目覚め、再起動しつつあるかのよう……。

私はと言えば自身の工房に籠もり、日々木と対話し、淡々と木工に勤しむ、そのおかれた環境というものはコロナ禍に席巻されている世界の状況を考えれば、とても贅沢で恵まれたものだという自覚も芽生えつつあるところがだが、今日は私自身の新型コロナウイルス(Covid-19)を迎え撃つ中間的な総括として記述してみたい。
やや長い記述となるが、お付き合いいただければありがたく思う。

木工房的生き方の贅沢さを噛みしめ…

工房に籠もり木工に勤しむという恵まれた環境というのは、数ある職業の中では確かに稀少な事例だろう。

ホワイトカラーの会社員は職場での事務作業はソーシャルディスタンスが取れないといったことから感染リスクの高い職場から抜け出、妻子が待つ自宅に籠もり、zoom を起ち上げ、リモートワークに精を出す。
…、かといって家事をするわけでも無く、家人は「夫は元気で留守が良い……」状況から何らの心の準備も無くいきなりの転換を突きつけられ、揚げくストレスを高じさせる…。

スーパーマーケットはこのところいつも賑わっているが、ペラペラのビニールの遮蔽膜で覆われたレジボックスで、これまた慣れないゴム手袋を着けさせられレジ打ちする女性たちの感染リスクはさぞ高いのではないだろうかと本当に心配になる。

先日はその事を伝えようとレジ打ち女性に話しかけたのだが、妻に「かえってあんたの方が感染リスク高めてるじゃん」と戒められる始末 ^^;

私はあまり縁が無いが、街中の裏通りにあるスナック、キャバレーやクラブ、バー、といった接客を伴う店は軒並みシャットダウンさせられ、当然にも収入は断たれ、オーナーはスタッフの給料、月々の家賃の捻出に頭を悩まし、中にはいつ夜逃げするか、とばかりに電卓片手に苦悩に沈む人もいるだろう。

これではとても生活できないとばかりに、こっそりシャッターを開け、酔客を招き入れる店舗オーナーもいるに違いないが、今の日本社会はそれを許さない。
たちまち後ろ指さされ、張り紙され、ネットでバラされれば、全国から酷い言葉が投げつけら、やがては閉店に追いやられていく。

また一方では医療従事者を励まそうと決められた時刻になれば一斉に拍手をする姿や、ゴミ袋を上手に加工して防護服を作ったり、3Dプロンターでフェイスガードを作ったりと、医療従事者を感涙で顔を濡らすという奇特な人もいるようだ。

こうしてコロナ禍は日本社会の深層にある倫理性、公共概念というものをゆっさゆっさと揺さぶっているのだが、その狭間からは様々な相貌が見え、人間世界のいくつもの断章が展開され、なかなか興味深いものがある。

ウイルスは人を選ばず、人がいるところであれば場所を選ばず、均しく誰もが罹患する状況下にあるとはいえ、私のように木と対話することで仕事は回り、他者との過度な接触を必要としない者と、上述のような人々とは明らかに対Covid-19ウイルスにおいて次元の異なる生存様式と言われかねず、そこは深く自覚し、他者への想像力を失ってはいけないのだろうと戒める今日この頃である。

メメント モリ

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〈緊急事態宣言〉下の自宅軟禁の甘受と抗い・・・

私の日常はこの〈緊急事態宣言〉下においても大きく変わることはありません。
個人の顧客からの注文に応じ、淡々と制作活動に勤しむ毎日。

世間はテレワークとかで、会社業務を自宅に持ち込み、休校を強いられた子供がはしゃぐ隣で慣れないPC作業にストレスを高じさせている人も多いのかも知れません。

会社が引ければ同僚と縄のれんを潜る密かな楽しみも奪われ、その腹いせにPCを畳み、やけ酒を呷るに至り、やがては家人の眼を曇らせ家庭不和に陥ることもあるかもしれません。
普段では起きないだろうことも、この〈緊急事態宣言〉下では意識下における関係性のリアルな姿を無情にも浮かび上がらせ心をざわつかせることにも。

さて私の工房は自宅と同一の建物であり、生活そのものもいわゆる工房的生活と言うべきもの。こうしてMacとBluetoothで繋がれたキーボードを打っているのも、工房2階にあるショールームの一角。
作業着に着替え、階段を降りれば直ぐにも作業に取りかかれます。

朝、勤め人が出社しようとすれば「お隣、テレワークもせずに仕事に出掛けちゃうんだ、みんな自宅に籠もってがんばってるというのに…」などと指さされることも無く仕事に勤しめるというのは、今の「自粛」状況下では確かに恵まれた環境と言えるでしょう。

仕事内容も個人からの家具制作依頼が大半であり、今のところは以前と変わらぬ制作スタイルを取っています。

家具工房と言っても様々で、設計事務所からの制作依頼だったり、家具メーカーの下請けだったりというところも多いでしょうから、そうしたところは、何某か、このコロナ時代の余波を受け、仕事も少なくなっているところもあるでしょうね。


このコロナ感染拡大、いつ収束するのかは誰にも分からない。
数日前の外報では韓国では感染者の新たな発生がゼロになったと、医療従事者がはしゃぐ姿が配信されたり、すさまじい規模での感染爆発のシャワーを浴びせられた欧米でも、各国その態様は様々ながらも、恐々ではあるが、徐々に経済活動を再開させようとする動きも見えてきています。

ただ日本では〈緊急事態宣言〉真只中で、この大型連休最後の6日に終わるはずの期日も、全国規模で1月延長されることが決定されているようで、この状態がいつになったら解けるのか、先は全く見えないようです。

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COVID-19による美術館閉鎖を憂う

はじめに

COVID-19感染拡大はひたひたと自分の身にも襲いかかってくる気配に怯え…。
と言うのは半分は本当ですが、実態としてはいたって平然と仕事に専念する日々だ。

当たり前だ。自宅兼作業場であれば無用に外に出る必要もなく、他者とのコンタクトはとても稀。

その稀だが、先週から歯科に通い始めてる。
奥歯のブリッジが取れ、治療が必要となったからで、歯石除去含めつごう3度の通院で事済むものだが、大口開け、ドクターと歯科衛生技師に至近距離で濃厚対面するのだから、多少の怖さはあるわな。

あるいは、数少ない趣味の1つが映画で、これには困った。
会員となっている単館上映ものばかりが掛かるお気に入りの映画館だが、開館しているらしいのだが、大勢の客のいる密室の閉鎖空間で2時間余を過ごすのは、前期高齢者+喘息持ちの私には蛮勇を奮わねば立ち向かえないということになる。

例えマスクを装着していたとしても、喘息持ちの症状から突然咳き込むことは避けがたく、これはただちにCovid-19罹患者ではないかと疑いの視線が集中しても無理が無いご時世だからね。

蛮勇を奮えない弱虫、ということだけならば影で笑われるだけで済むが、このCOVID-19を対象とした話しとなれば、まかりまちがって感染させられたとすれば、数日後にはたちまち周囲への感染源になり得るというやっかいさが纏わり付いてくるからね。本当に困ったものだ。

こうして趣味の欲望を抑制させられてはいるものの、業務上は(今のところ)何ら影響下には無いので、他者とのコンタクトが極小で済むという職業選択におけるありがたさをあらためて感じ入っているところだ(大げさな物言いですが…😬)

さて、映画はともかくも、困ったことがあった。
3月初旬、上京しての2つの美術工芸の観覧を予定していたのだが、この2つともがCOVID-19感染拡大を受けての予防措置として「閉館」となり、大変落胆させられた。

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〈超仕上鉋盤〉のリフレッシュ

COVID-19 、いずれ私も罹患するのかしら?

COVID-19 パンデミック状況に(日本社会はそこまでには至ってないと思っていますが・・・)翻弄され気味の皆さん、大丈夫でしょうか。

日本では、政府の専門家会議が2月24日に「ここ1、2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」などと見解を示し、その後、これらを根拠として小中高の一斉休校の要請に踏み切った(それ自体は専門家の意見が反映したものじゃなく、今井尚哉補佐官と安倍首相の二人だけで決めたそうですが)のでしたが、既に間もなく3週間になろうとしているのに、梯子外されたかのように、学校関係者などの困惑は収まる様子はありませんね。

独のメルケル首相は、このCOVID-19の感染状況のパースペグティヴを考えたとき、国民の6〜7割は感染するのではと語ったそうです。そして今後2年間ほど感染期が続き、この6〜7割が感染することで、それとともに抗体、免疫を獲得し、やがて終息に向かう、そうした感染学的、疫学的なシナリオからの所見のようです。

私などはフムフムと首肯しちゃいましたわ。

今夕の首相の記者会見は、クルーズ船 横浜港接岸以降の日本政府の水際作戦の失態などへの反省から始まるかと思いきや、他国と較べ感染者の増加がいかに少ないか、などとする自画自賛に重きがおかれ、緊急時にふさわしい経済テコ入れなどもこれといった新奇性のある具体的な方策が示されることも無く、2020東京五輪の開催、成功へ向けワンチームで頑張ろう、などと我慢と決意の押し売りばかりが目に付くもので、頭を抱えるばかりでした。

しかし、TVの向こうにいる国民に語るというより、プロンプターに向かってただ官僚作成のペーパーの棒読みに終始というのは、ちょっとバカにされてる気がしませんか?

肝っ玉姐・メルケルの2年越しという照準の長さと、安倍首相の2週間という時間軸の余りの違い。どう思われます?
・・・COVID-19という公衆衛生の分野における人の命に直結する問題であるにも関わらず、何にもまして2020東京五輪の開催の可否が全てを規定付けていると考えれば、この安倍首相のスタンス、力点の於かれ処も腑に落ちます。

前振りはここまでで、今日も木工のお話。

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3.11東日本大震災から9年

Jヴィレッジ近傍での住民らの抗議活動(AFPBBからお借りしました。謝謝!)

COVID-19(新型コロナウィルス)に翻弄される日本社会と世界

世界は今、COVID-19(新型コロナウイルス)の猛威を前に震え上がっている。

エチオピアでの公衆衛生担当として大きな実績を引っさげての事務局長就任となったWHO(世界保健機関)テドロス事務局長。
私の印象としては信頼を託するるにふさわしい人物と観たのですが、このテドロス事務局長は9日、「パンデミック(世界的な大流行)の脅威が非常に現実味を帯びてきた」と警鐘を鳴らす事態となっています。

中国湖北省武漢市で発生したCOVID-19ですが、世界いたるところで勢いを増しており、感染者数は11万3千人を超え、死者は約4000人に達したとのこと(日本時間10日早朝時点)。

日本ではクルーズ船の横浜港接岸以降、船内感染から「市中感染」への疑いを孕みつつ蔓延しているようで、メディアは連日Topニュースで新たな感染者を伝えるという状況。

その感染者数は1,000人を越え、死者も14名と、政府が先月24日「ここ1〜2週間が山場」と語った時期を越えた今も、未だ衰えを知らない勢い。

これへの安倍政権の対応はPCR検査の強い抑制措置(感染疑いのある患者であっても検査してもらえない)であったり、「市中感染」の疑いが濃厚になってきていた2月下旬段階での今さらながらの「水際作戦」とされる小中高の一斉休校、さらには「緊急事態法」発令など、もうその発令時期、効果のほど、政治経済的判断の賢明さなどから考えれば、全てがチグハグ、ハチャメチャ・・・。

イラン、イタリアなど、日本以上にCOVID-19が蔓延している国をよそに、中韓2ヶ国のみを対象とした入国制限の一連の措置(2週間の待機と公共交通機関の利用自粛、ビザ効力停止など)ですが、安倍首相取り巻きのネトウヨからの強い進言に促されての生来の排外主義による規制など、実に恥ずかしく、おぞましく、醜い対応に終始。
しかも口では「先手 先手」と言うものの、目に見えて著しく「後手 後手」。

専門家の科学的所見など無関係に「政治判断」なる歪んだ独善性で日本列島をCOVID-19感染列島へと追いやり、リーマンショック以上の経済的疲弊と社会的混乱を促すかのような指令の数々。

よく分かりませんが、【2020東京五輪】を何としても開催させることを至上命題とするところからの「政治判断」とも言われている。(IOC(+WHO)のメッセージなどからは開催可否を5月末頃に判断するとされ、現時点では何とも分かりませんが、IOCは無観客試合を前提とした場合の諸方面の影響を検討中との報道もあるものの(NYT)、開催間際まで決断を躊躇し、関係諸方面で傷を深める結果になるより、この際いち早く中止しちゃうのが最善なのでは思ったりします)

日本社会と人々はCOVID-19からの脅威もさることながら、この安倍政権による地金丸出しの「無秩序」な対策により翻弄され、疲弊し、先が見えない状況に陥りつつ、安倍晋三を宰相として神輿に担いだ有権者の一人としての悲哀を覚える昨今ですが、皆さま いかがお過ごしでしょうか。

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ワークベンチ(欧州型の作業台)

ワークベンチ
依頼者のViolinメーカー 中山 雄太さんによる撮影(感謝 !)

スカンジナヴィアンタイプ ワークベンチの制作です。

私も同種のワークベンチを使っていますし、公式サイトの方には、やや詳しい記述で紹介しています。

これまでも数度、このワークベンチ制作依頼があったのでしたが断ってきました。
制作の難易度からのネガティヴな応答であったことは否定できませんが、それより何よりも木工職人からの制作依頼に唯々諾々と応ずるのは、果たして・・・、という考えにとらわれていたのが主たる理由。

ご自身で作るのが最善では無いですか?と、丁重にお断りしてきたのでした。
無論、その際には求められるだけ、資料の提示、制作の勘所などはお伝えしておきました。

ただ今回請けたのは、プロのバイオリンメーカー(Violin制作工房)からの依頼であったからです。

バイオリンの制作環境では高品質なワークベンチの活用は必須です。
しかし、彼らの制作現場ではワークベンチを制作するような機械設備もスペースもありません。

たぶんその多くはショーベリ(Sjobergs)などの既製品を使っているのではと思われます。

また今回の依頼者はプロのバイオリンメーカーとして本格始動する若い人でしたし、その志しにエールを送る意味も含め、重い腰を上げることになったという次第。

スカンジナヴィアンのワークベンチ

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「人は愛するに足り、まごころは信じるに足る」中村哲

COVID-19(新型コロナウイルス)感染「問題」は安倍首相による「小中高の一斉休校要請」でピークの針が振り切られんばかりの昨今、不安と怒りと困惑ないまぜで木工どころでは無くなってる同輩もおられるのでは。
皆さまの安寧と健康を心から願うばかりです。

かく言う私は20年ほど前から喘息持ちの身でありかつ高齢者という条件も加わり、罹患高リスクの男。
…ではあるのですが、この喧噪からは一歩も二歩も身を引き、至って冷静に事の推移を見据えているといった風。
世話になっている呼吸器科の主治医からは毎年初冬には「インフルエンザワクチンを優先して接種させてあげるから…」とのありがたい警句にも耳を貸すことなく、ノンシャランと過ごしつも、至って健康なのです。・・・すみません。

さて今日の投稿はそうした世事からはちょっと離れます。

30代半ばからの木工職人としての長きにわたる人生。齢70を越え、身体の衰えを自覚せぬまま木工人生はこれからも続いていく、たぶん。

昨年末は土日返上、連日、暦が変わる時間まで働きづめという過酷な木工の日々だった。
眼光だけはギラギラと、しかし年越しの頃に計測した体重は4Kg減の値を示し慌てさせた。

師走の12月4日も前の日と同じように栗材に向かっていたが、ラジオからの臨時ニュースは張りつめた工房の空気を一瞬にして鋭く切り裂いた。

中村哲さん、凶弾に斃れる」との報。

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