工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ウォールナット テーブル 制作 その2

blogをはじめましたのでworkshop diary 的に、テーブル制作のプロセスを記述してみたいと思います。(断片的な内容になることはあらかじめお断りしておきます)
テーブル脚 ほぞ
【テーブル脚部】
ほぞ穴を穿ったところ。未だ成形する前なので、形状が見えてません。
ご覧のようにほぞ穴は2ブロックになっていますが、幅広の幕板(天板を支える板)を堅実に接合させるためには、このような配慮は重要なところ。
(2列のものが「2枚ほぞと称するのに対し、こちらは「重ねほぞ」と言うのでしょうか)


【幕板のほぞ加工途上】
テーブル 幕板
今回はテーブル2台分の加工なので、ほぞ加工作業はホゾ取り専門機械ではなく、汎用機の傾斜盤にて加工を進めています。

テーブル幕板ほぞ加工


3【ほぞの雄雌】
テーブルほぞ雌雄
「小根付き重ねほぞ」というのでしょうか。
脚部の太さが許される限り、できるだけ長めのほぞを入れなければなりません。
今回は貫を入れないので、その分、対ねじれ、対堅牢性を確保するためのほぞの強度が要求されます。


【脚部の成型プロセス、帯ノコでのカット】

テーブル Bandsaw加工

【脚部の成型プロセス、縦軸(「SHAPER」)での成形】
テーブル Shaper
国内でのシェアNo1と思われる「庄田」の「縦軸面取り盤」という機械での成型加工。型板に合わせ切削する倣い成型というやり方です。
この機械は所謂工房スタイルでの工場での保有率は少ないと思われます。
切削能力、切削精度の高さは圧倒的ですので、曲面作業の多い工房ではぜひ導入すべきでしょう。
写真の赤いカッターブロックは「カネフサ」のスパイラルカッターです100mm×100mm。スパイラル形状ですので、切削は軽く反動も少なくスグレモノ。
ライツ カッターブロック
同じ面取り盤に使用するライツ社のカッターブロック。この刃は替え刃式です。
ボクはピンルーターでもストレート刃の場合はほとんど替え刃を用いています。
刃はカーバイドチップ、超硬刃ですし、研磨と較べてもそのランニングコストは悪くない。それ以上に重要なこととして刃径が研磨と違い変わらないということです。倣い成型をする時にはとても重要な要素になります。
真四角の替え刃がありますが、これは毛引きの部分に用います。


【庄田、ルータークランプ】

庄田クランプ

以前、ある雑誌に取材された時の写真にこのクランプが写り込んでいて、数人の方から問い合わせを受けたことがあるので、簡単に紹介します。
これは機械メーカー「庄田鉄工」のものです。一般には国内では「カクタクランプ」というのが普及していますが、こちらの(庄田ルータークランプ)の方はヘッド部分が板状でとても薄く納まりますので、使い勝手ははるかに良く(ルーター、面取り盤など切削機構部分に接触させることなく、近接させることが可能)、クランプ力もとても高いものです。(大きさは大中小あり)
明日からは仕上げて組みますので、後日、upします。

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