工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

長谷川きよしのNewアルバム

40年。まだこれがベストではない。長谷川きよしライヴ・レコーディング。

♪ たとえ空が落ちて
地が裂け崩れても
ただおまえだけを愛する私
‥‥‥

二人目に取り上げる歌手は「長谷川きよし」。
新しいアルバムがここにある。
《40年。まだこれがベストではない。長谷川きよしライヴ・レコーディング》という長ったらしいタイトルが冠されているライブアルバムだ。
ライブとは言え、録音の状態も悪くはなく、きよし自身の体調、声の調子も良かったのか、とてもクォリティーの高いアルバムとして構成されている。
バックにはこのところ国内ツアーではいつも一緒と思われるフルートの「MAKI」と、パーカッションの仙道さおりの2人。
アルバム内容と、おまけに視聴も可能なサイトがこちら
曲目編成は見ての通り、オリジナルはもちろん、椎名林檎のものあり、平岡精二御大のものあり、永六輔/中村八大名曲あり、そしてシャンソンのいくつかの名曲ありと、何と14曲もの盛りだくさんのアルバムとなっている。
このライブの曲間で語っているように彼自身は「フォーク歌手」とカテゴライズされてしまうことには強い違和感を持っていて、あえて括るならシャンソン歌手でありたいと考えているようだ。
確かにでデビュー以来の活動場所は銀巴里というシャンソン酒場であったし、好ましく歌う唄もエディット・ピアフ、シャルル・アズナブールなどのナンバーだった。


ボクもかつて若い頃は。吉祥寺の曼荼羅、渋谷ジャンジャンでのライブに足繁く通ったものだが、その構成はオリジナルが1/3、シャンソンが1/3、他の国々にルーツを持つものが1/3、といったようなものであったように記憶している。
彼は本当に歌うのが好きで、まさに唄が人生そのもののよう。良い唄があれば、自分で訳し、あるいは原詞を忠実に歌うために言葉を学習するということにも努力を惜しまない人だ。
彼には穿った見方として排されるかも知れないが、視覚に障害を抱えていることによって、むしろ音楽、唄への純粋な感性が働き、ストレートに引きこまれていくのではないのだろうか。
同時にまた、’60年代後半から70年代に青春期を送ることで、あらゆる既成の価値観が揺さぶられるという転換期に、時代と社会というものへの批評精神が鍛えられることで、人の世にあって唄が持つ力への揺るぎない確信とともに、強い意志を持ち続けて来たのではないのだろうか。
今回のアルバムのシャンソンナンバーでは、それまでの著名な訳詞ではなく、自身の手でで新たに原詩に忠実に訳詞されることで新たな息吹を得、再び蘇るような思いで聴くことができると思う。
きよしのスパニッシュギターはいよいよ冴えわたり、これにMAKIのフルートがオブリガートのように絡みつき、ちょっと待ったと仙道さおりのカホンが躍動する。
つまらん国境などひょいと飛び越えて、唄の生まれ出る街角であればどこへでも飛翔していくことのできる異才と意志をもつすばらしい歌い手、それが長谷川きよし。
冒頭は長谷川きよし訳詞による「愛の賛歌」(一部)

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  • 裕さん本当に音楽のジャンルも広いですね。
    もう40年近く前になるでしょうか、《別れのサンバ》一生懸命練習しました。
    《黒の舟歌》もよく歌いました。
    《歩き続けて》も好きな曲です。
    当時和製ホセ・フェリシアーノってキャッチフレーズでしたよね。
    米子の小さなライブハウスで年末毎年のようにコンサートがあるのに、未だ一度も行っていません。
    今年こそはと思っているのですが。

  • pianさん、どうも‥‥、お元気なご様子。嬉しいですね。
    >音楽のジャンルも広い
    ははは、節操がない、というか、浅く広く‥‥、ですね。
    彼と同じ教育大付属盲学校の同級生が経営していた原宿の音楽パブにも、良くゲスト出演していて、取り上げていただいた曲を皆と一緒に歌ったものです。
    ぜひコンサートに足を運んでやってください。懐古趣味ではなく、今の瑞々しい長谷川きよしに出会えるはずです。
    http://kiyoshi-hasegawa.net/

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    海を見ながら長谷川さんの歌とギターを楽しむ!
    大磯「海の見えるホール」に長谷川きよしさんをお招きし、コンサートを開催いたします。
    海一望のホールに響く長谷川さんの歌声をお楽しみ下さい!
    皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます!!
    第2回海の見える音楽会「長谷川きよしコンサート」
    出演:長谷川きよし
    時間:09年3月1日 13:15開場/14:00開演
    会場:聖ステパノ学園「海の見えるホール」
       〒255-0003
       神奈川県中郡大磯町大磯868
    料金:前売 4000円
       当日 4500円
       ※全席自由 お茶菓子が付きます
    申し込み、詳細はこちら
    http://oisoconcert.seesaa.net/
    またそれに先立ちまして、2月7日(土)より大磯 エピナールにて
    長谷川きよし氏の8〜20歳までの記録をまとめたドキュメンタリー
    「若い心の詩」を上映いたします。
    「若い心の詩」上映会
    09年2月7日(土) 15:00〜15:55
    入場無料
    場所:エピナール
    〒259-0111 神奈川県中郡大磯町国府本郷1221
    TEL&FAX 0463(73)0948
    詳細はこちら
    http://oisoconcert.seesaa.net/article/112950532.html

  • ご案内ありがとうございます。
    会場にはちょっと距離がありますが、ボクも駆けつけようかな。

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