工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ミュージックスタンドと金具

家具の構成のなかで、機能金物というのも重要なパーツです。
一般に家具金物は専門業者で求めることになりますが、静岡は家具産地という地域性から製造メーカーもいくつもあり入手には恵まれていると言えます。
さらにうちの場合、ありがたいことには自転車でも数分のところにネジ専門問屋があります。
県内数カ所で事業展開している大きな会社です。ネジ、および関連周辺金具のほとんどを在庫しています。
問屋ですので大きなLotでの扱いが一般的で、小型ピックアップトラックを何台も所有して営業マンが東奔西走しています。
店内はいつも金具を選別して顧客に届けるためのパッケージ、伝票処理などで、喧噪と足早に動き回るスタッフで、大忙しの様子。
しかしボクなどは<六角ボルト 3/8 ユニクロ 75mm 5本 !>などと言っても、ちゃんと聞き届けてくれ何一ついやな顔せずにすぐ探し出して安価な価格で売ってくれます。


ここの従業員の男女構成比は6 : 4 ほどですが、こうした小Lotはほとんど女性が担当してくれます。商品知識も豊富で、数万点あろうとも思える在庫の中から的確に選び出してくれます。
今朝、5月の薫風を受けながら自転車で出かけ買い求めた金具は、ミュージックスタンドのためのもの。
以前から東京フィルハーモニーのある常任指揮者から依頼されていたものです。
この音楽家の夫人もバイオリニスト。
お二人からいろいろと難しい注文を受け、プレゼンしたものの、試作をせねばその使い勝手、フィーリングは分かりませんので、重い腰を上げて着手したところです。
上手くいけば定番にしたいアイテムです。
もし上手くいけばここでも紹介したいものです。
プロの音楽家の要望を満たしながら、端正に美しく…、と思うのですが、なかなか重量バランス、機能などの問題点を解決するには数度の試作が必要になりそうです。
こうした木工品では機能金物の選択は重要な要素になります。
ネジ専門問屋で、希望するほとんどのものが入手できましたが、1つ無かったのが真鍮素材の袋ナット。
現在では真鍮素材のものを入手することは年々困難になってきていますね。
ネジ屋で、めずらしい良いものがあったら(ほとんど棚の片隅にほこりをかぶってます)具体的用途に関係なく買ってしまいます。次にいつ出会えるかわかりませんからね。
最後にまたMacの話題で締めます。
文化庁の著作権関連Webサイトに用いられているイラストが、Macの「テキストエディット」(Winのメモ帳みたいなもの)というアプリのアイコンにそっくりという指摘がなされたという。(現在対象のサイトは閉鎖中)
そのページの写真を見たら、そっくりというよりも、全く同じものです。何なんだこれは。
文化庁とあろうものが、しかも著作権関連のページだというから、怒りを通り越して笑ってしまうしかないぜ。
いやこれは訪問者に典型的著作権違反を自ら示して喚起させているという手の込んだブラックユーモアなんですね、きっと。
(今日、委託先がApple社に謝罪したようです)
■ ITmedia NEWS(参照

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  • こんばんは、毎日欠かさず覗いてますよ。
    真鍮金具、私も好きですね。ついつい
    目が手が。めっきモノも多いけど
    無垢削りだしだと重量感が違います。
    やっぱ、小さな金属旋盤も欲しいですよ。
    で、来週新しい旋盤が我が家にやってきます。
    また詳細はブログに載せますのでお暇なときに
    覗いてくださいませ。

  • kentさん。ほう !  金属旋盤ですか。
    家具金物、受注してもらえますかね(笑)
    木と違って、回転数、バイトの形状、当て方、あらゆることが違ってくるでしょうから、初々しい気分に浸れるかも。
    ブログエントリー楽しみ !!

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