工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

2014年、新年にあたり・・・

新年が開けました。

1昨年、2012年の新年の挨拶では、とてもおめでとうと賀詞を述べる状況下には無かったわけですが、しかし、今年はどうでしょう。
果たして、めでたしの新年であるとは、私はとても言いがたいです。

むしろ、3.11以後の状況としては、いよいよ困難な状況に立ち入りつつあり、茫洋とした雲間の先には、危機的な喫水線が拡がっているように思えてなりません。

他でも無く、福一原発をめぐるただならぬ危機的状況が続いていることであり、未だに被災地、故郷から棄民され、流浪の日々を送る人々の姿であり、そして日本という国とアジア、さらには世界との関係に目を向ければ、戦後世界のパラダイムを根底から否定し、世界からの孤立を勇者の特権とばかりに勘違いし、唯我独尊で突っ走る我らが宰相の悪行の数々を見せつけられながらの年越しになってしまったことを指しています。

2014年、私たちはとても困難な日本社会を生きていくわけですが、そうした状況の中でさえ、人は日々の営々たる生活の中に小さな希望を見出し、明日を切り拓く歩みを止めること無く、生きることの歓びを見出し、他者との交歓を続け、それらから生きていく価値のすばらしさを子や孫に、生まれ来る全ての人に伝えていくことを止めないでしょう。

工房 悠は2014年、新たな歩みをスタートさせます。

これまで25年間、木工家具の制作環境としては不十分ながらも、それなりに充実した環境下で運営してきましたが、この制作のベースを変えます。
加え、この新たな制作ベースの2階にはギャラリースペース(ショールーム)を構えることにいたしました。

現在、居住部分がほぼ完成し、やや見切り発車的な強引さではありましたが、年末ギリギリに移転しました。
作業所、およびギャラリースペースはもう少し手を加えねばなりませんが、そう遠くないうちに稼働できるようになります。

時代状況がいかに困難であろうと、私たち市民は日々の生活に根を張り、腐ること無く、弛まず、手を携え、人々と共に歩を前に進めるのです。

12月の地元の個展において、訪ねてくださり、キャビネットを購入していただいた初見のお客曰く「あなたの作品には新しい試みを見出すことができ、それが嬉しいので、ぜひいただきたい・・・、厳しい経済環境の中、新しく工房を開くと聞き、応援もしたいし・・・」とのありがたい言葉。

モノ作りという生業に就く歓びはこうしたところにあります。
モノを介し、人と繋がることができるからですね。

新たな環境で、小さくも新たな希望を見出し、新春にふさわしい清新な気分を横溢させ、歩んでいこうと思います。
Blog読者の皆さまにも、2014年が少しでも佳い年になりますよう、心から願っています。
感謝を込めて。

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  • 今年もよろしくお願いします。
    差し支え無ければ、新住所をお知らせください。

    • acanthogobiusさん、本年もどうぞよろしくお付き合いきださい。

      新しい工房の住所ですが、このBlog右上の〈本業のWebサイト〉を開きますと、Topページ、下段ウィジェット欄に記してあります。
      まだ居住部分のみの移転なのですがね 笑

      あ、〈本業のWebサイト・Blog〉には、数枚、新しい工房の画像も置いてあります。

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