工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Blackwalnut Display case

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ブラックウォールナットの良材を用いた、展示ケース。
端正で、ちょっとキレイでしょ。

背板、地板を除く四面のパネルはガラス(面取りカットが施されたもの)。
(画像、扉の部分、ガラス四方の外周に白い帯状が映り込んでいるけれど、面取りガラスが反射したことによる仕業だろうね)

また、この画像では死角になっているけれど、地板には白さが映えるカーリーメープルを用い、駆体のブラックウォールナットの重厚さに、やや軽やかなイメージを持たせた。

白さ:メープルは元々白い色調を持つが、さらにブリーチングさせ、より白くした


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このキャビネットの特徴は柱のデザイン、構成にある。
一般的な納まりとは異なり、長形の断面を持つ角材を45度傾斜させた構成となっている。
それにより、平板な面だったところに立体的な奥行きが生まれ、ユニークな造形になった。

また柱の外周をなだらかに曲面成形することで、柔らかさを出した。
この断面形状は、支輪、および台輪に当たる部分も統一性を持たせめ、同一とした。

抽手は黒柿で自作。
扉框に納める枘部分などはあらかた丸鋸傾斜盤などで加工を済ませ、後は切り出しなどで成形。
こういう作業工程は楽しいものでもあるけれど、意外とキャビネット全体へのイメージを決するものともなり、重要な部分だね。

昨年末の個展に出品した、いわゆる最新作。

サイズ展開は自由なので、別注承りますよ。

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  • いつものように。ほぉ〜!!
    Q:
    支輪鵜上のガラスは載せているだけでしょうか?
    支輪全体も位置決めほぞに載せ、側上部の横桟はのり付けなしの上部からの嵌め込みでしょうか?(わたしは、そうします)
    そうでないと、ガラス破損時の修繕が大変だと思うのですが……

    • みしょうさん、どうも (^^ゞ
      なるほど、そこに関心がいきますか。

      ほぼ、みしょうさんの想定通り。

      私はあまり凝ったこはしません。
      見えないところはそれなりに・・・

      《具体的には・・・》
      駆体は框、支輪は四方、“留め”で回してます。
      それぞれ動きは無視できますので、固着してもOK!

      ただガラスの挿入が必要となりますので、バラせるような構成が必須。

      したがって、駆体横框の上桟から木ネジで支輪に止める方式。
      ただ上桟そのものからは厚さ等から難しいので、別の部材を小穴を介して貼り付け、そこから揉み込んでいます。

      実は今日、納品してきたのですが、喜んで頂き、
      さっそく九谷焼の香炉を飾っていました。

  • まるほどなるほど。ありがとうございます。

    先般、お尋ねしました「引き割り後の板材の反り修正」ですが、ストーブで両面熱して反りの反対側に押さえる手法より、伸ばしたい面を濡らした当て布にスチームアイロン、反りの反対側に押さえる、こちらの方が効果的でした。

    また、いろいろ教えてください。

    • 「反りの修正」ですが、このBlogでも過去何度か触れてきましたが、外部からの加熱による、木の可塑性を利用した修正方法でした。

      ここでも指摘してきましたが、水分を与えると、とても直しやすいことは、経験的にも、あるいは物理特性からしても知られていることです。
      ただこの場合、一方向への水分供給ということですので、やがては乾燥することで、時間経過とともに、安定せずに、戻ってしまうと思います。
      他方、加熱+物理的圧力による修正は、細胞内部の自由水を利用する方法ですので、戻りにくいですね。

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