工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「工房通信 悠悠」公開1年にあたり

ブログ「工房通信 悠悠」をスタートさせて1年が経過した。
工房での日々の活動は家具製作を基本としていることは当然にしても、ブロク的活動がこれに付随していくらか様変わりしたようだ。
休憩時間も無為に過ごすことも許されず、手元にiBookとデジカメを置き、せっせと草稿をしたためる、ということに相成る。
記述する内容は他愛ないものも少なくないが、題材によってはしっかりと裏を取り、情報を取得、補強しなければならない場合もあり、片手間では済まされない。
こうなると本業への支障も生ずるので、程良いバランスというのがなかなか難しい。
一方、ブログをスタートさせてからというもの、自分のサイト運営への労苦よりも、多くのブログを訪ね、そうしたところとの新たな情報共有化から得られるものがとても重要なものになってきていることは明らかで、まさにネット第2世代の到来を日々感じ取らせてもらっている。
つまりそれまでのウェブサイト構築の構成では困難だった、コメント、トラックバックという機能により関連するサイトへと誘われ、思わぬ有益な情報にたどり着くこともできたし、膨大なブックマークの日々のチェックもRSS機能により、無駄なく、必要に応じアクセスすることも可能となった時代を受益しているわけだ。
さて、ただ同業の方々の発信はまだ少ないようで、木工コミュニティーの構築へ向けては今後に期待したいと思う。
やはりこの世界は10代〜30代あたりが積極的だろうから、ある程度の熟練を経たプロの家具職人の発信が少ないのも致し方ないことか。(ボクなど四捨五入すれば○暦なのにね)
まずはここまで続けてこられたのもアクセスしていただける皆さん、わけても奮ってコメント、トラックバックしていただける方々に助けられてのことなので、感謝申し上げたい。
ウェブサイト構築、運営ということでは既に4年が経過するが、ブログという新たなサイト運営にはネットコミュニケーションとしての機能が特化しているので、訪問者との情報共有化、情報の補強と言った側面でささやかながらも新たな磁場が出来つつあるようでうれしい。
あまり体系的でもなく気ままな雑報的記述が多く、必ずしも訪問者へには有益な情報ばかりでもないので申し訳ない気持ちもあるが、継続性を確保するためにも肩肘張らずに、「悠悠」と(苦笑)やっていきたい。
ただ既にお解りのように、木工に関わる技法であるとか、経験に踏まえたエッセンスなどは秘匿するような考えなど無く、オープンに開示していきたいと思うので、時間とその他の条件が許せば、ドンドン記述していきたい。
また疑問に思うこと、別の視点からの提起など、可能であれば積極的にコメント等アクセスを願いたい。
アクセスログを見れば 500ページビュー〜/日平均 あるので、多くの同業者、木工愛好家が来ているのだろうがそれに比し、積極的アプローチが少ない。
これはボクの記述内容を含め何らかのバリヤを作っているかもしれず、配慮も必要かな。
そんな訳で、今後もぐぁんばっていきますので、ヨロシク。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • かなりの労力、時間をかけて記述された記事に、
    簡単なコメントでというのも、失礼ですので、どうコメントしようか
    かんがえているうち、寝てしまったり,数日経ってしまったりしてしまいます。数日前の物にもコメントしてもOKなのですか?
    (ブログのルールをよくしらないもので、すみません)
    桟積みの話有り難うございます。
    いくつになっても好奇心、向上心を忘れないようこの仕事続けていきたいいですね。

  • 杉山さん、ご無沙汰しております。
    ブログ開設一周年、おめでとうございます。というか、ご苦労さまです。企業秘密(^^)とも思えるような内容を拝見させていただいたり、時には時事問題をマスコミとは違う角度で見られたり、とても参考になっています。
    「他人の日記を見ることができる」などという、今まではありえなかったブログ、これからはブログがクモの巣のようにはりめぐらされていくのでしょうか。そんな中、普段からパソコンを相手にする時間が多すぎる私がブログに乗り出すと、それこそ「パソコン命」になってしまいそうで、それが恐ろしくて踏み出せずにいます。
    これからどうするか?今のところは月一回、木工初心者の方に向けた話を中心に、クラシックスタイルのHPを続けていくつもりです。
    これからもタメになるお話、よろしくです。

  • 毎日、更新を楽しみに待っております。
    何度かコメントさせていただきましたが中には失礼なことも
    あったのではないかと心配しています。
    私も趣味のHPを作ってはみたものの更新がなかなかできず
    知人からはいつも叱られています。継続することのご苦労は
    よく分かります。
    最近ソーシャルネットワーキングサービルなるものが話題に
    上っております。
    友人に誘われて加入し家具製作関連のコミュニティーに参加していますがいまいち発言が活発ではないようです。
    特に無垢の木を使った家具作りの話題は家具業界全体から見ればむしろマイナーな存在かもしれません。
    今まで苦労して習得された技法につき隠すことなく披露される姿勢には感心しております。
    これからも楽しみにしております。

  • aristanさま一周年おめでとうございます。専門の事柄から広い範囲での記事、これからも楽しみに拝見します。

  • 一年ですか、ご苦労様でした。
    襖の陰からじっと覗いていますので、これからも、宜しくお願いします。

  • 皆さん、いつもご愛読感謝します。
    さっそくコメント強要( !! )に応えていただけたようで恐縮です(苦笑)。
    >namさん
    コメント欄はこのブログの記述全てに可能です。
    また記述内容そのものへでもなく、関連するようなものでもOKです。
    実はコメント欄へは様々な出会い系サイトなどからのスパム投稿も多いのですが、そうしたものはフィルター掛けたり、適宜削除しています。
    よほどの内容でなければ適切に応えるようにしていますので、何なりとお寄せ下さい。
    なお、このブログの使い方に関しましては右メニューフレームのカテゴリーに、<ブログ「工房通信 悠悠」の使い方>というページもありますので、1度ご覧になってください。
    どうぞこれからもよろしくお願いします。
    >りょうさん
    ドモ、こちらこそご無沙汰してます(Webサイト拝見していると、そんな感じにさせないのが困るのでもありますが)。
    りょうさん、のサイトのようにターゲット絞らないあやふやなところも問題だとは思っています(どっちやねん、という困惑を与えているものと自覚してます)
    タメにならないような話に特化しようかな(笑)
    生徒さん達によろしくお伝えください。→りょうさん、に遠慮しすぎてコメント出来ない、などといわないように。
    しかしあらためてつらつら考えると…、技法を記述するときは、りょうさんサイトのように、もっと丁寧に、ロジカルに、せねばいけないな、と反省しています。
    ブログというスタイルの“軽さ”に乗っかりすぎているかも知れない。
    >acanthogobiusさん 
    差し支えなかったら、貴サイト、URL貼り付けてください。
    ボクの取得している技法なんて、なんぼのものでもありません。
    しかもこうしたところで記述できる範囲なんてたかが知れています。
    記述することを通し、より自身に備わったものが客観性を帯び、精査される、という作業でもあります。
    >kokoniさん、光通信の快適さにふさわしい記述を心掛ける必要がでてきましたね。
    スピードと言えば、昨日「上原ひろみ」のLIVE DVD(NHK放映のもの)を視聴していましたが、キータッチのすさまじいスピードにも関わらず、1音たりとも無駄のない演奏にはあきれはてます。1度キース・ジャレットのようにBachゴルトベルク変奏曲を弾かせてみたい。また貴ブログおじゃまさせていただきます。
    >木乃輔さん ご隠居さんの如くに、ですか?
    何か、似合いますけれどね。
    実はその殺気、いつも感じているんですよ。
    一言居士で怖〜いこと知ってる積もりです。今後はもっと心して……。

  • 遅ればせながら・・・
    ブログ開設1周年おめでとうございます。
    個々の技法・技術だけでなく、色々なスタンスのようなもの。色々と勉強させて頂いております。
    ありがとうございます。
    また「秘匿するような考えなど無く、オープンに開示」というところ、心に来るものがあります。
    共栄・切磋琢磨のスタンスとでもいうのでしょうか・・・僕の身近に、何かと特許、特許と技法・技術を利益として保護しようとする御仁がいました。
    逆に老齢の職人さんに秘伝のレシピをサラサラと教えてもらったこともあります。
    それらが同じ技法・技術ってこともあるでしょうに・・・
    杉山さんはじめ、ばんと教えてくれる先人・先輩の跡を追えるように頑張りたいと思います。

  • chair_holicさん コメント感謝です。
    技法のオープン、クローズ、という問題は、どちらが良い、悪い、ということだけではないように思いますね。
    それぞれの考えに基づいてされることでしょうから。
    あまりオープンにしすぎる伝承の手法も、果たして最善のものなのかは難しいところです。
    ケースバイケースと言いいますか、対象により、事柄により、様々な手法を、というところでしょうか。
    その上であらためて確認させていただければ、もの作りにという修練に関わる事に関しては、このようなWebで伝えられる領域など、たかが知れている、ということだろうと思います。
    chair_holicさんなら、このような物言いの背景はご理解いただけると思います。

  • >ケースバイケースと言いいますか、対象により、事柄により、様々な手法を・・・
    伝承の手法について、もちろん仰られる通りと思います。
    言葉の足りぬところ、お汲み取り頂きありがとうございます。
    今回のことしかり・・・伝えるということ、また一つ事への取り組みのスタンスを見習わなければならないと思っていて・・・そのそばから、面目ないです。
    とはいえ・・・また懲りもせず、お邪魔させて頂きに参ります。
    これからも、よろしくお願いいたします。

  • 知っているということと、それができるということは
    別の問題だ、ということだと思います。
    隠すことなく教えていただける裏には「教えてやるからできるものならやってみな」という言葉が隠れているのも十分理解しています。失礼な言葉だったらごめんなさい。
    知らなくてもできるようになればそれで良いのかもしれません。
    しかし、私のようなアマチュアにとってはそれをしている
    時間的余裕がありません。
    頭でっかちになる危険をいつも感じながら知り得た物を
    ひとつでも、ふたつでも、できるようになりたいと思って
    います。知っていることで次の展開も可能だろうと思います
    そういう意味で色々教えていただくことはありがたいです。

  • >chair_holicさん
    過多に先輩扱いされることもこそばゆいものです。
    職人の世界での伝承のあり方は、それぞれのバックボーンに規定されたスタイルの違いから様々なものになるのでしょう。
    製作するものにも、そうしたスタイルの差異が作風として対象化されるということもあるかもしれませんね。
    このあたりにももの作りにおける1つの真髄があるようです。
    >acanthogobiusさん
    ボクはアマチュアだから力量が低いとか、作品の品質が劣る、などとは考えもしません。まるで逆であることを見せつけられることはしばしばです。
    事実、ボクなども製作途上、もっとこうすべきなのだが、予算の都合で……、などといった妥協を強いられるのは常です。
    ただ熟練を必須の条件とするプロの世界での腕比べではアマチュアの方に負けるわけにはいきませんので、そうした自負を失うようではダメですね。
    このブログでacanthogobiusなどのアマチュアの方々に何らかの示唆を与えることが出来るとすれば、それはやはり厳しいプロの現場で日々生み出される技法、エッセンスといったことになるのでしょう。

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