材木の高騰にどのように対処すれば?
ウォールナットの人乾材(米国、あるいは中国での現地製材・人工乾燥材)5/4″材の在庫が少なくなってきたので、近隣の業者から仕入れたが、またまた価格が高騰していた。
ここ数年来、値上がりが続いている。
背に腹は替えられないので、泣く泣く大枚はたくことにしたのだが、これは決して一過性の上昇というものではなく、しばらくは(数年から数10年単位での話)この傾向が続き、いずれ安定するにしても、そのうち値崩れしてくる、というようなものでは無いような気がする。
我々としては、今後の業務継続にあたってはかなりの覚悟というものを迫られてくる事態として捉えていかねばならないものかもしれないね。
米国産のブラックウォールナットの海外供出は、その7割ほどが欧州、残りが中東、アジア向け。
このところ中東においてもウォールナットの人気が高いようだ。
無論、アジアは中国の加熱気味の沿岸部経済の活況を背景に、かなりのボリュームでウォールナットが使われているし、韓国においても同様だろう。
日本での需要も経済回復の勢いを受けて伸びているようで、こうした様々な事情が価格の高騰を招いていて、数年前の感覚ではとても入手できなくなってきている。
また、このウォールナットのような米国材に限らず、楢、たも、樺などの道材、内地材も高値安定。
なお、問題は価格だけではない。
道材とは言っても、もはや正しい意味での道材は入手が難しい。そのほとんどはロシア材、あるいは中国材になっているだろう。
北海道に陸揚げされ、本州以西へと搬送されれば道材だ、などとはくれぐれも考えないように。
正しい意味での道材の楢などは道内での流通量の1〜2割ぐらいしかないのではないか。
つまり我々が10年ほど前までは普通に入手できた道材などはもはや入手できなくなりつつあると言わねばならない状況なのだ。
ボクは昔は毎年(全国規模での材木市)、あるいは毎月(地元の材木市)のように材木市で競り落とし、道材の中でもかなりの良材を在庫していたが、それもかなり使ってきたのでさほどの余力があるわけではない。
後は北海道の業者から購入しているものの、ほとんどはロシア材だろう。
あのわずかにピンクがかった素性の良い道産の楢はこれからは大切に、大切に使っていかねばならない稀少なものとなってしまったようだ。
ボクなどは在庫を使っていくだけで生涯での使用量は概ね賄えるだろうからさほど心配するほどではないが、若い木工家にとってはこうした困難な時代を迎え、材料問題はより深刻なものとなるだろう。
さて、今回購入したウォールナットだが、人乾材ではあるものの、米国に本社を置くN社のものと較べ比較的色の劣化の度合いは低いようだし、幅もかなり広め(20〜40cm)の中径木が多く、高価格ではあったものの決して悪い買い物ではなかった。
それを考えれば、1立方余りを片付けた肩の疲れも吹き飛び、旨い晩酌になった。
というわけで、酒の銘柄の薦め(何のこっちゃ、結局そこへ行くの?)。
〈出羽 燦々 誕生記念(本生)純米吟醸〉
前回紹介した酒と同じブランド。
ただ「無濾過原酒」ではなく「本生」というもの。
基本的には米、水、酵母などは同一なるも、濾過工程の違い、絞る季節の違い、などの差異が微妙に味わいに変化をもたらしている。
やはり個人的な嗜好で言うならば、「無濾過原酒」の方を選びたい。より酒そのものの旨さ、キレがあるように思えた。
しかしこれは今年の新酒を待たねばならない。
それまでしばらくはこの出羽桜の様々な銘柄を楽しんでみようと思う。
ありがたいことに買い求めた店ではファンが多いようで多くの品揃えをしている。
材木のように原材料が枯渇するようなことは無いだろうから、安心してじっくり楽しんでいこう。
ぐい飲みは小川幸彦 作、灰釉焼き締め










木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
