工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「工房通信 悠悠」公開1年にあたり

ブログ「工房通信 悠悠」をスタートさせて1年が経過した。
工房での日々の活動は家具製作を基本としていることは当然にしても、ブロク的活動がこれに付随していくらか様変わりしたようだ。
休憩時間も無為に過ごすことも許されず、手元にiBookとデジカメを置き、せっせと草稿をしたためる、ということに相成る。
記述する内容は他愛ないものも少なくないが、題材によってはしっかりと裏を取り、情報を取得、補強しなければならない場合もあり、片手間では済まされない。
こうなると本業への支障も生ずるので、程良いバランスというのがなかなか難しい。
一方、ブログをスタートさせてからというもの、自分のサイト運営への労苦よりも、多くのブログを訪ね、そうしたところとの新たな情報共有化から得られるものがとても重要なものになってきていることは明らかで、まさにネット第2世代の到来を日々感じ取らせてもらっている。
つまりそれまでのウェブサイト構築の構成では困難だった、コメント、トラックバックという機能により関連するサイトへと誘われ、思わぬ有益な情報にたどり着くこともできたし、膨大なブックマークの日々のチェックもRSS機能により、無駄なく、必要に応じアクセスすることも可能となった時代を受益しているわけだ。
さて、ただ同業の方々の発信はまだ少ないようで、木工コミュニティーの構築へ向けては今後に期待したいと思う。
やはりこの世界は10代〜30代あたりが積極的だろうから、ある程度の熟練を経たプロの家具職人の発信が少ないのも致し方ないことか。(ボクなど四捨五入すれば○暦なのにね)
まずはここまで続けてこられたのもアクセスしていただける皆さん、わけても奮ってコメント、トラックバックしていただける方々に助けられてのことなので、感謝申し上げたい。
ウェブサイト構築、運営ということでは既に4年が経過するが、ブログという新たなサイト運営にはネットコミュニケーションとしての機能が特化しているので、訪問者との情報共有化、情報の補強と言った側面でささやかながらも新たな磁場が出来つつあるようでうれしい。
あまり体系的でもなく気ままな雑報的記述が多く、必ずしも訪問者へには有益な情報ばかりでもないので申し訳ない気持ちもあるが、継続性を確保するためにも肩肘張らずに、「悠悠」と(苦笑)やっていきたい。
ただ既にお解りのように、木工に関わる技法であるとか、経験に踏まえたエッセンスなどは秘匿するような考えなど無く、オープンに開示していきたいと思うので、時間とその他の条件が許せば、ドンドン記述していきたい。
また疑問に思うこと、別の視点からの提起など、可能であれば積極的にコメント等アクセスを願いたい。
アクセスログを見れば 500ページビュー〜/日平均 あるので、多くの同業者、木工愛好家が来ているのだろうがそれに比し、積極的アプローチが少ない。
これはボクの記述内容を含め何らかのバリヤを作っているかもしれず、配慮も必要かな。
そんな訳で、今後もぐぁんばっていきますので、ヨロシク。

ロクロ職人との歓談

テーブル類製作(ダイニングテーブル、センターテーブル、椅子等)も大団円。
昨日から塗装を始めたが、幸いにして天候も回復。春の日射しがまぶしい。
オイルフィニッシュの作業環境は乾燥した空気の十分な換気(空気の移動)が必要なので、窓を開け、ドアを開け、換気扇を回し、乾燥を促進させる。
塗装の乾燥を待つ間に近くのロクロ職人の工場へ出向いた。
工房を立ち上げて以来の付き合いだからほぼ20年ほどにもなろうか。
若い頃、松本民藝家具専門店の仕事をしていて、ロクロ成形をすることも多く、よく世話になっていた。
最近ではもっぱら自分のデザインのものばかりで、あまりロクロ成形は好まない(デザインでの制約が出るため)ということもあり、依頼の頻度は少なくなっているとはいえ時折こうしてお願いしている。
ろくろ確かなロクロ技術と成型におけるデザインセンスが秀逸な職人だ。
無名の職人ではあるけれど、その技能にかけてはあらゆる賞賛の言葉を捧げて惜しくない人だ。
ボクが探し出してからと言うもの多くの人に紹介してきたし、懇意にしているある準大手の家具メーカーの社長からロクロ職人を紹介してもらえないか、との依頼の斡旋にも応えてくれ、今では彼の技能なくしてはプロパー家具製品の製作もままならないのではないかと思われるほどに貢献度が高い人である。
ロクロ技能というものは、一見簡単に思えるかも知れないが、それは間違い。
まず自身でふいごの火起こしから始まり、バイトを打ち出す技能も必要だ。
常に良く切れるバイトの状態に維持することは一般の木工現場で要求されるレベル以上のものが必要とされるだろう。
成形の技法においては数種類のバイトを自在に操り、目的とする形状に削りだしていく職能が必要だが、樹種に知悉し、熟練を積み、ロクロデザインへの深い理解と、経験も必要だ。
別の職人に依頼したこともあったが、刃のキレも悪ければ、複数本の同じデザインのものであるはずが、それぞれの形状、胴付きが微妙に違う、ということがあった。
イメージで表現すれば、1つ1つの形状にメリハリが無い。だれている。総じて鈍くさい。
ロクロ成形というものはエッジが効いていて、バランスが良く、美しくなければならない。
今日は2週間ほど前に依頼しておいたある家具の脚部のロクロ成形が仕上がったというので取りに出掛けたのだった。
数種類、計23本のものが仕上がっていたが、いずれも望み通りの形状に仕上げてくれていた。
同種、複数本のものでも全く同一の形状になっている。決してテンプレートで倣い加工されたものではなく、手バイトを用いノギスで慎重に測定しながら仕上げたものだ。
まさしく職人技というものだ。
S字カーブの膨らみと絞りの寸法バランスなどは、なかなか伝えられるものでもなければ、意匠における感性も豊かでなければ削り出せるものではない。その職人技と、意匠のセンスには脱帽するしかない。
またこの職人はとても研究熱心で、様々な工夫を考えてくれる。
木のスクリューなどはその1例だが、テーブルの脚でもフロアスタンドなどの長いものへでも、スクリューを持ち込むことで、ジャストフィッティングの技を見せてくれる。
いつものことだが今日もしばし、歓談。
たまたま上述したメーカーからの依頼のウォールナットの脚ものが並んで置いてあったのだが、同じウォールナットでも、ボクの方は原木からの製材によるもので、本来のウォールナットのチョコレート色をした魅力ある材質であるのに対し、そのメーカーのものはくすんだ色合いのものだった。
似て非なるものが並んでいる。
このロクロ職人曰く「同じウォールナットで、どうしてこんなに違うのかね……」
少しボクからウォールナットについての蘊蓄を聞いて貰う。
所謂、乾燥製品として輸入されるウォールナットのそのほとんどが人工乾燥過程で、作為的に品質をコントロールさせるのだが、その結果このような魅力を損ねるようなものとしてしまう。
どういう事かというと、若い樹齢の木だと白太が多いので、そのままでは市場に出せない(ブラックウォールナットの白太は致命的)。そのために人工乾燥過程で、赤身の色を白太に移行させる、という操作を行う。その結果、白太はやや黒ずみ、まぁ、許容できる範囲の 色に変化する。だがしかし一方の赤身の方は、ウォールナット特有の様々な色調の絡みなどの魅力が損なわれ、ただのくすんだ暗灰色に脱色されてしまう。
この職人のところにロクロ加工依頼してきたある木工職人曰く「最近のウォールナットは白くなってきていて、昔のように良いものは少ない…」と言ったそうな。
それもまた米国現地乾燥材を購入したことによる人為的なものであることを知らないだけなのだろう。
確かに量産工場向けとしては、歩留まりも良く、価格も数分の1なので、貢献度も高い。
だがしかし、残念ながら本来の色ではないので果たして同じブラックウォールナットと称して良いものかどうか、はなはだ首を傾げざるを得ない話ではあるだろう。
良質なものを求める人には、そうした情報も適切に伝えてやってもらいたい。
(実は材木屋もそうした情報はほとんど明かさないという実態が問題なのだが)

椅子の座繰りの疲労度

今日のお仕事は、2種のテーブルもほぼ完成したので、残してあった椅子の座繰りに取りかかる。
昨日の続きを、とも考えていたが、座繰りの鉋掛けで、肩がぱんぱんに張って、疲労困憊。
キーボードを打つ指先もこわばったまま。
年寄りの冷や水などと言われかねない。

いずれまた「座繰り」についても記述する機会があるかも知れないが、椅子製作の最後の工程、大イベントだ。

作業服を脱ぎ、次いでシャツを脱ぎ、最後はTシャツ1枚になり奮闘。
材種はブラックウォールナットなので、比較的サクサクと削れる。

明日はサンディングで仕上げ。塗装を残すのみだ。
旨いビールを味わうためにもうひとがんばり。

テーブル製作(その6)送り寄せ蟻について

あらためて、「送り寄せ蟻吸い付き桟」について少し詳述してみたい。
過去幾度かこの技法に関する特性について述べてきたので、今日はその加工プロセスという側面からそのポイントを記す。
この「送り寄せ蟻吸い付き桟」というのも、いくつかの手法があるだろうと思うが、ここではその1つを紹介するものだ。無論これがその全てではない(はっきり言えば、この手法に関して権威とするところから伝授されたものでもなく、あくまでも独自の考え方と、経験から編み出されたものに過ぎないと言う制約を付けておきたい)
さて自己防衛はここまでとして…、
今記したようにいくつかの手法があるのだろうが、大きく分ければ、ブロックごとに溝を彫り、桟もブロック単位に分かれている、というものもあれば、
画像のようにボクが通常行っている、通し桟に蟻が施されているというものもある。
蟻桟ボクが何故このような通し桟の方をを選択するかと言えば、経験者にはお気づきのことと思われるが、やはり蟻ブロックの強度に関わる判断からのものだ。
完全にブロック単位で分ける方は、天板の方は溝が通っていないのでそれだけ板としての損耗はないだろうから強いと言えるかも知れない。
一方しかし、オスの方はブロック単位で独立していることで、もげてしまう、というリスクがあるのだ。
蟻桟というものは当然にも締め具合が肝心なので、かなりタイトな加工を施すのであるが、これは蟻ブロックを破損させてしまうことにも成りかねないのだ。
これは材種にも拠れば、木取り(柾目、板目)にも拠るだろうが、いずれにしても破損というリスクを抱えた状態で試みるわけにはいかない。
対し、通し桟の方は、ブロック単位のものよりもはるかに強いと言うことが理解していただけるだろう。
さて、具体的に加工プロセスを記してみよう。

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テーブル製作(その5)ほぞという技法

?1画像はテーブルの脚部と貫(ヌキ)のほぞを示したもの。(ほぞ、は“木”偏に“内”だがPCでは表示してくれない)
今日は木工加工における基本的要素の1つであるほぞについて考えてみたい。
ほぞは木工加工における技法としては人類史の歩みとともにあるぐらい古来からのもののようで、縄文遺跡からの発掘物にも見られるという。
このようなローテクの代表格と言っても良いようなものであるが、しかし今日においてもなお木工加工における接合技法としては最適なものとして活用されていることに驚かされる。
無論、量産家具においてはダボ接合という発展形態へと進化しているということも一方の事実だが、しかしその接合度の高さ、剛性の強さ、など木工技法において要求される必須の要件を満たしているということにおいては、ダボなどよりもはるかに優れた技法であることに変わるものではないということは幾度でも確認されて良いことだろうと思う。
確かに量産家具の製造システムにおいては、そのまま適合させることの困難さがあるのだろうが、我々のような小さな工場での加工システムにおいては今もなお最適であることに変わりはない。
極めて小規模で最低限度の機械設備であったとしても、熟練工の高い技能を投下することで、最高度の接合加工を獲得できるのがほぞという手法と言い換えても間違いではないだろう。
なお、ほぞという技法は決して日本固有のものではなく、地球的規模で木工文化の発展と共に様々なほぞ加工を見ることが出来る。これは各地域文明の境界を越えた交流の中から導入 → 独自の発展という経緯もあるだろうが、ここで確認されねばならないことは、それだけ木工においての加工技法ではほぞというものはユニバーサルなものだということであろう。
海外の木工の技法に関する文献を開けば、日本の技法書と見紛うばかりのほぞ接合技法の数々をそこに発見することはめずらしいことではない。
若い頃、J・クレノフが来日されたと時のワークショップに参加させて頂いた。世界的に著名な木工家として密かに尊敬している名匠だ。
彼が何を語ってくれるのか直接聞きたかったし、また手先の動きを間近に見てみたいという欲望からだった。
その彼はほぞよりもダボを多用する。もちろん、スカンジナヴィアンスタイルのキャビネットなどの脚部には通しほぞを用い、キャビネット本体の帆立と天板、地板の接合にはダボ、という使い分けをしている。(参照
しかし日本ではやはりいずれもほぞを用いるというのがより合理的だろうと思う。
(ここでは詳細に比較検討するものではない)
これはそうした加工プロセスにおける機械設備の環境を含む、歴史的経緯もあるからなのだろうと思う。
如何にJ・クレノフを信奉していても、ほぞの持つ優位性は揺るぐものではないのだ。
さて前振りが長くなってしまったが、今回のテーブルのほぞ、について。

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テーブル製作(その4)吸い付き桟

うちでは吸い付き桟については、「送り寄せ蟻」を基本としている。
いくつかの理由がある。ノックダウンを可能にする、削り加工を含む天板の改修に有利である、といったことになろうか。
今回も1枚板でもあるので、「送り寄せ蟻」で行う。
「送り寄せ蟻」は一般の通し蟻桟と異なり、やや工程数が多くなるものの、さほど難易度が高くなるというほどでもない。
型板作りと、桟の方でのブロック単位での成形にやや煩雑な加工が必要となるぐらいだ。
さて最初から余談で恐縮だが、前回「伏兵が待ちかまえていた…」と終わった件について。
1枚板なので、削りの全ては手加工になる。
ここではそのプロセスの詳細は記さないが、要するに電動ポータブル鉋で、荒削りしつつ、平面を出し、徐々に仕上げ削りに移行していく、という工程だ。
以前伝統工芸の木工家で著名な須田賢司さんの講演で伺ったことなのだが、彼の先代に当たる父親の世代までは、板を木取るには、その大きさを問わずほとんどは手鉋で削りだしていたという。1日に何枚も何枚も削り、4分板などでも大人の背ほどの高さまで積み上げていたという。
木工加工というものは、この手鉋、手鋸による木取り工程が無くては始まらなかったという時代がほんの少し前まで続いていたと言うことなのだ。
だからという訳ではないが、こうした手加工での木取りといい機会を与えてくれる1枚板の木取りには感謝しこそすれ、決して忌むようなものではないだろう。
これを果たすには確かに、体力と、鉋の調整は欠かせない(機械削りでは、最後の仕上げのみに手鉋に頼るが、初めから最後まで手作業となれば、鉋の調整も最低3丁の鉋を適切に調整し、使いこなせる練度が求められる)。
こうした工程も木工業にとってありふれた当たり前のものとして、喜々として行うことの出来る気力と確信がなければ始まらない。

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テーブル製作(その3)天板矧ぎ作業

天板剥ぎ1天板の矧ぎ作業。
今回のテーブル天板のサイズは1,600w 860d 。
これをブラックウォールナットの2枚矧ぎで構成。
4年ほど前に製材、乾燥、管理してきた良材から木取りされたものだ。

  1. 矧ぐ側の白太を取り去り、所定の幅に木取る。
  2. まず2枚の板をそれぞれ片側板面のムラを取るのだが、うちの手押し鉋盤(ジョインター)は305mmの性能しかないので400mmを越える板は1度では削れない。
    最初から電動ポータブル鉋で削るという方法もあるが、ここは手押し鉋盤のぎりぎりの性能を使い、まず300mm幅を削り、基準面を作る。
  3. この基準面に合わせ、電動ポータブル鉋、および手鉋(長台など)で幅いっぱいの基準面を出す。
  4. 自動1面鉋盤(プレナー)で厚み決めをする。
  5. 矧ぎ口を取る。
    矧ぎ口は“中透き”と言って、中央部を微妙に透かしてやるのがポイント。これにはいくつかの手法があるが、通常うちでは手押し鉋盤を矧ぎ口用に設定して、機械的に行う。長台鉋に自信のある人は手加工しよう(この手押し鉋盤で矧ぎ口を取る、というのは実はなかなか容易ではなく、あまり簡単にお奨めするには憚れる方法だ)
  6. 超仕上げ鉋盤で、両面1度づつ鉋を掛けておく(ひとかんな、などと言ったりする)。
  7. 矧ぎ口への雇い核(やといざね)の小穴を突く(昇降盤のカッターにて)。
  8. 雇い核を作る(数mm厚の無垢板でも合板でも構わない)ともかくも一定の厚みの精度を出すこと。
  9. 矧ぎ作業

雇い核だが、うちでは接着用のボンドはオオシカのPIボンドを用いるので、接着力ということでは雇い核は決して必須のものではないが、剥ぎ作業での矧ぎ部分の平滑性を確保させることの重要性からそのようにしている(目違いを出さない、などと呼称する)
なお、この雇い核を木口まで出したり、その木口部分にこれ見よがしに、蟻状の鼓を入れるような人もいるようだが、ボクはしない。邪道と考えるからネ。
天板剥ぎ2それぞれ、「これ見よがし」の意味はあっても、木口乾燥ということからすればあまり推奨できる手法ではないように思う。ファッション?
余談だが、蟻、という技法は一見して接合強度を高めるものに思えるが、確かに高精度の加工によって、その接合強度は高まるだろう。しかしあまり加工精度が良くないと、逆に接合精度を弱める方向に作用する、ということは知っておいた方が良いだろう。

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テーブル製作(その2)

claroテーブル
画像はセンターテーブル(CLAROウォールナット1枚板)の仮組をしているところ。
いくつか制作上のポイントを記そう。

  • このタイプのものは既に過去数度製作している。これまでは脚部を異種材のカーリーメープルでやっていたが、今回は主材と同じウォールナット(これは顧客の要望による変更)
  • デザイン的には、天板がCLAROウォールナットという重硬で存在感の強い材種なので、脚部としてはあまり重硬にならずに軽やかに、モダンなラインでまとめたいということが主たるポイントだ。
  • そのために脚部柱はロクロ成形で、これを四方転び(それぞれ6度の傾斜)で動きを出し、この脚部を円弧状成型による貫で接合させた。
  • 脚部 畳摺りも断面上部はかまぼこ面、側面は4度のテーパーに削り込むことで、軽やかさを出している。
  • それぞれは相欠き、および蟻ホゾで接合(ノックダウン構造をも兼ねる)
    (上の桟は、送り寄せ蟻の吸い付き残になる部材だ(まだ天板を加工していないので、桟も未加工の状態)

テーブル脚部cボクはキャビネットにしても脚ものにしても特段の事情がない限り、あまりというかほとんど仮組みをすることはない。1発勝負を旨としている。
仮組をすることでほぞの緩みが出たり、打ち込みの時の傷が増えることを忌避するからだ。
しかし今回は別。

テーブル脚部b何故ならばロクロ脚の四方転びという手法なので、貫の胴付き長さ、組んだときの高さの確認、といった微妙な要素を確定するための必要性に迫られるものだからだ。
結果は、貫の胴付き長さは設計通り。ただ高さは数mmの誤差が出ていた。
さて仮組してみてやや反省すべき事もある。全体のバランスなど。
ディテールで恐縮だが、ろくろのホゾ穴は2段に掘ってある。
どういうことかというとホゾ穴の内部に胴付きを設けているためだ。つまり四方転びのために胴付き部分が傾斜するので、納まりを良くさせるための手法だ。
なお仮組する前にオイルの捨て塗りをしているので、濃色になっている(組んでしまう前に1度捨て塗りしておくとその後の塗装での処理がラク)。
さて次回はもう1種のテーブル脚部の紹介、あるいは天板製作工程を紹介する予定。

Leitz(ライツ)のルーター刃、入荷

Leitz2昨年末に発注していたLeitz(ライツ)の刃物が1昨日届いた。
今回は2種。特段にカスタマイズ、仕様変更というものではなく、既製のものであったのだが、ずいぶん納期がかかった。
■ 替刃式ジョインティング&リべーティングルーターカッター
■ 替刃式 R ルーターカッター
ご覧のようにいずれも日本では見かけないものだ。
まず「替刃式ジョインティング&リべーティングルーターカッター」から。
ただのストレートビットだが、径が40φの太さを持つという特徴があり、これを評価し購入することにした。
一般に替刃式というのは1枚刃が多いものだが、こちらは2枚刃なので回転バランスも良いだろう。
径が大きいというのは切削肌がそれだけ綺麗ということに繋がる。逆目切削にも強い。これまで替刃のルータービットでは30φというものが最大径だった。しかしその刃長は30mmしかなかった。一方50mmの長さのものでは16φという径になってしまっていた。
そこでこの40φ、50Lというのは魅力だ。
用途は、倣い切削が多くなるだろう。
「倣い切削」ということは、型板と寸分違わず、同じものが高精度に量産できるというところにメリットがあるが、通常の刃物では研磨をしなければならず、その度に径が細くなっていく。
これでは「倣い切削」の基本要素に欠けるということになり、比し、こうした替え刃式というのはそうした問題から解放される。
なおそのランニングコストは研磨するよりも安価(因みに今回の50mm長さのチップで、500円)。
ただ何とシャンクが25φ。これではうちのルーターには取り付かない。
ボクが間違えたのではなく、メーカーの間違い。
連絡したところ、ドイツに返品していると大変だから、日本で旋盤に掛けるという。やってもらいましょう。
 
次のRカッターだが、要するに坊主面カッターのことだ。
2R〜5Rまで1mmステップで4種の替え刃。
一般の坊主面カッターと異なり、刃が上下に付いていいてアッパーカット、ダウンカット双方が可能なので、より汎用性が高いと言えるだろう。
(画像にカタログ解説の1部を収めたので、お解りいただけるかな?)
これも要するに径が大きいことを評価して購入した物だ。(27φ)
近く、この径に合わせたセンターピンを作らねばならない。鉄工所に頼めばやってもらえるだろう。
さっそく仮に切削してみたが、その切削肌はそれまでにない良いフィーリングを確認できた。
さて、いずれもシャンクが16φになっているので、最も普及している庄田鉄工のルーターのように12φのものは取り付けは無理だ。
これから大型工業用ピンルーターを導入しようと言う人は16φ対応のものをぜひ考慮すべきだろう。その汎用性が大きく異なる。
(中古機械屋でも、この16φ対応のものを探し出すことはさほど困難ではないだろう。あまり12φ、16φ、の差異というものを認識していない人が多いように思う)
Leitz1
■ 関連記事1(ルーターマシンについて(1)
■ 関連記事2(ルーターマシンについて(2)

ニンニクの茎を食す

中華
中華料理は週に数回作る。
職人は体力維持、パワーが肝心 !
今日は久々に「ニンニクの茎と豚肉の炒め物」
ボクのこの料理はサイコー !!(自画自賛)
豚肉(三枚肉)の旨みと、ニンニクの茎の歯ごたえ、香りのハーモニー。
中華料理の要諦は調味料、新鮮素材、スピード、炎、と考えている。
簡単なのでその調理法を 。
(所詮、男の料理ではあるけれど、そんじょそこらの中華屋さんに負けません (^_-)v )
新鮮素材

  • 豚肉は塊の三枚肉(バラ肉)を調理前に細切りにし、塩、醤油、こしょう、酒、少量の片栗粉で下味を付け揉み込んでおく(薄切りにして売っているような肉はダメ。塊を購入して、その都度必要量をカットすること、そして下味です)。
  • ニンニクの茎はそのほとんどが中国からの輸入品だが、できるだけ新鮮なものを、穂先がしっかりしているものを選ぶ。
  • 他に人参、玉ねぎなど。

調味料
・醤油、塩、こしょう、酒、オイスターソース
調理法

  1. 全ての素材をあらかじめ用意。
  2. 最初にニンニクの芽を油通しをしておく(7〜8分[フン、ではなくブ]ほど火を通す。あまり柔らかくしすぎないこと)。
  3. 家庭用のコンロは火が弱いので、まずニンニクの茎以外の野菜だけをいためる。
    中華フライパンを煙が出るぐらいに空焼きし、まず取り置いた油などでフライパン全体に油を回し、戻す。あらためて大さじ1ほどの油をあたためてからザザッと手早く炒める。この時に適量の塩、こしょうを。
  4. あらためてフライパンをきれいにしてから再度空焼きし、油を注ぎ入れ、まずにんにくのみじんぎりを入れて香りを出す。
    下味を付けた豚肉を入れ、炒める。
    この時、お玉で豚肉をほぐすようにしつつ、できるだけコンロの炎がフライパンの中の油分に移るほどまで煽ることが肝要。(熱量とフライパンの内部の油分の関係性で炎が移る)
  5. 8分ほど火が通ったら先に調理済みの野菜、にんにくの茎を戻し入れ、サッと合わせ、調味料を加える(醤油、酒、オイスターソース、ゴマ油)。
    柔らかいものを好む方は、スープを適量入れても良いだろう(肉にからめた片栗粉の影響でややとろみも付く)。

ポイント

  • 調理は段取りが全て。全ての材料、調味料を用意し、イッキに仕上げること。
    炒めている最中に空いたコンロで餃子を焼く、なども並行して進め、同時に全てのものが調理し終えるようにすること。
  • やはり中華の旨さは、素材の味を引き出すこと。これには必要以上に加熱しないこと、できるだけ同じように火が通るように切りそろえたり、いためる順番を考慮すること、など。
  • 最後は中華特有の良い香りを出すこと。調味料はもちろんだが、フライパンに炎が入ることで香りが立ち、旨さが増す(アマとプロの差がこの辺りで出る)
  • なおフライパンはうちでは洗剤を使って洗う、などということはしない。熱いうちに水を掛け、ササラでこそげば十分。フライパンの油成分を無くすとろくな事がない。
  • 使い続けたフライパンはどうしても裏にも食材などがカーボンとして付着していくので、たまにはディスクグラインダーなどで取ることも重要。
  • 当然だがフライパンはテフロン加工などというものは邪道。あくまでも鉄のしっかりしたプロ御用達のものを求めること。

ボクは木工業から排除されたら、ラーメンやさんあたりがお似合いかな、などと夢想する。
全ての来客を堪能させるようなラーメンと、ニンニクの茎炒めを作ろう。
漫画本片手に箸を進めるようなガキからは丼を取り上げよう。
家族や仲間と来客しながらも会話一つせず、ケイタイに夢中な奴からはケイタイ取り上げよう。
食前にタバコをふかすような輩にはお帰り頂こう。
ウム…、やっぱ客商売は向いていないか (^^ゞ
* 本文中、【調理法】の1部分追記させていただきました。(グレー色の部分)2006/02/12