工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

機械の稼働へ向け

機械の搬入設置を終え、遅れていた電力供給も繋がり、とりあえずは稼働できる状態に。
続いて工具、資材などを収納するキャビネットも移設。
四半世紀にわたる使用歴がもたらした状態というものは、新しい器に似合うほど立派なものではないが、汚れを落とし、再塗装することで再び鎮座してもらうことに。

それでも不足する収納力を補うため、いくつかは新たに作ることになるが、それらは仕事の合間を縫ってのものとなり、しばらくは段ボール状態だ。

ところで、今回の工房起ち上げにあたり、新たに数種の機械を増強した。
1つは〈クロスカットソー〉というもの。
要するに横切りのことだが、馬鹿デカイ丸鋸で荒木を断ち切るというもの。
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機械のお引っ越し

梅雨の晴れ間を縫って

梅雨の晴れ間の暑い一日、木工機械の引越作業に精を出す。
2tトラック+1tトラックをそれぞれ2便。明日、ほぼ同量の物量で終える予定だ。
起業時はこの1/3ほどの機械設備でスタートしたと記憶しているので、その増量は1/4世紀という時間の蓄積を表す指標であるかも知れない。

これまでは機械室は全体の半分、わずかに20坪ほどでしかなかったので、これらの機械は所狭しと設置され、作業環境は決して良いものでは無かった。
今後はそれもわずかに改善され、少しは清々とした作業環境になるはずだ。

またこれまでは手作業場こそフローリングの床にしていたものの、機械室はコンクリートのままだった。
新たな工房は機械室も床を張ったので、冬季の寒さへの対策も万全。
これについては経費との関わりで少し悩んだのだが、後悔しても機械設置後はどうしようもないので、やっておいて良かった。
大工の棟梁と二人で張り上げ、いささか腰を痛めたのだったが、その苦労は十分に報われるはず。

また床を張ることで、機械への電源供給も床下配線が可能となり、電源ケーブルが隠れ、すっきりとした環境になった(Workbench=作業台に付設したコンセントへの100v供給も同様だ)。
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Blackwalnut Display case

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ブラックウォールナットの良材を用いた、展示ケース。
端正で、ちょっとキレイでしょ。

背板、地板を除く四面のパネルはガラス(面取りカットが施されたもの)。
(画像、扉の部分、ガラス四方の外周に白い帯状が映り込んでいるけれど、面取りガラスが反射したことによる仕業だろうね)

また、この画像では死角になっているけれど、地板には白さが映えるカーリーメープルを用い、駆体のブラックウォールナットの重厚さに、やや軽やかなイメージを持たせた。

白さ:メープルは元々白い色調を持つが、さらにブリーチングさせ、より白くした

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2014年、新年にあたり・・・

新年が開けました。

1昨年、2012年の新年の挨拶では、とてもおめでとうと賀詞を述べる状況下には無かったわけですが、しかし、今年はどうでしょう。
果たして、めでたしの新年であるとは、私はとても言いがたいです。

むしろ、3.11以後の状況としては、いよいよ困難な状況に立ち入りつつあり、茫洋とした雲間の先には、危機的な喫水線が拡がっているように思えてなりません。

他でも無く、福一原発をめぐるただならぬ危機的状況が続いていることであり、未だに被災地、故郷から棄民され、流浪の日々を送る人々の姿であり、そして日本という国とアジア、さらには世界との関係に目を向ければ、戦後世界のパラダイムを根底から否定し、世界からの孤立を勇者の特権とばかりに勘違いし、唯我独尊で突っ走る我らが宰相の悪行の数々を見せつけられながらの年越しになってしまったことを指しています。

2014年、私たちはとても困難な日本社会を生きていくわけですが、そうした状況の中でさえ、人は日々の営々たる生活の中に小さな希望を見出し、明日を切り拓く歩みを止めること無く、生きることの歓びを見出し、他者との交歓を続け、それらから生きていく価値のすばらしさを子や孫に、生まれ来る全ての人に伝えていくことを止めないでしょう。
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〈しずぎんギャラリー四季〉個展を終えて

本日18日、〈しずぎんギャラリー四季〉での個展を終了いたしました。

師走の忙しい日々を縫い、会場に足をお運びいただき、
丁寧にご観覧いただいた方々、
励ましの言葉を掛けていただいた方々、
そして展示品をお買い上げ頂いた方々、
また新たな注文をいただいた方々、

関係者の皆々さまに心からの感謝を申し述べます。

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個展のご案内

個展をやります。
今回は静岡市内での初の個展です。

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▼名称:暮らしをアートしよう ⎯ 杉山裕次郎 木工家具展 ⎯
▼会期:2013年12月13日(金)〜12月18日(水)
     10:00〜19:00(最終日は15時まで)
▼会場:しずぎんギャラリー 四季
  〒420-0853 静岡県葵区追手町1-13 静銀呉服町支店 アゴラ静岡 7階

過去、首都圏、大阪、名古屋などで個展を開催してきましたが、
地元静岡では初めてになります(県内では三島市、富士宮などで開催してきましたが)。

会場は静岡市内中心街、追手町にある〈しずぎんギャラリー 四季〉です。
12月13日からという押し迫った時期ではありますが、あわただしい喧噪から離れ、静銀呉服町支店 アゴラ静岡の7階の静かな環境で、暫し静謐な木工家具を前に、お過ごしいただきたいですね。

6日間、基本的に私は会場に詰めますので、お気軽に声を掛けてください。
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ケヤキのかほり

ケヤキを削り上げる作業は独特の高揚感がある。
何故なのだろう。

ケヤキ特有の芳香に包まれながらの“快楽的作業”という側面も、これに関係していると言っても良いかも知れない。
人の五感の一部を刺激するという感覚は、直裁的であり、これは作業者でしか感得することのできない特権でもあることで、より高まろうと言うものだ。
(芳香の源は、木を切ったり、削ったりする作業工程で飛散する微粉末が発するもの。常態ではさほど感じないし、塗装してしまえばなおのことである)

ボクたち木工職人は、五感を動員し、被工作物(主には木材)に向かい、対話し、そして加工を施す。
優れて身体性に拠る職業人だ。
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Flower Stand

Flower Stand

Flower Stand


先の展示会の撮影データを整理していたら、こんなものがあった。

ご覧の通り、ありふれたスタンドである。
以前、大小いくつかのサイズのものを制作していたものだが、今回あらためて制作したもの。

会場の隅に置かれてあったものを、百貨店、リビング部のインテリアコーディネーターが貸してくれ、という。
外商からの依頼で盆栽のスタンドを探しており、丁度良いのがあったとばかりに写真撮影し、提案するのだという。

ならば自分もと、カメラを持ち出し撮影させてもらった。
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展示会を終え、次なるステップに

日本橋三越本店での、2週間という長〜い展示会が終わった。
別注での制作依頼を含め、“それなりの”成果をもたらしたが、それとともに東京都内での開催ということで、多くの顧客、知人、友人などが訪れてくれ、励ましの言葉を頂戴し、旧交を温める場になったのはありがたいことだった。

百貨店での展示会は個展、グループ展、それぞれ少なくない数での経験があるものの、初めての日本橋三越本店ということで、いくつもの戸惑いもあったが、定時に奏でられる中央吹き抜けの2階に設えられたパイプオルガンの荘厳な響きは、老舗百貨店ならではのもので、それらにも助けられ、心地よく過ごすことができた。
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若い力の向かうところは

今回の展示会は、小澤くんという親子ほどの年齢差がある若い木工家に声を掛け、出展依頼をした。
会場では彼の学生時代の友人たちが押し掛け、楽しい話をさせていただいたのだが、彼とはどういう関係なのか、と尋ねる人が少なくなく、それはいちいち応えるのが面倒なほど。

実際、彼とまともに交流するのは今回企画でのやりとりが初めてのこと。
あえて問うこともしていないが、今回のオファーには少なからぬ戸惑いがあったのではと思う。
なぜなら、まともな交流もないボクからの依頼、百貨店での展示販売の経験もない、2週間という長丁場への対応。いずれも不安を掻き立てる要素だったろうことは想像に難くない。
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