工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

若い力の向かうところは

今回の展示会は、小澤くんという親子ほどの年齢差がある若い木工家に声を掛け、出展依頼をした。
会場では彼の学生時代の友人たちが押し掛け、楽しい話をさせていただいたのだが、彼とはどういう関係なのか、と尋ねる人が少なくなく、それはいちいち応えるのが面倒なほど。

実際、彼とまともに交流するのは今回企画でのやりとりが初めてのこと。
あえて問うこともしていないが、今回のオファーには少なからぬ戸惑いがあったのではと思う。
なぜなら、まともな交流もないボクからの依頼、百貨店での展示販売の経験もない、2週間という長丁場への対応。いずれも不安を掻き立てる要素だったろうことは想像に難くない。

131014a百貨店側からは家具産地、静岡のクラフト家具作家という括りでオファーがあり、ついては若手を一人連れて来て欲しい、という内容だった。

静岡にはフリーランスの家具職人(作家)は少なくなく、気鋭の若手もいて、その中の数名とは交流もある。

そんな中、あえて小澤くんに白羽の矢を立てたのは、ただ一つ、有望な若手と見做したからだ。
才能がある若手には、それにふさわしい場を提供するというのがキャリアとしての務めだ。

技術的にもしっかりしたものを備えており、その造形への拘りは水準を超えたものがある。
加え、オリジナリティー追求への思考も並々ならぬものがある。
さらに言えば、家具というモノを詩的な何物かに昇華させようとする欲望さえ垣間みられ、面白いのである。

hr

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