工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から
2014年、新年にあたり・・・
新年が開けました。
1昨年、2012年の新年の挨拶では、とてもおめでとうと賀詞を述べる状況下には無かったわけですが、しかし、今年はどうでしょう。
果たして、めでたしの新年であるとは、私はとても言いがたいです。
むしろ、3.11以後の状況としては、いよいよ困難な状況に立ち入りつつあり、茫洋とした雲間の先には、危機的な喫水線が拡がっているように思えてなりません。
他でも無く、福一原発をめぐるただならぬ危機的状況が続いていることであり、未だに被災地、故郷から棄民され、流浪の日々を送る人々の姿であり、そして日本という国とアジア、さらには世界との関係に目を向ければ、戦後世界のパラダイムを根底から否定し、世界からの孤立を勇者の特権とばかりに勘違いし、唯我独尊で突っ走る我らが宰相の悪行の数々を見せつけられながらの年越しになってしまったことを指しています。
2014年、私たちはとても困難な日本社会を生きていくわけですが、そうした状況の中でさえ、人は日々の営々たる生活の中に小さな希望を見出し、明日を切り拓く歩みを止めること無く、生きることの歓びを見出し、他者との交歓を続け、それらから生きていく価値のすばらしさを子や孫に、生まれ来る全ての人に伝えていくことを止めないでしょう。
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〈しずぎんギャラリー四季〉個展を終えて
本日18日、〈しずぎんギャラリー四季〉での個展を終了いたしました。
師走の忙しい日々を縫い、会場に足をお運びいただき、
丁寧にご観覧いただいた方々、
励ましの言葉を掛けていただいた方々、
そして展示品をお買い上げ頂いた方々、
また新たな注文をいただいた方々、
関係者の皆々さまに心からの感謝を申し述べます。
個展のご案内
個展をやります。
今回は静岡市内での初の個展です。
▼名称:暮らしをアートしよう ⎯ 杉山裕次郎 木工家具展 ⎯
▼会期:2013年12月13日(金)〜12月18日(水)
10:00〜19:00(最終日は15時まで)
▼会場:しずぎんギャラリー 四季
〒420-0853 静岡県葵区追手町1-13 静銀呉服町支店 アゴラ静岡 7階
過去、首都圏、大阪、名古屋などで個展を開催してきましたが、
地元静岡では初めてになります(県内では三島市、富士宮などで開催してきましたが)。
会場は静岡市内中心街、追手町にある〈しずぎんギャラリー 四季〉です。
12月13日からという押し迫った時期ではありますが、あわただしい喧噪から離れ、静銀呉服町支店 アゴラ静岡の7階の静かな環境で、暫し静謐な木工家具を前に、お過ごしいただきたいですね。
6日間、基本的に私は会場に詰めますので、お気軽に声を掛けてください。
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ケヤキのかほり
ケヤキを削り上げる作業は独特の高揚感がある。
何故なのだろう。
ケヤキ特有の芳香に包まれながらの“快楽的作業”という側面も、これに関係していると言っても良いかも知れない。
人の五感の一部を刺激するという感覚は、直裁的であり、これは作業者でしか感得することのできない特権でもあることで、より高まろうと言うものだ。
(芳香の源は、木を切ったり、削ったりする作業工程で飛散する微粉末が発するもの。常態ではさほど感じないし、塗装してしまえばなおのことである)
ボクたち木工職人は、五感を動員し、被工作物(主には木材)に向かい、対話し、そして加工を施す。
優れて身体性に拠る職業人だ。
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Flower Stand
先の展示会の撮影データを整理していたら、こんなものがあった。
ご覧の通り、ありふれたスタンドである。
以前、大小いくつかのサイズのものを制作していたものだが、今回あらためて制作したもの。
会場の隅に置かれてあったものを、百貨店、リビング部のインテリアコーディネーターが貸してくれ、という。
外商からの依頼で盆栽のスタンドを探しており、丁度良いのがあったとばかりに写真撮影し、提案するのだという。
ならば自分もと、カメラを持ち出し撮影させてもらった。
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展示会を終え、次なるステップに
日本橋三越本店での、2週間という長〜い展示会が終わった。
別注での制作依頼を含め、“それなりの”成果をもたらしたが、それとともに東京都内での開催ということで、多くの顧客、知人、友人などが訪れてくれ、励ましの言葉を頂戴し、旧交を温める場になったのはありがたいことだった。
百貨店での展示会は個展、グループ展、それぞれ少なくない数での経験があるものの、初めての日本橋三越本店ということで、いくつもの戸惑いもあったが、定時に奏でられる中央吹き抜けの2階に設えられたパイプオルガンの荘厳な響きは、老舗百貨店ならではのもので、それらにも助けられ、心地よく過ごすことができた。
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若い力の向かうところは
今回の展示会は、小澤くんという親子ほどの年齢差がある若い木工家に声を掛け、出展依頼をした。
会場では彼の学生時代の友人たちが押し掛け、楽しい話をさせていただいたのだが、彼とはどういう関係なのか、と尋ねる人が少なくなく、それはいちいち応えるのが面倒なほど。
実際、彼とまともに交流するのは今回企画でのやりとりが初めてのこと。
あえて問うこともしていないが、今回のオファーには少なからぬ戸惑いがあったのではと思う。
なぜなら、まともな交流もないボクからの依頼、百貨店での展示販売の経験もない、2週間という長丁場への対応。いずれも不安を掻き立てる要素だったろうことは想像に難くない。
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日本橋三越本店での展示会、かわきり
はじまりました
昨日9日、展示会の初日の立ち会い。
緊張と、晴れがましさと、疲れと、充実感、ないまぜの1日。
木工職人という人種は、木埃まみれの作業現場でシコシコと木に向かっているのが、もっとも輝いているもの、という捉え方は了解していただけると思う。
タキシード姿の似合わない陶芸家
以前、親しくさせていただいていた陶芸家の地元百貨店での個展に併せたパーティー会場でのこと。
この陶芸家のファンや、著名な陶芸家はもとより、東大寺の長老まで列席するという大規模で晴れがましい雰囲気に圧倒されたのだったが、主賓のOさんは、いつもの作務衣姿からタキシードに着替え、シャンパングラスを片手に、囲まれたファンをかきわけかき分け、赤らんだ顔で陽気に振る舞い、上機嫌だったのはもちろんなのだが、しかし何とタキシードの似合わなかったことだったろうか。
やはり普段の泥に汚れた作務衣姿がお似合いで、それが仕事人としての一張羅だと思ったものだ。
端から見れば尋常ならざる異様なまでの強力なファンを獲得していた人だったが(谷川徹三さんが強く推していたほど)、常々、“オレは茶碗屋だ”と、謙遜とも、自負とも、自己確認とも、自己否定とも取れる打ち出し方をしていた人だった。
このOさんのような優れた陶芸家であれば、個展会場でいちいち客に声を掛けずとも、夜の酒席で酌み交わすことで、売り上げはドンと伸びただろうから、晴れがましいパーティー会場でも何ら臆することもなかっただろう。
しかし他方ボクなどは、緊張感と晴れがましさを押し隠しながら、百貨店の意向に即応し、しっかりと販売促進の片棒を担わねばならないというわけだ。
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曇天が幸いすること
今日は曇天
今日は終日曇りの天気。気温も平年並み、といったところ。
日射しが弱かったのが、むしろ幸いした。
展示会開催も間近だというのに、複数の物件に翻弄され、準備に専念できない状況が続いていたが、昨日から、業務のほとんどをそれに費やす。
造り置いた家具の梱包をいったん解き、状態チェックの後、ワックスを掛ける。
うちでは昔からWATCOのサテンワックスを用いている。
これはつや消しタイプではあるが、柔らかな艶が出、また汚れ止めの効果もある。
つまりワックス成分が撥水効果をもたらす。
WATCOのオイルは乾燥が遅いが、このワックスは早いので、作業性がとても良い。
こうして以前制作したものと対面するのは楽しいものだ。
新しい発見もあったりするしね。
おぅ、コイツ、こんなに綺麗だったんだ、良い杢が出てるね、などと。
そこへ愛おしくワックスを施すわけで、楽しい作業となる。
一方逆に、このディテール、ちょっと何とかならないのかい?
などと冷や汗を掻かせる奴もあるのはご愛敬。
気に入らなければ出品しなきゃいい。赤面させられるだけだからね。
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木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
