工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ギャラリー 一会 さん、閉店セール

DMギャラリー 一会 (愛知県岡崎市)さんが、この度閉店することになりました。
これを機に「閉店ご愛顧感謝セール」を開催しています。
私、杉山もこれまでお世話になった方々へ向け、他の人気作家ともども、参加させていただいています。
ラウンドテーブル、ネストテーブル、椅子、照明、筺、etcといった小さなボリュームですが、ご愛顧セールと言うことでお買い求め安くなっています。
他には、器、ジュエリー、絵画など、様々なジャンルのアート、クラフトが展示即売されます。
どうぞお出掛け下さい。

【閉店ご愛顧感謝セール】
ギャラリー 一会
場所:愛知県岡崎市向山町1-9
   Phone:0564-51-3193
会期
 第一弾:2009/06/16〜06/27(06/22、休廊)
     11am〜6pm
 第二弾:06/30〜07/05

※ 画像 Top:DM(クリック拡大)、Below:私の展示コーナー
一会展示

「月面探査機“かぐや”、使命終え月面落下」のニュースから

宇宙航空研究開発機構(JAXA)による2007年9月14日の打ち上げ以来、1年半にわたる月を観測してきた月周回衛星「かぐや」(SELENE)はその使命を終え、6月11日制御落下させられた。(中日新聞
科学者でも無いボクにとっては、その探査結果への検証などへの興味はともかくも、NHKなどにより開発された堅固なイビジョンカメラから送られてくる「満地球の出」、「月面」などの撮影に、その幻想的な映像とともに我らが生きる青い地球の素晴らしい姿にロマンが掻き立てられ、見入ったものだ。
まずはJAXAから提供されているYouTube、JAXAチャンネルから
「かぐや」HDTVによる満地球の出(2008年4月5日)

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芹沢美術館企画展 「型紙」

芹沢美1芹沢美術館から企画展の案内がきていた。
今回は芹沢の型絵染に用いられた「型紙」の焦点を当てた展覧会。
ボクは彼の型紙作りを見たことは無いが、江戸小紋の型紙制作の場を拝見したことがある。
まさに職人芸の極地とも形容したくなるほどの精緻な仕事ぶりだった。
芹沢の型染の美しさはその鮮やかな色彩とともに、独自の境地を切り開いた創意あふれる意匠にあることは言うまでもないが、風物、植物、文字と、多彩な事物に題材を取り、それらを着物、のれん、屏風などの布地に染め上げるだけではなく、絵本、装丁、カレンダーなど様々な対象へとその表現を拡げていった。
その原点とも言うべき型紙に焦点を当てるという企画は、なかなかユニークではあるが、その刃の切れ、意匠の大胆さを感じ取るには好企画だろうと思う。
染め上がった作品と対照させてみることで、制作プロセスを想像するのも楽しいだろう。


芹沢銈介美術館
【型絵染の骨格 芹沢銈介の型紙】

  • 会期:2009/06/06〜08/30
  • 休館日:毎週月曜日
    (7/20を除く)、7/21

(会期中の講演会)

  • 「芹沢銈介の思い出」
  • 講師:柚木沙弥郎(染色家、元・女子美術大学学長)
  • 日時:2009/07/04
    13:30-15:00
  • 応募方法:往復はがきに返信宛名、住所、氏名、電話番号を
    ご記入の上、美術館まで郵送。
    6月20日必着。多数抽選。

・問い合わせ
 〒422-8033 静岡市駿河区登呂5-10-5
 Phone 054-282-5522
* 画像(A4チラシ・表裏)クリック拡大

梅雨入りに桟積み

梅雨入りですね。長い長いうっとうしい季節の到来。
モンスーンの影響下にある日本列島の住人としては、避けがたい固有の気象であるので仕方がないか。
日本の四季の美しさは広く語られているところだが、それもこの時季があってのことであろうから、甘受するしかない。
あるいはまた、木を素材としての生業ともなれば、日本の樹種の多様さ、その木目の美しさ、その多くの樹種が世界的にも最も高品質であること、そしてこうした気候に育まれた木の文化の恩恵を被りながら仕事をさせてもらっている、と言ったことなどをあらためて考えれば、
この梅雨の時季なくしては、そうした恩恵に与れないのであり、ありがたく受け止めるべきだろうって?
反論の余地はないようだね。
しかし一方では言うじゃない「木工屋殺すには刃物は入らぬ、雨の3日も降ればよい」って。
もう、殺してくれ〜、ってなもんだね。
梅雨入り宣言がされる前日、何と間合いが悪いというか、先月製材したブラックウォールナットの丸太が運ばれてきた。
先月初旬に製材を済ませた丸太だったが、運送屋の手配が延びてこの時季になってしまった。
わずかに丸太3本、3.5立法ほどの材積だったが12tのトレーラーでやってくるというので少し慌てた。

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TEDから見えるもの

先月知ったばかりだが、最近TEDというサイトによくいく。
TED(Technology Entertainment Design)とは、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物の講演を主催しているグループだ(wikiより)。
ネットにディープにアクセスしている人には知られたサイトかもしれいが、なかなか興味深いスピーカー、テーマが並んでいて飽きさせない。
どちらかと言えばリベラルな思考の方々の活動を対象としているといってもあながち間違いではないのかもしれない。
ボノ(U2)、アル・ゴア、ビル・クリントン、ラリー・ブリリアント(医療活動家)などの名前を見れば分かる。
特徴的なところは講演会の内容を無料で動画配信しているところだが、このところ数回にわたって取り上げた「HOME」の監督、ヤン・アルテュス=ベルトランも最近登壇している。
そのURL
現在、ボクたちの現代世界はグローバル化の進展と共に、9/11以降の混沌とした状況の中で、寄る辺のないところにおかれている。
かつてのように一定の社会科学的な指針に希望を抱き、理想というものを追い求めることができた時代はもはや過去のもの。
今やそれまでの基調であった近代主義の行き着く先にもやが掛かり、はなはだ見通しが悪い。
こうした混沌とした時代にパースペククティヴ、ビジョンというものをどこに求めたらよいのか、言説世界をさまよいながら探していくのも、Webアクセスの目的の1つだ。
このTEDも小さなものかもしれないが、先進的なテクノロジーから、グローバル問題、あるいはエンターティメントなど、知性と有能なパフォーマンスから、何らかの示唆を受けることもあるだろう。
まさにWebならではのアクセシビリティーであり、ここを入り口として、それぞれ興味を持った問題へと深く入っていくのが良いだろう。
なお、動画提供では字幕付きのものも少なくない。
それぞれの動画で言語を選択すれば良いが、「Translations Talks in 日本語」というサイトもあるので、ここでチェックして入ることもできる。
現在16テーマが邦訳。

YouTubeから「HOME」

ヤン・アルテュス=ベルトラン既にお気づきかも知れないが金曜日にupした映画「HOME」だが、YouTubeにも公開期限限定で、全編ノーカット版が、高画質なビットレートで公開されている。
ヤン・アルテュス=ベルトラン、リュック・ベッソンら主要スタッフのほぼ無償の行為ならではの無謀さである。見逃した人はぜひに(ただWOWOW版とは異なり、制作国フランス版なので邦訳字幕、道端ジェシカさんのナレーションは無い)。
こちらから、どうぞ
フルスクリーンでも遜色ない画質だ。
当方、ADSL、わずかに下り3Mbpsだが、途切れるようなこともなく、比較的スムースな再生。

【HOME 空から見た地球】

  • 原題:Home
    ドキュメンタリー
  • 制作年:2009年
  • 制作国:フランス
  • 上映時間:94分
  • 監督:ヤン・アルテュス=ベルトラン
  • 製作:リュック・ベッソン

画像は監督・ヤン・アルテュス=ベルトラン氏
*追記(09/06/08)
現在ノーカット版、数カ国語で提供中。
■ FR:フランス語
■ ES:スペイン語
■ DE:ドイツ語
■ English with subtitles:英語

クレーの食卓

クレーの食卓木工職人の読者は多いと思うけれど、皆さんは調理場に立ったりしますか?
優れた木工職人を自負するあなたは、もしかして木工よりも料理人になった方が成功していたかもしれませんよ。
アホなことを、などと仰いますな。
料理はすばらしい芸術的営為でっせ。
(美味い料理が仕上がった時、いつも家人に自慢げに話す。「人生が2度あれば、木工ではなく○▽屋さんになったほうが皆を喜ばすことができるね‥‥絶対 ! 」と。・・○▽はその時の料理のジャンル)
そんな内輪でしか通用しない話しはここまでとして‥‥、
「ピカソとクレーの生きた時代展」の記事を上げたのは昨年の11月だった。
ボクはこれを名古屋市美術館で鑑賞したのだが、この展覧会はその後東京と神戸に巡回している。
その東京展会場は渋谷Bunkamuraの「ザ・ミュージアム」。
ここも過去10回ほど入館したお気に入りの場所だが、その入館時刻によっては同敷地内にある「ドゥ マゴ パリ」というレストランで食事をすることも多かった。
ランチでもいわゆる軽いフレンチでメニューが構成され、味も逸品だしお財布にも“やさしい”お気に入りの場所。
この「ドゥ マゴ パリ」ではこの東京展の期間は『クレーの食卓』メニューというのがあったようだ。
知っていればあわてて名古屋で観覧するのではなく、このドゥ マゴ パリの食事と共に東京展を楽しめば良かったかなと痛く反省した。
それはこの「クレーの食卓」という本との出会いがあったためだ。

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君は視たか‥‥《HOME 空から見た地球》

HOME 空から見た地球 [DVD]

WOWOW、5日18:00〜 放映

これほどに美しく、これほどまでに無惨な地球の姿を見たことがない。
次から次へと繰り出される地球各地で死に絶え行く植栽、急速に失われつつある氷河、北極海の氷。
そしてこの地球にへばり付きながら生きているホモサピエンス、ヒト。
40億年にわたる壮大な地球の物語も、智恵を授かってしまったが故に、人類による開発と破壊によりわずか近代100年ほどで壊れつつある。
映画全編に貫かれる警鐘は、確かにどこかで聞いたことのある既出のものばかりだが、しかしこのあまりの美しさに彩られたハイビジョン撮影での空撮と、これに被されるナレーションは、強い説得力を持ってズシリと迫ってくる。
視覚にストレートに訴える映像メディアが持つメッセージ性の強さというものにあらためて感じ入ってしまう。(彩度が強調されすぎていると感じるが、これは編集によるものなのか?)
この現状のまま推移すれば、10年後は果たして同じ光景を人類は見ることができるのかという怖ろしさに囚われる。
先に本Blogで紹介した時点では、さほどの期待を持っていたわけではなく、空撮の美しい地球の姿を背景に、ただ感傷的に地球温暖化の警鐘を鳴らすようなものなのかな、と甘く考えていたが、見事に裏切られた。
これはヤン・アルテュス=ベルトラン監督の長年にわたる構想、空撮と、リュック・ベッソンによるプロデュースの賜物であり、編集なのだろうと思う。
あるいはまたUNESCOによる支援や専門家による学術的なサポートも大きく寄与しているに違いない。
見逃した人はぜひレンタルビデオで視聴してもらいたい。
警鐘へは、胸の奥へと唾を飲み込むようにただ黙するだけだが、その地球の美しさには、ただただ愛おしさに胸が熱くなってくる。

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扁平丸太、期待以上の製材結果

ミズナラ
件のふらふら右往左往のミズナラ、今朝製材に。
懸念されたヤケ(褐色腐朽菌)の影響もさほど現れず、綺麗な板が獲れた。
画像は製材後のトラック積載から。
最上部は板目、丸っ挽き。3尺幅近い2寸板を4枚。
残りはは柾目で34〜45mm。
これだけのボリュームで丸太1本分。ワォ、デカッ。
板の上になんか変なものが載っかってるって?
帰路、良い製材ができたことのお祝いとして買い求めた扁平(正確には三角形なんだけれど)ボトルのスコッチと記念撮影。
重量は変わらずとも、製材、桟積みしたことで、安定した走行で戻ってこられた。
とは言っても急ブレーキ、急ハンドル厳禁じゃ。
昨日、所用で出掛けた名古屋で原木の見立てには定評があり、普段から世話になっている材木屋に撮影画像を示しながら、この扁平の丸太をどう挽くかアドバイズをもらっていたので、それに従ったまでだが、挽いた状態では期待以上の良質な板が獲れた。

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Sam Maloof 訃報

sam訃報
Sam Maloof: WoodworkerSam Maloof(サム・マルーフ)が亡くなった。5月21日の木曜日のこと。
FWW(Fine Woodworking)の5月27日付メルマガ ↑ からの訃報だった。
もうあの黒縁眼鏡を通した柔和な笑顔に触れることはできない。
ボクがこのロッキングチェアのアイコンの存在を知ったのは木工修行を初めて間もなくの頃、講談社インターナショナルからその数年前に発刊されていた著書(Sam Maloof – Woodworker)からだった。(右)
訓練校で知り合ったばかりのTさんとともに訪ねた東京日本橋の東光堂でそれを見付け、授業時間の合間に皆と見入った懐かしい思い出が蘇る。
アメリカを代表する木工家の一人で、数少ない成功者でもあった(優れたビジネスマンとしての評価もあるようだった)。
レイ・チャールズ、ジミー・カーター、ロナルド・レーガン両元大統領などを顧客に持ち、多くの木工ファンに愛された。
日本からも彼を慕って工房スタッフとしてアメリカに渡った人もいるので、血脈は国内でも何らかの形で受け継がれていくのだろう。
個人的にもその独特の流麗なフォルムで記憶されるロッキングチェアには影響されたし、著書と出会って数年後に取り寄せたVHSビデオでのバンドソーの驚くべき活用法には目を見張り、そしてその椅子に用いられる仕口にも大きな関心を抱いたものだった。

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