工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ウォールナット テーブル 制作 その4

タイトル
午後からかなり強い雨になりましたが、午前中のうちに天板成形加工をやっちゃいました(湿度がぐんぐん高くなってきてましたので、早よ、せな…汗、とひとりゴチながら)。
成形加工は型板に添わせてルーター等でシェイプします。
通常うちではほとんどは先に記述しましたように、面取り盤、大型ピンルーターなどを使い行いますが、さすがに今回のような大きな天板はそうもいきません。
替わって、ジグソー、ハンドルーターなどを使い行います。
ルーター作業
<成形加工その1>
・型板を作成し、被加工天板にスミ付けをする。
・スミに数mmを残し、ジグソーでカットする。
<成形加工その2>
・型板を天板に固定させ、ハンドルーターで倣い切削する。
・成形されたラインに、面取り用カッターを用い、面取りを施す。
といった工程です。


加工のポイント
1) 木口(コグチ)の切り落とし部分でチェック(写真3)
矧ぎが適切に行われたか、検証する1つの目安ですが、矧ぎ部分に近い切り落とし部分を手に取り割ってみます。この時矧ぎのところで綺麗に割れれば、それは矧ぎ接着が適切に行われていない証左になります。別のところで割れれば矧ぎが良くできて、一体化されていることの証左です。
ルーター刃
2) 型板での成型について(写真2)
写真 下から被加工天板、型板(合板)、ルーター刃(a)、ハンドルーター [装着されている刃(b) ]
成型プロセスにも様々な方法がありますが、今回は 1,ストレート刃で成型→2,面取り用刃で面取り、という2段階ステップで行っています。
・ルーター刃(a):5/4″径、8/4″長のストレート刃です。ベアリングは一般的なものと逆で根本に付いています。
ルーター刃に限らず、刃径は大きなものの方が切削肌は綺麗です(同じ回転数でも周速度が速いがため)。許容される範囲で大きなものを使うべきでしょう。
ベアリングが上にあるため、被加工物と型板の関係性において使い勝手がよい。
なおこの刃物は米国通販会社からのもの。(インチ径)
・ルーター刃(b):なだらかな R を持った形状の面取り刃です。
こうしたものは既製品では入手できないため、個々にデザイン設計、発注、製作します。信頼性の高い刃物屋に依頼しましょう。(大メーカーである必要は全くありません)
矧ぎチェック
なお、成型と面取り加工を1度で行うということも良くあります。これらの選択基準は、被加工物の大きさ、面取り切削に於ける切削抵抗(負荷の大きさ)、所有する刃物の制約、などといった様々な要素で判断します。

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