工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ウォールナット テーブル 制作 その6

テーブル
昨日ウォールナット テーブルが完成しました。さっそく大阪へ配送手続きを済ませる。
ある運送会社のミニ引っ越し便というタイプです。ドライバー+1名 ですので、届け先の指定する部屋まで設置してもらえます。
通常であれば極力自車便で配送するのですが、展示会が直後に控えていますので、客の許しを請い、業者に託しました。
その代わり天板などは厚めの合板でしっかりと覆うなど、がちがちに梱包しました。
この天板は脚部 幕板とはコマ(金具)にて緊結させています。
幕板に抽斗を設けるという仕様でしたので、このような手法を取りました。


因みに下の写真のようにコマはクランク型の形状をした鋼鉄仕様ですので、スプリングが効き、とても緊結度は高いです。
しかも、図、写真、形状をご覧になればお分かりでしょうが、幕板側には金具厚よりやや狭いスリットを開ける(丸鋸で通せばよい)だけでOK。
板状のもののようなノミで彫り込むといった煩雑さはなく、しかも堅牢(幕板側には木ネジは不要)。緊結度も高い。
コマ図
このようなコマは木製のものを自作し、用いることも多いですが、どっちが良いかはケースバイケースでしょうか。
いずれにしても金具(木ねじ)を使うということでは耐久性での優劣は無いと思われますが、緊結度、堅牢性ではこの金具の方が高いと思います。
コマ1
コマ2
残念ながら国内では既製品はないと思われます。
自身で設計し、金具屋に発注しなければなりません。
ボクは仲間数人と数千個を発注し、コストダウンを追求しました。
制作する時は、必ず焼き入れ塗装をしましょう。

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  • なんでもかんでも木をつかわなければと言うおかしな手作り家具みたいな風潮には辟易ですね。合理的で実効性のある家具作りのことを知ってほしいと僕もおもいます。こうしたことをどんどん外に向かってアナウンスして行くべきかもしれませんね。

  • 家具の構成にあって、ハードウェアの占める位置は少なからぬものがありますね。
    飾り金具(錺金具)もそうですが、機能金具についても同様です。
    (以外にも、以前当たり前のように入手できた金具も廃番になっているものなどもあり、落胆することもしばしば。「HAFELE」の抽手など良いものが多かったのですが、最近では入手が難しくなってきている)
    こうした情報の入手と、積極的取り入れも造形上、設計上の拡がりに繋がりますから疎かにはできません。
    TABULA RASAさんからもこれぞと思われるものがありましたら、そっと教えてください(笑)。

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